【簡単あらすじ】15歳の昆虫図鑑(微ネタバレ)【五十嵐美怜/講談社】【福島県出身/複数県課題図書】
「中三にもなって。小学生じゃあるまいし」
教師から「ホタルのボランティア」を提案されたが、多くの生徒は気が進まない。
そんな中、虫好きの女子中学生がクラスメイト4人とボランティアに参加し、ホタルを見つけるまでの物語。
―
『はじめに』
東北南部でもついに梅雨明けが宣言され、真夏日どころか猛暑日が毎日続いています。
当然、エアコンを起動しながら自室で過ごすことが多くなりますが、そうなると読書をするための絶好のシチュエーションを得られ、読書が捗る時期がやってきましたので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
ーー
『 夏休みのホタルのボランティア、参加してくれる人はいないかなあ 』
舞台は、東北の田舎町にある中学校。
夏休み前の朝のHRで、3年1組の担任はそう言って参加者を募った。
「はい。わたし、やりたいです」
そこでは、東京から転校してきて・定期テストは常に一位、という噂の吉岡蛍子が立候補するも、そのボランティアには5人一組で参加する必要があったため、一度その話は持ち越しとなった。
その後、吉岡は残りの4人を集めるため悪戦苦闘する。
各中学生が、自分を見つめ・少しずつ大人になっていく物語。
―
本作は、高校受験前の中学三年生の日常を、下記5種類の昆虫と関連させて話が進んでいきます。
1.コセアカアメンボ
⇒ アメンボとカメムシは仲間であり、アメンボが作り出す水の波紋は「餌を見つけたり」「危険を察知するレーダー」になっている。
鈴木真優は、ホタルのボランティアに興味があるものの、いつも一緒にいるグループの他のメンバー三人にどう思われるかが気になり、行動を起こせないでいた。
ー
2.カブトムシ
⇒ 一つの体に雄と雌の特徴が混ざり合う「雌雄モザイク」という固体が発見されている。このことで、昆虫にも性ホルモンがあるという説を唱える学者もいる。
長谷部健都は、ある休日、高校生の姉のバスケの試合を見に、家族で体育館へ向かった。その帰りに寄ったコーヒーショップで、中学校のALT・ニックを見かける。
ー
3.アブラゼミ
⇒ 地上では数週間しか生きることが出来ないセミだが、地中では3~7年ほど暮らしているといわれており、昆虫の中ではずっと長生きしている部類に入る。また、アメリカには「十七年/十三年周期」一斉に羽化するセミもいる。
自他ともに認める3年1組の人気者・小野航平。
実家は父親が社長である会社を経営しているため、将来的には会社を継ぐことになるだろうと周りは考えているらしい。
しかし、航平はそんな田舎の考え方に反発し、東京の高校へ進学しようと密かに考えていた。
ー
4.ジャコウアゲハ
⇒ 卵の時から毒を持っているため、人を恐れずにゆっくり飛ぶ。毒のおかげで寄生されることもない強い蝶。
クラスメイトの小野航平に告白し、あっさりとフラれた遠藤咲。
学校ではグループからハブられ、家では母親と過ごす時間が短い。
寂しさを感じた咲は、SNSで知り合った隣町の男子高校生と遊ぶ約束をする。
ー
5.ゲンジボタル
⇒ ホタルが光る理由は、「異性に合図を送るため」「身を守るため」「仲間を集めコミュニケーションをとるため」などと言われている。
転校前に「空気が読めない」「最低」など、色々言われてしまっていた吉岡蛍子は、3年1組では必要以上に人と話さないと決め、友達なんて出来ないものと考えていた。
ーー
本作は、青春小説に分類されるものですが、登場人物が15歳・中学三年生なので、そこまでドロドロした関係性・事件が発生している作品ではありません。
(単に、私が今まで読んだ高校生の青春小説の多くが、スクールカーストなどでドロドロしていただけかもしれません笑)
ですので、青春小説に苦手な方でも、大変読みやすく、自身の学生・中学生時代を懐かしみながら・感情移入しながら読了出来ると思います。
また、ALT・ニックや、校務員・安達など、周りの大人たちも大変良い存在感を出しています。
15歳だと、大人から受ける影響は大きいですし、まだまだ大人のサポートは必要ですからね。
読了後に爽やかさを感じることが出来る本作。
是非ご一読ください。
福島県出身の作家さんとしても応援しています!
ーー
☆他の福島県出身作家・四季大雅さんの小説レビュー☆
☆他の小説レビュー☆
いいなと思ったら応援しよう!
記事を読んで頂いた方に、何かしらのプラスを届けたいと考えています。