耳ダンボ👂テーラー稲津の内緒話#51「嫉妬ほど厄介なものはない——ブラジル人の"念落とし"の儀式」
東京に住んでいた頃、週に2~3回ほど通っていたドッグランで仲良くなったA子さんから聞いた話を思い出した。
彼女の旦那さんはブラジル人だった。
奥さんが日本人ということもあり、労働ビザの問題がなく、同じくブラジルから出稼ぎに来ていた仲間たちからは随分と羨ましがられていたらしい。
ある日、A子さんがこんなことを話してくれた。
「この間ね、旦那が血相を変えて仕事から帰ってきたのよ。
そのままお風呂場に直行して、バケツにお湯を張って、粗塩を一袋ドサッと入れて……いきなり頭からかぶってたの。
『ちょっと、どうしたの?』って聞いたら、
『いや〜〜、今日は人から念をもらっちゃったよ。
とにかく早く落としたくてさ。
ブラジルにいたときから、このやり方が一番手っ取り早いんだ』って」
奥さんは日本人で、可愛い子どももいて、マンションも購入して……。
ブラジルから来ている仲間たちからすれば、とてつもなく羨ましい人生だったのだろう。
ただ、その旦那さんは霊感が強く、いわゆる“生霊”にはめっぽう弱かったらしい。
世界のどこへ行っても、厄介なものと言えば――嫉妬。
これさえなければ、世界中もっと平和なのかもしれない。
