夕暮れの散歩道で、方向指示器のことを考えた
日が長くなり、夕方になると、主人はボーダーコリーのチロルを、私はブリュッセルグリフォンのルークとバーデルを連れて、別ルートで散歩をしている。
この一か月ほど、気になっていることがある。
人がいない場所だと、車がなかなか方向指示器を出してくれないのだ。
「小さな通りだし、一人しか歩いていないから、方向指示器なんて面倒くさいものは出さなくていい」
――そんなふうに言われているようで、正直とても気分が悪い。
車が突然、自分の進行方向へ曲がってきて、嫌がる2匹を引っ張る羽目になったことなど、いくらでもある。
そういえば、似たようなことはシンガポールでも経験した。
シンガポールでは車が高額すぎて、そもそも車を持っていない人や、毎日運転しない人も多い。
そのせいか、運転に自信がない人も多く、方向指示器を出さずに曲がるという行為が、ある意味“まかり通っている”雰囲気があった。
だが、ここは日本だ。
昔なら、そんなことをする人はほとんどいなかった。
「他の人が出していないから、私も出さなくていいだろう」
そんな気持ちが広がっているのだろうか。
そういう空気が蔓延すると、方向指示器を出さない人がどんどん増え、逆に出している人が“真面目すぎる人”のように見なされてしまう。
いや、もうすでに、そんな時代に入りつつあるのかもしれない。
