Vidu Story Gridで条件を変えてみた|9秒・15秒・9コマ・12コマ比較で分かったこと
前回、Viduの新機能「Story Grid」を使って、黒衣の旅人アノンが盗賊に襲われた隊商を助ける動画を作ってみました。
初回生成は、かなり「荒野の用心棒」風になりました。
これはこれで面白かったのですが、本来やりたかったのは、砂漠ファンタジーの隊商救出シーンです。
そこで今回は、プロンプトの条件を変更し、9秒・15秒・9コマ・12コマの違いも見ながら、Vidu Story Gridの癖を確認してみました。
初回から変えたこと
初回は、アノンの参照画像だけで試しました。
その結果、Vidu側が「砂漠」「盗賊」「荷車」「黒衣の流れ者」という要素を、西部劇的に解釈したように見えました。
そこで修正版では、次のような条件を強めました。
・西部劇風にしない
・幌馬車を避ける
・銃、カウボーイハット、酒場、開拓地風の要素を避ける
・ラクダを使う
・布で包んだ荷物を使う
・砂漠交易路の雰囲気にする
・盗賊は砂漠の襲撃者にする
・曲刀やローブ、スカーフを使う
・写実寄り、映画的、現実感のある映像にする
つまり、「何となく砂漠ファンタジー」ではなく、画面に出てほしいものと、避けてほしいものをはっきり書きました。
比較した内容
今回は、同じ題材をもとに、次の3パターンを追加で作りました。
・修正版 9コマ / 9秒
・修正版 9コマ / 15秒
・修正版 12コマ / 15秒
初回の9コマ / 9秒版と合わせると、合計4本の比較です。
同じ「アノンが隊商を助ける」という内容でも、条件を変えるとかなり印象が変わりました。
荒野の用心棒から、椿三十郎っぽさへ
修正版を見てまず感じたのは、西部劇感が減ったことです。
ラクダや布荷物、砂漠交易路の要素が入ったことで、幌馬車のある荒野ではなく、砂漠の隊商に近づきました。
ただ、今度は別の方向へ寄りました。
かなり、侍アクションっぽい。
言い方を変えると、「荒野の用心棒」から「椿三十郎」へ寄った感じです。
黒衣の剣士が静かに立ち、状況を見極め、多勢の敵に対して少ない動作で流れを変える。
この見え方が、かなりチャンバラ映画に近い印象でした。
剣の見せ方が西洋剣と違って見える
今回の映像では、アノンの戦い方が、西洋剣の打ち合いというより、短い間合いで斬り崩すように見えました。
もちろんAI生成なので、武術的に正しいかどうかは別です。
ただ、画としては、
・体を絞る
・一瞬で踏み込む
・腕の動きが比較的コンパクト
・一太刀ごとの意味が大きい
・多勢をまとめて崩す
ような印象があります。
これは、西洋の剣術というより、チャンバラ映画的な見え方です。
Viduは、プロンプトに忠実な一方で、足りない部分を何らかの映画文法で補完するモデルなのかもしれません。
初回は西部劇。
修正版はチャンバラ。
この寄り方の変化が、かなり面白かったです。
9コマ9秒はテンポが良い
9コマ9秒版は、かなりテンポよく見えました。
1コマあたり約1秒なので、出来事が次々に進みます。
歩く。
気づく。
襲撃現場。
介入。
戦闘。
退散。
去る。
このように、物語の骨格を見るにはちょうどいい尺です。
短いぶん余韻は少なめですが、テストとしてはかなり分かりやすいです。
9コマ15秒は、少し間が伸びる
同じ9コマのまま15秒にすると、少し印象が変わります。
単純に考えると、1コマあたりの滞在時間が長くなります。
そのため、雰囲気や間は出やすくなります。
一方で、プロンプト内の出来事が同じままだと、Viduが動作を引き延ばして時間を埋めようとしているようにも見えました。
これは重要な発見でした。
動画の尺を伸ばすなら、ただ秒数を増やせばよいわけではない。
伸びた時間に見合うだけの出来事や変化を入れないと、間延びしやすいのだと思います。
12コマ15秒は、いちばん理屈に合っている
15秒で見せるなら、9コマより12コマの方が自然に感じました。
12コマにすると、出来事を少し細かく分けられます。
たとえば、
・歩く
・異変に気づく
・状況を見極める
・襲撃現場を見る
・商人の危機
・護衛が押される
・アノンが介入する
・最初の一撃
・戦況を変える
・盗賊が後退する
・盗賊が逃げる
・アノンが去る
というように、15秒の中に入れる「変化」が増えます。
この方が、ただ尺を伸ばすよりも自然です。
動画生成では、やはり「1ショット1アクション」が重要だと改めて感じました。
1分動画でもよく言われることですが、短尺でも同じです。
尺に対して、どれだけの物語を詰め込むか。
どのアクションをどの長さで見せるか。
ここがかなり肝心です。
Viduはプロンプトにかなり忠実に見える
今回試して感じたのは、Viduは良くも悪くも、プロンプトに書いたものがかなり出てくるモデルだということです。
初回は、世界観の指定が弱かったため、西部劇に寄りました。
修正版では、西部劇要素を避け、ラクダや砂漠交易路、曲刀、ローブなどを入れたことで、かなり方向が変わりました。
つまり、準備をきちんとすれば、かなり良い結果が出る可能性があります。
逆に言うと、曖昧に投げると、Vidu側が既存の映画文法で補完してくる。
このあたりは、かなり注意が必要です。
本編で使うなら、参照素材が重要
今回の結果を見る限り、Story Gridは本編制作にも使える可能性があります。
ただし、いきなり大事な本編シーンに使うより、まずは参照素材を整えた方がよさそうです。
必要になりそうなのは、たとえば以下です。
・主人公の参照画像
・相手キャラの参照画像
・舞台背景の参照画像
・小道具や衣装の参照
・隊商、神殿、王宮などの世界観参照
・避けたいジャンルの明示
特に、砂漠ファンタジーを作りたい場合は、「西部劇ではない」と書くだけでなく、「何であるか」を具体的に書く必要があります。
ラクダ、布荷物、砂漠交易路、曲刀、ローブ、乾いた空気、古い交易都市。
こういう視覚要素を入れることで、ようやく世界観が安定してくるのだと思います。
今回のまとめ
今回の比較で分かったことは、大きく4つです。
1つ目。
Vidu Story Gridは、物語の流れを作る力がかなりあります。
2つ目。
参照素材やプロンプトが足りないと、既存の映画ジャンルに寄ります。
3つ目。
同じプロンプトで尺だけ伸ばすと、間延びしやすい傾向があります。
4つ目。
15秒にするなら、9コマのまま伸ばすより、12コマにして出来事を増やす方が自然です。
今回の実験は、単なる新機能のお試し以上に、動画生成の設計についてかなり学びがありました。
短い動画でも、ただ「かっこいい場面」を作るだけでは足りない。
どの尺に、どの出来事を、どの順番で入れるか。
その設計がかなり重要です。
Vidu Story Gridは、そこを考えるための道具として、かなり面白い機能だと思いました。
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