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耳ダンボ👂テーラー稲津の内緒話㉘「風水編:ある占い師と用賀の結婚伝説」

ある占い師の結婚の失敗と、用賀という街にまつわる不思議な伝説。その物語は、私がタロットを学んでいた頃の記憶から始まる。

タロット占いを最初に教えてくれたのは英国人だったが、日本で副業として活動するにあたり、「当たるタロット占い」を実践的に指導してくれたのは、アリサさんという占い師だった。ちなみに、私の小説『異星人アリサと閻魔さまのトリセツ』に登場するアリサとは別人である。

東京・用賀出身のアリサさんは、茶道の先生である母親のもとで育った。母は「女性は短大を出て社会で3年働いたらお見合いして嫁ぐのが正しい」という今では考えられない価値観を持っており、アリサさんは逆らうことができなかった。そして23歳のとき、母の弟子から紹介された相手とお見合いし、あっさりと結婚した。

しかしそこから悲劇が始まる。結婚式直後のハネムーン3日目、旅先で大げんかになり、「どうしてこの人と結婚したのだろう」と後悔したという。

帰国後離婚を決意したが、すでに妊娠していることがわかった。夫は「自分の子ではない」と疑ったが、生まれた子があまりにも似ていたため認めざるを得なかったそうだ。

夫は二人きりではモラハラや暴力を振るう一方、親戚の前では良い夫を演じた。アリサさんは母や兄妹に何度も「怖い、別れたい」と相談したが、子どもの存在もあって真剣に取り合ってもらえなかった。

「私、占い師なのに結婚で失敗したのよ。親の言葉に従って、自分の勘を信じなかったからね。母の元を離れたくて結婚すれば自由になれると思ったけど、この有様よ。もう疲れたわ。この子を手放したくなっちゃって……。夫が別れてくれないのは子どもの存在もあるだろうし…本当に嫌になったの」と語っていた。

夫は彼女が経済的に自立できないよう働かせないようにしていた。だが、霊感の強い彼女にぴったりの仕事が見つかった。当時流行し始めた電話占いの占い師として、在宅で夫に内緒で働き始めたのだ。

驚くほど当たるタロット占いは評判を呼び、リピーターも増えた。だが、夫に見つかり鑑定中に電話コードをハサミで切られる事件が発生。(当時はスマホがなく固定電話しかなかった)

さらに「夫は私の目を狙ってくるのよ。顔を殴ったり足を蹴ったりするだけでなく、本気で致命傷を与えようとしていると感じたわ。でも子どもには絶対手を出さないの」と彼女は話した。

その後、子どもを夫に託すことを条件に離婚が成立し、彼女は用賀の実家へ戻った。

ところで、用賀には「住むと結婚できる」という都市伝説のような噂があるらしい。アリサさんもその一例かもと思うのは、実家に戻ってすぐ新しい出会いがあり、交際を始め、1年以内に再婚して子どもも授かったのだ。

だから、もしどうしても結婚したいなら、用賀に住んでみるのも一つの方法かもしれない。

おしまい

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