【ただ語る】エゴと社畜と創作物と『さよならエバーアフター』レビュー&攻略情報
※本記事は致命ネタバレに善処します。ただし面白さを布教するための微ネタバレは含まれます。攻略情報にはゲーム終盤までの情報が記載されます。興味が湧いた時点でこの記事を閉じて本作品をプレイしてください。
本記事は 2026年1月にカナダのSleepy Castle Studioから発売された『さよならエバーアフター(Escape from Ever After)』をクリアした筆者によるゲームプレイレビューです。

『マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』をインスパイアしていることが公言されている本作品ですが、単純な模倣にとどまらない進化とリスペクト、独自性のあるテーマとアツいストーリー、心地良いUIやミュージックなどのプレイ感に感動したためレビューを書いています。
◆導入(※致命ネタバレは回避しているつもり)
以下、筆者のクリアした直後のざっくりとした感想です。
インスパイア元である『マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』はプレイ済。その上で難易度「ふつう」でプレイしたがなかなかギリギリの場面は結構多かった。ただしセーブできるタイミングは多いので、難易度「むずかしい」でも良いかも。
プレイ時間 30h 程度。(※本編クリア&100階ダンジョン(成功の塔)クリアまで)謎解きにかけた時間はかなり多い。謎解きは基本編やった後にすぐ応用をさせてくるスパルタ形式なので、普段からパズルゲームやってないと結構大変かもしれない。考え方のヒント等は本記事でも言及したいつもり。

「ペーパーマリオRPG」インスパイアということで、基本システムは大体同じ。だけどシステムだけでなく、ゲーム内のノリまでちゃんと継承されてるのが素晴らしい。ざっくりとしたストーリーが「エバーアフターという会社を内部から転覆させる」なので、その辺りの資本主義風刺やお仕事あるあると、ペパマリのシニカルな風潮がとても合っている。
UI始めとした手触りもインディーズと思えないくらい良い。ペパマリのストレスな部分をちゃんと刷新したルールで解消出来ている。
コレクションの100%達成について現時点まとまってるサイトがあまり無い印象。下記が一番わかりやすいかなと思ってます。https://www.100pguides.com/guides/escape-from-ever-after-all-collectible-locations
◆ゲームデザインについて語る(ネタバレあり)
~皮肉と風刺のストーリー~
このゲーム、『ペパマリ』のインスパイア要素を受け継いでいるため、シニカルで風刺的なノリが継承されており、ホントウにあのときのプレイ感が蘇る感じがしてグッドなんです。

作中では冒頭で言及されるが「絵本の世界を管理する会社」であるエバーアフター.Inc の仕事をこなしながら、内部から転覆を狙うというストーリーである。最初に出会う上司 兼 最大の敵である、ビジネスマッチョな「ミスタームーン」の言動もちょうど鼻について良い。このあたりの翻訳も素晴らしい。

訳わからない仕事をしている同僚がいたり、人事部が形式だけの「仲直り」をさせてきたり、非常にコミカルで愉快である。インスパイア元であるシニカルで風刺的なノリと、会社の内部転覆を狙うストーリーが抜群にマッチしていて、そのテーマ選択も素晴らしい。

~インスパイアとゲームデザイン~
「絵本の世界」という独自のテーマから産まれるストーリーテラーにより、ワールドごとに雰囲気のまったく異なる世界観に連れて行ってくれるのが飽きを感じづらく、次の話へのヒキも良く没頭感がある。

戦闘BGMもワールドごとに違う。そして全部すばらしい。ステージについても、地下牢→のどかな森村→ホラー&クトゥルフ→海と船と火山→氷の世界とSF→… と王道ではあるがメリハリとワクワク感を損なわないステージ選択でセンスが光る。
なんとなくこのステージ選択は『ドラゴンクエストビルダーズ2』を思い出した。黒閃の連発である。
ゲーム内容についても、なんとなくどこかで見たことがあるモチーフを使いつつも独自テーマである「絵本の世界」と連動しつつ、適度にプレイヤーの予想を裏切ってくる。


最後まで「王道」と「飽きさせない裏切り」を浴びせてくるプレイ中の没頭感が良い。
~創作物である、というエゴとキャラの意地~
普段の風刺的でシニカルな雰囲気もあいまって、ギャップがあるアツい話も所々差し込まれて感動がある。
例えばパーティーメンバーは創作物であることを自覚しており、それをキッカケとして思い思いの目的からエバーアフターInc.の転覆を狙っている。単なる仲間!ではなく、「ビジネスライクな利害関係」として共闘していく、という展開もアツい。

やっぱり登場人物がギスギスしている作品が好きなんです。リメイクが決まった『テイルズ オブ ベルセリア』もビジネスライクな関係から、それぞれのエゴと背景を受け入れて、それでも利害関係のために共闘していく、というテーマ性があって好きです。『シンフォニア』とか『アライズ』しかやってない人はギスギスしすぎて驚くかもしれない。いいよね、利害関係で共闘するパーティーって。

物語も進むにつれて、「エバーアフターInc.は何を目的にしているのか?」「ミスター・ムーンは何を考えているのか?」などの内面に踏み込んでいく。そこには「絵本の世界のキャラクター」であるテーマの裏側が語られる。

最終的には普段のシニカルさのギャップも相まってアツい展開が。資本主義に対するアンチテーゼ、という言い方ほど説教臭くはないが、「実益と感情とは、創作物とは何なのか?」を考えさせてくるテーマで殴ってくる。王道の展開ではあるものの、地に足が付いた結論と収束性が実に綺麗な作品でした。

◆キャラクターを語る(攻略情報)
このゲーム、ステータスが同じであり、キャラクター個性がかざり(バッジ)で全員装備可能なので、レベルアップ方針や扱い方に困る方がいるかもなぁと思いました。
筆者は難易度最高でエンドコンテンツのダンジョンまでクリア済なので、そこで感じたプレイ感と役割を明示しておきます。プレイのヒントになれば。
全体:レベルアップ時にあげる能力
・筆者は以下でプレイしました。このゲームは基本「速攻で殲滅」or「耐久戦」を使い分ける必要があり、どちらにせよ「攻撃力」「防御力」「手数の圧縮」の向上が重要です。つまり「HP」「MP」を上げても「攻撃力/防御力/手数の圧縮」に影響与えない場合は戦闘が苦しくなる一方です。
そのため、推奨は以下です。
・基本的には「LP」を上げる。
・敵の1ターンの攻撃が、最大体力の 1/3 を超えてきたな、、と思ったら体力を上げる
・MPはシナジー技「回復」の回復量の2倍あればOK。筆者は超後半まで13(1レベルアップだけ)で過ごしていました。
※以降はキャラクターごとの紹介ですが、筆者のプレイ感での感想です。
フリント

【役割】
アタッカー(低防御向け)
【特徴】
・『バックラーバラージ(以降、『BB』)』:
…つまり『レンゾクジャンプ』持ち。
・「盾持ち」以外に対して弱点を持たない万能性
・『バックラーバラージ』による手数の多さ。つまり毒の発生率とSPの回収量。
【キー装備】
★注入用毒素(毒付与)
★シナジースーパースター(SP増加)
・ガードエキスパート(アクション成功防御アップ)
・デカフェ(MP減少)/カフェイン入りドリンク(MP回復)
【補足】
★「アタックブースト」は無くても良い。「注入用毒素」の方が価値が高い。
・毎ターン『BB』を打つのが基本なので、MP回復/軽減手段を付けておくと良い。
・敵の先制攻撃の受け先なので、体力・防御は気にしたい。

【詳細】
・主人公に「遠隔&レンゾクジャンプ」を渡したの、英断です。お陰でゲーム序盤から最後までメインアタッカーとして大活躍。ただし「盾持ち」には常に弱いので他のキャラクターは「盾をどう突破するか」を考える構成を強いる。
・このゲームの攻撃力は『BB』の2段目以降には影響しない。つまり『BB』は 2ダメージ(※これだけ攻撃力が乗る)→1ダメージ→1ダメージ… という計算となるため、防御力が1以上のキャラには無力…ではない。

1つでOKと思う。
・このゲームの毒は、すべての被ダメージを1増やす。毒状態だと『BB』は3ダメージ→2ダメージ→2ダメージ… という計算になり、防御力1くらいであれば強引に突破することは可能になる。そして「注入用毒素」は攻撃発生ごとに判定が出る。『BB』で6回アクションを行う場合、体感8~9割は毒になる。途中で毒になれば防御無しで10ダメージほどは余裕に出る。毒が重なればもっと余裕が出る。このゲームは毒ゲーであることは念頭に置く必要がある。

また、手数が多いとアクション回数が多く、アクション回数が多いとSPの回復量が多い。毎ターンMPを使う戦い方だとシナジー技「回復」に頼る場面も多い。「シナジースーパースター」を装備していると、BB一回の6アクションでSPが1.5くらい回復する。筆者は後半の戦闘では「相手の防御が1くらいだったら、フリントでBBをとりあえず打つ」が常套手段であった。

ティンダー

【役割】
盾割り・ゾンビ系タンク(HP5マリオのような)
【特徴】
・『ホーンヘッドバッド』:貴重な「盾持ち」への回答。
・攻撃が「地上」「接触」属性で、なかなか使いづらい…炎上は期待するものではないが耐久戦で光る。
【キー装備】
・ディフェンスブースト1つ
・ヘイル・メアリー(ピンチでダメージ半減)
・ダイアストレート(ピンチで回避アップ)
・他、1人持っていれば効果を発揮するもの。
【補足】
・誰かは担当することになるであろう「荷物持ち」。LPの関係上、ピンチ効果持ちが兼任すると良さそうだったのでウチではティンダーに。
・ダイアストレートの発生率はかなり高い。ピンチの戦闘でティンダーが避けまくって立て直した戦闘は特に序盤、かなりあった。
【詳細】
・最初の仲間でありヒロイン。炎使い。主人公は結果的にこの子のためにもエバーアフターInc.の転覆を狙う。それをツンデレわがままドラゴン(1342歳)にするセンスよ。


炎攻撃は植物系に強いが、植物は全員、「盾持って無くて防御力が高い」か「盾持って無くて防御が低いか」の極端であり、前者はフリントの餌食、後者はウォルフの担当だったので戦闘であまり出番を見いだせず。


結果、「HP5マリオ」を彷彿させるガン積みにより無茶な戦闘を成立させるゾンビ系タンクに。強引に「しらべる」を成立させるときはパッチとこのティンダーの不沈艦2体に助けられた。

ストーリー面では意外とみんなをちゃんと見ていたり、一番冷静だったり、適度にデレたり、なんか平成のヒロインみたいで良かったですね…。

ウォルフ

【役割】
アタッカー(高防御向け)
【特徴】
・音による 防御無視攻撃 持ち。
【キー装備】
・「高音のレクイエム」
…縦方向攻撃への回答。アップグレード後の毒も優秀。
・アタックブースト
・オールオフェンス(防御ダウン、攻撃アップ)
・エクストラアジャイル(回避アップ)
【補足】
・6ダメージを出せるように攻撃力を優先しておくと、出したい場面がかなり増えます。
・オールオフェンスを積むと、防御力上げるより回避を上げた方が効率良くなる。
【詳細】
令和のアカリンは歌って踊れる狼だった。通常攻撃が地上のみで使える場面は少し限られるが、防御力が高い敵は大体地上にいるのでシステムにも噛み合っている。フリントの苦手な盾持ちも貫ける関係で単純に攻撃力を上げた場合の恩恵が大きい。オールオフェンスも駆使して攻撃力をゴリゴリにあげて行こう。


・搦手のスキルを多く持つが、攻撃力を優先するとセットする枠がない。最強技「デフクエイク」を連打する戦い方とかやってみたかった…。「シールドストラム」「インスパイア」とかのスキルもあるし、なんとなく耐久よりに寄せたくなる気はするんですが、防御貫通はすべてを覆すレベルで強かった。

難しそうな話が始まるとずっと魂が抜けた表情していたり、他のキャラが難しい顔している中、ウォルフだけ半泣きだったりニコニコしていたり、愛されキャラで良く目立っていた。エバーアフターのメインヒロインはあなただウォルフ。

エヴァ

【役割】
回復タンク 兼 アタッカー。条件付き。
【特徴】
・「ファングフィースト」:
防御貫通・HP吸収・背面攻撃。ひたすら強い。エヴァの存在意義かつ生命線。
・通常攻撃がマリオジャンプで、ある程度万能だけどこのゲームでは弱点も多い。
【キー装備】
★ダークマジック(MPの代わりにHPを消費にする)
・HPブースト
・デカフェ(MP減少)
【補足】
・「ファングフィースト」が強さのすべてです。連打の前提として「ダークマジック」も欲しくなり、両方揃うのはゲーム後半になりがち。それまでは荷物持ちに徹したりタンク役をしておくのが良いか。
・「ファングフィースト」には攻撃力アップが乗らず、「アタックブースト」を積まなくても良い。それでも防御無視で5点出せるのは優秀。

【詳細】
魔女らしく覚えるアタック技がぜんぶ優秀。「ファングフィースト」が飛び抜けて優秀。かざり「ダークマジック」により、HPを消費してそれ以上のHPを回復できるので無限ループが完成するタンク役も可能。背面攻撃の都合で他のメンバとターゲットを合わせづらいのは注意。

反面、通常攻撃「カンガルージャンプ」はアクション成功時に武器が上向きになってダメージ受けてしまったり、なにかと不憫。戦い方がMPに頼りがちになるので、ダークマジックが無いうちは、MP回復かざりとも相性が良い。攻撃が2アクションするのを利用して「注入用毒素」を装備して毒役を担うのも強そう。

また「ファウルプレイ」は相手を無力化できるユニークな技で、「成功の塔」後半で便利。良くも悪くも安定感を出すキャラクターであり、瞬発的な火力や絶対的な防御面は他キャラクターに回すほうが役割がわかりやすく、器用貧乏を受け入れる立ち回りを受け入れよう。それはそれで人事部の御局っぽくて良いじゃない。

パッチ

【役割】
正統派タンク。
【特徴】
・「トーント」:
単体攻撃を引き受ける。防御+2。
このゲームの防御+2はインチキである。
・「プラッシュプンメル」:
攻撃力をジャンプ攻撃で与えつつ、両隣に攻撃力-1の衝撃波を発生。
ほぼ全体攻撃で、縦方向にも発生するのが偉い。
【キー装備】
★ディフェンスブースト
トーントと合わせて防御3あると、最終盤までかなり安定する。
・アタックブースト
・ヘルシーグロウ(体力回復)
【補足】
・ウォルフの次に攻撃力盛るならこのキャラか。前に立つ機会が多いので、積んでおくことに意味が大きい。被ダメージ機会も多いので、ダメージで反応するかざりにも適正がある。
・トーントにより強引に生存することが可能なので、アイテムの使用機会も多い。

【詳細】
最後の仲間は万能バッファーだった。亀裂とか岩とかフィールドオブジェクトから急にボム兵みたいなのが出てきて仲間になるのかと思ったけど、ぬいぐるみでしたね。
標準技の「テディトレマー」は、横並びの盤面で活躍。「トーント」はこのゲーム中最強レベルの性能を持つ。登場してから謎解きでやたらと使うことになるので、戦闘回数が自然に増えた人もいるのでは。パッチ絡む謎解きパズル、難しさが段違い。

私はシンプルに防御力とダメージ系リアクションのかざりを振ったタンク役として起用。防御が素で2あるとだいぶ盤石。防御1に回復やガード系のリアクション積んで置くだけでそうそう倒れない立て直し役になりました。
攻撃力も5点(攻撃力+2)まで育てておくと、細かい処理が行いやすくなって優秀。前線に出てる時間が長いので、単純に効果が発揮される機会も多い。
「成功の塔」では、「3段積み重ね×3」 とかがたまに出てくるので、有効打が ティンダーのシナジー技 or パッチの「プラッシュプンメル」に頼る場面は多かった印象。

ストーリーでは一番重要な闇を抱えている一方、ちゃんとみんなを支えている兄貴役で良かったですね。ただしパッチが絡むパズルは難易度が高すぎる…。このゲームのパズルは無駄がほとんどない都合上、「最後にどういう配置になってる必要があるか」から逆算して手順を考えるとやりやすかったです。

◆以上
というわけで、『さよならエバーアフター』のレビュー&攻略メモでした。コマンドRPGが好きな方はぜひやってみてください。「自分はこんな役割やレベルアップ方針でやったよ!」という方は情報を教えて下さい。

◆おまけ
・「導入」でも上げましたが、クリア100%ガイドで一番見やすそうだなと思ったのは下記でした。
・… 個人的には、100%狙う前に「成功の塔」をクリアしにいってしまうのをおすすめします。接触で敵倒せるかざりが手に入るからです。
・ステージ3「宝島」でパッチが入ったあたりで、とりあえず60階までクリアする。→ストーリーのラスボス倒した後に、100階までクリアする。→他の100%要素を拾いにいく … という流れがスマートかな、と思います。
成功の塔、↑ のような役割を基本的に抑えていて、60Fくらいまで安定して行けている状況になってれば、ストーリークリア直後で100階も、たぶん、そんなに難しくないです。ボスの感じ載せておきます。
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(以上!)
