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#94『薄明』16章:裸の心④🔞

前回のお話はこちら↓

あらすじはこちら


今回のお話には成人向けの内容が含まれます。18歳未満の方はご遠慮下さい。
官能シーンではありますが、単なる性欲や刺激だけではなく、彼らのプライドや愛が溶け合い、本当の姿が露わになる不可欠な描写として書きました。ストーリー上重要な回になっておりますので無料公開といたします。是非お読みくださると嬉しいです。


震える手で櫂の広い胸に縋りつき、茉莉はゆっくりと腰を下ろしていった。


自ら彼を自分の中へと導き、迎え入れるのは初めてのことだ。


相手は過去に数多あまたの経験を持つ、百戦錬磨の櫂である。

どう動けばいいのか、こんなぎこちない真似事で呆れられるのではないかという怖さが、茉莉を萎縮させていた。でも─



大丈夫、櫂は私をバカにしたりなんかしない…


「んぅっ…… …、っ…、」

不慣れな角度から入り込んでくる熱く硬いくさびに、茉莉はたまらず小さな悲鳴を上げる。

「茉莉……? 痛くないですか?」

櫂もまた不意の出来事に戸惑っていた。

しかし、不安げな茉莉の瞳と、それでも必死に自分を迎え入れようとする健気な思いを察すると、ひどく甘い表情に変わった。


彼はシーツを掴んでいた茉莉の腕をそっと解き、自分の首に回させる。

そして、大きな両手を茉莉の華奢な腰に添え、優しく導くように支えた。


「こうして……ゆっくりで、大丈夫ですから…」

そのままじわりと櫂の全てを根元まで呑み込むと、彼の低い声と手のひらの温かさに励まされ、茉莉はためらいながらも、たどたどしく腰を揺らした。


(これで、合っているの……?)

戸惑いながら、自分から快楽を求めようともがく。

ぎこちない摩擦のたびに生まれる鮮烈な熱が、茉莉の背筋をゾクゾクと駆け抜けていく。

櫂は、目の前で懸命に自分を求めてくれる茉莉の姿に、胸が締め付けられるほどの感動を覚えていた。

いつもは羞恥心で顔をそむけ、されるがままの彼女が、頰を真っ赤に染めながら、自ら必死に自分を悦ばせよう、自分と繋がろうとしてくれている。

その事実が、どんな高度なテクニックよりも強烈に、櫂の快感を押し上げていった


「っ……茉莉、…上手ですよ、すごくいいです……最高に、可愛い…………最高だ…」

櫂の堪えきれないような荒い吐息が漏れる。

しばらくして彼はただ受け身でいることをやめ、下から深く突き上げるように腰を返した。

茉莉がより気持ちよくなれるように、その細い腰をぐっと掴んで、二人の密着度を極限まで高める。


「あぁ…っ! 櫂っ…あっあ…っ…深い……っ」

下からの強烈な突き上げに、深部を的確に抉られる快感。

最初はぎこちなかった茉莉の動きも、圧倒的な悦びに呑み込まれ、やがて本能のままに乱れていった。



(ああ、私……馬鹿みたいだ)



快楽の嵐に翻弄されながら、茉莉は朦朧とする頭で思った。


私はこんなにも彼に全てを捧げ、明け渡している。

はしたない姿も、誰にも見せたことのない乱れた顔も、とっくに彼には知られ尽くしているのに。


どうして




──どうして心の一部だけを隠そうとしていたんだろう。




……『弱音も吐けない相手と一緒にいるのは疲れるんじゃない?』……


稜真の言葉がよぎる。


はしたないとか恥ずかしいとか、プライドとか。


茉莉にとってあからさまな心情や欲望を表すのはそれまで恥だった。


だけどそんなものを全部取り払って、この身体のように素直になれたら


(私が隠そうとしていた自分の弱さも、今なら……言えるだろうか)


「もっと……櫂、……もっと……!」

心の奥の裸の欲求。

自分の心に正直になった茉莉は、髪を乱しながら激しく彼を求めた。

そんな茉莉の思いに応えるように、櫂が動く


「っ…、茉莉……もう、限界です」


櫂は茉莉の腰を強く抱き寄せたまま、ぐるりと身をひるがえした。
視界が反転し、今度は茉莉がシーツに沈み込み、櫂が上から重く覆い被さる。


「あっ……!」

「よく頑張りましたね。……あとは、全部私に預けてください」


正常位へと体位を変え、櫂はこれまで抑え込んでいた情熱を完全に解放した。

ベッドが軋むほどの激しさで、深く、何度も打ち込み始める。

「ああっ! あ、…あぁっ!! 櫂っ、櫂っ!好き…、好き……!」


全てを委ね、明け渡し、茉莉の身体はまばゆい歓喜の光の中で弾け飛んだ。


「茉莉っ……愛してます…愛してます…愛してる…っ!茉莉…!!!」

櫂もまた、茉莉の奥深く、最も熱い場所で限界を迎え、自らの全てを力強く注ぎ込んだ。


……



果てた後も、二人はしばらく身動き一つとれなかった。

深く繋がったまま、荒い息を共有し、互いの激しい鼓動が一つに溶け合うように響き合う。

茉莉は櫂の胸に顔をうずめた
まだ、言葉にはならない

しかし汗ばんだ肌をすり寄せ、固く抱き合う腕の力だけで、ふたりの魂がこれまでになく深く結びついたことだけは、
確かだった。



続きは明日21時頃更新予定です


次回、茉莉、櫂に言えるかな
愛のあるセックスはええね😌

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