【#40 民家で美しい花刺繍の手仕事に触れる】シナカンタン|メキシコ|中南米女子1人旅
サン・フアン・チャムラを訪れたあと、そこで出会った旅人と一緒に、別のマヤ先住民族の村シナカンタンを訪れることになった。
彼は以前その村に訪れたことがあり、織物をしている家を訪ねて、伝統衣装を着せてもらったり、手作りトルティーヤを食べさせてもらう体験をしたらしい。
シナカンタン村
シナカンタンは、色鮮やかな花の刺繍で知られる織物と、高地で育てられる花の栽培で有名な村らしい。
村に近づくにつれて、ビニールハウスが目に入るようになり、村の中にも花屋が多かった。
タクシーを降りるとすぐ、数人の小学生くらいの子どもたちが寄ってきた。「家で織物を見せてあげる。お代はチップだけでいいよ」
観光客慣れしている様子に、少し圧倒された。家に招くのがこの村の観光のスタイルというのは聞いていたが、さすがに急すぎて「まず教会を見てから考えるね」と伝え、その場を離れた。
シナカンタンの教会
教会内は写真撮影禁止。チャムラの教会に比べると、人も少なく、見慣れた教会に近い印象だった。
隣にあったチャペルのような小さな教会では、オフレンダ(祭壇)が色とりどりの花で飾られていた。さらにキリストの絵まですべて花びらで表現されていて、花で知られるシナカンタンならではの光景だった。
見学が終わると5歳くらいの子ども2人が募金箱を持って近づいてきた。
先ほどもそうだが、この村では、こうした役目を子どもたちが担っているらしい。あまりに天使のように可愛くて、思わず募金をした。
2ペソ渡すと、「5…」と少し悲しそうな顔。
結局もう3ペソ足した。賢い。

この村伝統の織物を見るために、民家へ
教会を出たあと、先ほど声をかけてきた兄弟の家に、案内してもらうことにした。人通りはほとんどなく、街は静か。

おうちは田舎によくある小屋のような家で、作業スペースにはお母さんの織物作品がずらりと並んでいた。
実際に、腰に帯を巻いて織る伝統的な機織りを見せてもらった。その手仕事を見ると、作品の見え方も変わってくる。
日本では、メキシコの織物は高いと感じることもあるが、作っている人の顔や時間を知ると、高いという感覚自体が、少し変わる気がする。

作っているところを見せてもらった後は、ウィピル(伝統衣装)を着せてもらった。着付けは子どもたちが手際よく進めていく。自分たちも着る機会が多いのだそう。
ウィピルは村ごとに模様や色が違うらしく、花の刺繍は単に可愛さだけでなく、村のアイデンティティが感じられた。

そして最後に、お母さんが手作りの焼き立てトルティーヤとチーズ、卵焼きをごちそうしてくれた。
待ち時間に、子どもたちは「ニッシン(カップ麺)は日本でいくらするの?」「日本人は馬の肉を食べるって本当?」と興味津々。
学校の宿題やテストの話も楽しそうにしていて、将来は先生になりたいという夢も教えてくれた。そんな時間がとても楽しかった。
帰る前に、お花の刺繍がされた小さい肩掛けバッグとスマホ入れを購入。
最初は「商売目的かな」と少し身構えていた。
もちろん商売ではあるのだろうが、家族の雰囲気はとても穏やかで、押し売りのような感じはまったくなく、この家族の手仕事を持ち帰りたいと自然に思える、そんな家族だった。

帰りのコレクティーボ
町の中心部に戻り、コレクティーボを使ってサンクリへ戻る。後部座席3人でぎゅうぎゅう詰めだったのだが、たまたま隣に座った同世代くらいの女性が、日本にシナカンタンの服を輸出していると知り、親近感が湧いて嬉しい気持ちになった。

そして交渉や移動をすべて助けてくれた彼ともお別れ。1人では絶対行かなかったこの村。
彼には感謝しかない。
しかし、この日はまだ終わらない。
サンクリに戻って散歩をしていたら、また別の出会いがあった。
それは、また次回。
