異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第19話「神々の性別」【7割リアル連載小説】
アリサと真由美が語り合うとき、自然と話題は冥界の謎へと向かう。冥界は二人にとって尽きない好奇心の源だった。
アリサは少し身体を乗り出しながら言った。
「ねぇ、巷では閻魔さまって男っていうことになってるじゃない。でも、真由美が実際に見た感じ、どうだった?私ね、女性でもないし、男性でもないような印象を受けたんだ。強いて言えば、女性っぽい男性って感じかな」
真由美は窓の外を眺め、しばらく考えてから答えた。
「そうね……私、あまりはっきりとは覚えていないんだけど。でも、女性っぽい男性っていう表現は納得できるわ。それが一番しっくりくる」
二人の言葉は、どこか異なるが共通した冥界への理解を感じさせる。そして、その謎めいた世界は、彼女たちの好奇心をさらに深く掻き立てていくのだった。
アリサは軽く笑いながら、再び話を続けた。
「でしょう?世界中どこに行っても、神話とか宗教とか、男女の区別がきっちりしている神が多いと思うのよね。たとえば、ギリシア神話とかさ。でも、考えてみれば、本当の神々って中性が正しい姿なのかもよ。ただ、一般向けに分かりやすくするために性別を設けているだけかもしれないわ」
真由美は少し眉をひそめ、興味深そうに首を傾げながら問いかけた。
「アリサが言いたいのは、創造主は中性で、伊邪那岐と伊邪那美が男女の夫婦。そして、その子どもが天照大御神という女神ってことになっているけど、本当は性別がないのかもってことよね?」
アリサは得意気に頷いた。そして、興味深い話を続けた。
「そういうこと。それにさ、LGBTQの推進者たちがミックスゾーンを主張して、少数派を守る名目で社会を混乱させたっていう説があるじゃない。だけど、元を辿るとこういう神話の解釈にヒントがあったりしてね。それからアニメも。例えば『科学忍者隊ガッチャマン』のベルク・カッツェは雌雄同体のミュータントだし、『マジンガーZ』の、あしゅら男爵は右半分が女で左半分が男だし」

真由美はアリサの話を聞いて“なるほど”と思いながら応えた。
「それは言えているかも。それに、病院にいるとよく思うんだけど、老人の顔を見てみて。なんだか性別が分かりにくい人っていない?もしかしたら、神様ゾーンに近づくと性別が曖昧になる、なんてことだったりしてね。でさ、奪衣婆はどう?やっぱり“婆”ってついてるぐらいだから、根っからの女神なんじゃないの?でも、もしも実は“婆”じゃなくて“爺”で、“奪衣爺”だったとか、“奪衣婆爺”――なんて名前だったとしたらどうする?想像しただけでメチャメチャ笑えるわ」
真由美の言葉に、アリサは吹き出しながら言った。
「そんな名前、冥界の威厳が台無しじゃない!おとぎ話にもならないし、完全にギャグで終わっちゃうわよ」
冥界の性別論に話が移るにつれ、二人の会話はますます熱を帯び、笑い声が絶えなかった。どこか奇妙で不思議なテーマを軽やかに語り合うこのひと時が、彼女たちにとってのささやかな癒しの時間だった。
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第20話へ続く
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サムネは「マジンガーZ」に出ている、あしゅら男爵の画像です。
