揚げかいもち 将棋むら天童タワー 山形天童 和菓子なスクチャイ092 2025.04.21etc.
和菓子なスクチャイ092 山形 > 天童
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
揚げかいもち 将棋むら天童タワー 山形天童
1.揚げかいもちは和菓子
「揚げかいもち」は和菓子か?
和菓子にはおかきや醤油煎餅などがあり甘いものばかりではない。
この店、将棋むら天童タワーの「揚げかいもち」は主食ではないおやつとして提供しており素材も山形産そば粉100%なのでこれは和菓子と見た。
2.かいもちとは?
最初「かいもち」って何かわからなかった。
「かいもち」は山形内陸部にある郷土食で、語源は手でかいた餅ともかき混ぜる餅とも言われている。
一般名称で言うと「そばがき」だ。
3.そばがき
小麦粉が入らずそば粉100%で熱湯と一緒に捏ねて作る。
そばのように茹でないで練るのに使ったお湯をすべてを食べることになるのでそば粉の栄養分を丸ごと摂れる。
そば切りは置いておくと伸びるが、そばがきは置いていても伸びない。
・・・などの利点も多い。
練って練って練りまくって餅のような弾力を生むようで作り手は結構力仕事だそうな。
ここまでが「そばがき」の話でそば粉の産地を抜きにすると全国的にもあるので珍しくない。
一般的な「そばがき」はそば同様麺つゆや醤油で食べる。
4.山形のそばがきは「かいもち」
山形の「そばがき」はまず「かいもち」と呼び名が変わり、タレが全国的なものから少し異なり、麺つゆには砂糖やみりんを入れて少し甘くし、他にエゴマの擂ったのに砂糖醤油で調味するのでこれも甘辛い。そして納豆も使う。
このように山形の「かいもち」は特にタレに個性があり、全国の「そばがき」同様「かいもち」だけで食事になり得る。
5.山形西川町の「かいもち」


写真のように「かいもち」がご飯の代わりの主食になり、周囲に煮物や漬物が付いて一食の食事にもなる食堂のメニューがある。
写真は西川町の地元のおばちゃんたちが運営するローカル食堂「かわどい亭」の献立だが、他のお客さんを見ているとこれだけをお昼ご飯とするお客さんも多かった。
ちなみに大喰いの吾輩はこの時、この「かいもち」の他にかわどい定食(当日は焼きサバ)と当日朝に作った手打ちそばも食べた。
なかなか行けない食堂なので気になる食べものはすべて頼んですべて残さず食べたのだった。
家庭ではかいもちを主食にする場合、かいもちがご飯の代わりになるのでもっと他に色々おかずを付けるようだ。
さて、ここまでが「そばがき」と「かいもち」の話だ。
6.将棋むら天童タワーの「揚げかいもち」
いよいよここから本題の「揚げかいもち」の話に入る。
「揚げかいもち」は「かいもち」を素揚げしたものだ。
「揚げかいもち」は山形でも一般的にはなく、将棋むら天童タワーのオリジナルとなっていて、「かいもち」に慣れた地元の人でも、
客「揚げかいもちってなに? あんりまぁ、かいもち揚げんの!? おんやま〜珍しね〜。んめのかい?」
店員「そりゃんめさ!」
などと言う会話を交わして地元の人でも最初は恐る恐る注文するのだった。
7.「揚げかいもち」のメニュー

「揚げかいもち税込320円」のメニューだ。
2個セットの写真だったから、吾輩は1個が320円でこの写真のセットは640円なのかと思った。
しかし実際はこのお盆全部で税込320円なのだ。
ちなみに一番最初に書いたがこの揚げかいもちセットはあくまでおやつで食事にはなり得ない量だ。
お茶の友などとして間食として楽しむものだ。
なので吾輩は和風おやつということで、和菓子の仲間に入れてここに紹介しているのだ。
8.「揚げかいもち」の姿

一緒に写っているナガノのくまの身長は7.5cmなので大きさは直径が5cmほどのたこ焼きを一回り大きくした感じだ。
それを丸ごと揚げてある。
最初は食感もわからないものだから、沖縄のサーターアンダギーを思い、全体的に丸いドーナッツのような感じでカリッと軽快なのかと想像した。

しかるにこの断面の写真を見ればわかるように中身は「かいもち」あるいは「そばがき」そのものなのだった。
9.「揚げかいもち」の注文
将棋むら天童タワーでは注文が入れば冷凍にしておいたこの丸いかいもちをじっくりと揚げる。
そのため注文の時に「10分程度お時間をいただきますけどいいですかね〜?」と言われる。
通常は天童タワー入り口右脇にあるカウンターだけのカフェコーナーで16時頃まで提供するが、16時前でもお客さんの入り具合によってカフェコーナーを早めに閉じる場合や、16時以降などのカフェの営業時間外の場合も注文できる場合があり、その場合は奥の食堂エリアで提供してくれることもある。
カフェの場合はカウンター前のオープンキッチンで調理すなわち揚げてくれるのが見えるが、時間外の場合は奥の外からは見えない一般の食堂メニューも調理する厨房で揚げてくれる。

芭蕉の奥の細道大庭園を眺めながら
その奥の食堂エリアで食べる時、食堂エリアのテーブルで待っていると、冷凍された2個のかいもちをカフェのキッチンから食堂のメイン厨房に店員のおねえさんが運ぶ姿が眺められたりする。
その時、吾輩の近くを通過するおねえさんは2個の冷凍かいもちを載せた皿を持ったまま決まって吾輩の方へ視線を送り「エヘヘへ〜」と半ば得意げな愛想笑いをするのだった。
その笑顔には、「揚げかいもち」という将棋むら天童タワーオリジナルの自信作への誇りと、それを注文してくれた客への感謝と、「これを注文するとはさすが見る目あるね〜!」という気持ちと、「もうすぐこの冷凍の物体が美味しい食べ物に変身するから刮目して待ってよ!」
・・・などという自信に満ちあふれたおねえさんの気持ちの集合体が笑顔に混合凝縮して表現されているのだった。
10.「揚げかいもち」配膳

そして約10分後に運ばれてきた揚げかいもち。
揚げかいもちには脇役に煮物が付いたり土産として販売している椎茸昆布などの箸休めを付けてくれる。
ある時、何も付いていない時があって、今日は何もなしかとちょっと意気消沈しかけていると、目の前にさくらんぼが置かれたことがあった。

さくらんぼの旬の頃で、知り合いの農家さんがB級品を置いて行ったとのことだ。
ちょっと傷物だったが味は本物でとても美味しくすごい幸運だった。
だってどう考えても今食べている320円の揚げかいもちよりも、いくらB級品たってさくらんぼの方が高いに決まってるからだ。(≧∇≦)(写真参照)
11.「揚げかいもち」のリピーター

このように吾輩はすでに何度もここ将棋むら天童タワーに来て揚げかいもちを食べている。
一度食べたらやめられない人も多いらしく吾輩もそのひとりだ。
揚げかいもちは、サーターアンダギーのように全体がカリッと揚がっているのではない。
表面がカリッで、中はムニュ〜のかいもちなのだ。
これが表面アッチッチのアチチ桃山時代※の状態でさっき吾輩の傍を通過した笑顔満面のおねえさんが運んで来てくれるのだ。
(※註:アチチ桃山時代は落語林家一門の古くからの伝統ギャグ)
12.「揚げかいもち」のタレ
付けダレは西川町で食べた「かいもち」と寸分違わない。
すなわち蕎麦つゆとエゴマの甘辛ダレだ。
このエゴマは言われなければクルミ胡麻醤油と間違えるほどコクがあって美味しいおタレなのだ。
見た目は胡麻のようにも見えるので胡麻の香ばしさとクルミの濃厚さを感じるのだ。
それがエゴマダレなのだ。
エゴマダレだけをペロペロ舐めっていても満足する代物なのだ。
13.「揚げかいもち」の応用編
そして吾輩はこの揚げかいもちの応用編を考えている。
吾輩はまだ試したことはないが、きな粉や黒蜜や練乳など、甘いおタレも絶対に合うと思っている。
来るたびにそのことを店員おねえさんに進言しているのだがいつも笑って同意はしてくれるものの実現はしたことはない。
揚げかいもちは持ち帰り可能な商品だ。
いっそのこと買って帰って自分できな粉や黒蜜や練乳ヴァージョンをやってみるか!?
とも思ったが、店員おねえさんは「揚げかいもちはねぇ、持って帰ったら表面がくた〜っとなるのよ。だからここで揚げたてを食べるのが一番よ!」
と言うのだった。
一番はわかるけど・・・でも甘いおタレでも食べてみたいのだ。
実現するには、今度自分でマイ「きな粉」「黒蜜」「練乳」を将棋むら天童タワーに持ち込むか!(それが許されるかどうかは知らんけど)
・・・などと考えている要注意顧客なのだ、この吾輩は。
ま、きな粉黒蜜練乳が成功した暁には「揚げかいもち」はいよいよ甘い和菓子としてデヴューするわけだ。
その日も近いかもしれないのだ!
(おわり)
