生姜糖 来間屋 島根出雲市 和菓子なスクチャイ088 2025.07.28
和菓子なスクチャイ088 島根 > 出雲市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
生姜糖 来間屋 島根出雲市


1.高校時代の出雲大社一人旅
この生姜糖を齧って生姜の鮮烈な甘辛さを感じつつ、かつて出雲大社に参る旅に出た高校時代の青春の1ページを思い出すのだ。
新書版ほどの大きさでビニールに包まれた『山陰・松江・出雲』だかのタイトルの日本交通公社(現JTB)発行の旅行ガイドブックを鞄に忍ばせて旅をしていた。
2.夜行鈍行「山陰」京都発出雲市行き
前夜に京都駅の片隅にある薄暗い山陰線ホームを出発した旧型客車の夜行鈍行「山陰」が翌朝終点の出雲市に着き、そこから7.5kmの短い大社線というローカル線に乗り換えて、眩しい朝日を背に受けて荘厳に輝く駅舎の終着駅大社に降り立った。
そこから徒歩15分で出雲大社だ。
3.出雲大社への参道で「生姜糖」を買う
沿道の商店で名物の生姜糖を買った。
交通公社のガイドブックに「参拝者はぜひそうしろ!」と書いてあったからだ。
さっそく封を切って中身を齧ると、鮮烈な生姜の甘辛味で涙がちょちょ切れた。
そのまま涙を流しながら出雲大社を参った。
4.東京で出雲の生姜糖を手に入れた
かつての出雲大社での懐かしい「それ」を再体験するために今回出雲の生姜糖を手に入れた。
出雲に行ったわけではなく、日比谷しまね館(島根県のアンテナショップ)で買ったのだ。
言ってみたら「ズル」だ。
なんでもかんでも東京で手に入れる癖がついてしまっている。
アカンアカン!と思いつつ・・・(≧∇≦)
なんとなく包み紙に見覚えがある古風なデザインだった。
再現するのになかなかいいぞ、と思った。
税込580円。
5.家で食べた



家で開封したらすでに割れていた。
どうせ割って食べるものだから構わない。
どうせ吾輩の鞄は「ブタ鞄」だから気をつけているつもりでも中で変な圧力がかかったのだろう。
ま、そういうことで割る手間も省けたのでさっそくひとかけらを口に入れたのだが・・・
6.生姜の辛みがない!
・・・生姜を感じないのだった。
肝心の生姜の辛味がない!
出雲で食べた時は生姜の峻烈な辛味で涙がちょちょ切れたんだぞ!
なぜだ?
現代風に刺激をなくしたのだろうか?
でもこれだと、甘いだけやん・・・_| ̄|○
7.生姜糖に諸事情あり?
生姜糖は出雲市から東京までのおよそ850kmの距離を運ばれて来たのだ。
交通経路と手段は詳しくはわからないが、今年の夏のこの暑さだ。
たとえ一瞬でも暑熱に曝されることだってあったかもしれない。
それに生姜糖のこのパッケージはよく見ると小さい穴のような通気口のような謎の小さい穴が列をなしているのだった。
この微細な穴の意味はわからないが、完全密封だと袋が膨張するとか?
それを防ぐための通気口だったら生姜の揮発成分も一緒に飛んでしまったとも考えられる。
もちろん賞味期限内ではあるが、こういうのはやはり現地で出来たてを食べるべきなのだろうかと思った。
8.生姜糖に涙したかった
生姜の辛味で涙しつつ、当時の出雲大社の旅を思い出したかったのだが、これでは単なる甘い思い出だ。
断っておくが甘い思い出なんかなにもなかった。
出雲大社ではもちろん4回の柏手でお参りしたが、縁結びに関する必要以上の下心なんて何もなかった。
出雲大社はそれだけの神様ではないだろうし。
・・・ま、ここでそれを強調することもないか。(≧∇≦)
9.美保関のユースホステル
出雲大社参拝の後はバスで美保関に移動して美保関を観光後、そこのユースホステルに泊まった。
食後に観光ガイドを兼ねたミーティングがあって、チューリップハットを被ったヘルパーの三遊亭円丈に似るお兄さんが妙に元気な挨拶と共に登場した。
そしておそらく毎晩同じことを言っているだろうところのギャグを放って得意顔だった。
「美保関で日本海を眺めて、あ!中国大陸が見える!と言う人がたまにいるけど、あれは中国大陸ではなくて珍しくもなんともない隠岐島だよ〜ん!」
「(宿泊客一同)低音の笑い声」
吾輩はポケットに入れていた生姜糖をひとかけら口に含んで涙するのであった。
まるでヘルパーのくだらない話に笑いこけて涙を流しているように見えたかもしれない。
10.生姜糖の歴史など
生姜糖の製法は『菓子話船橋(かしわふなばし)』1841年に掲載されていて江戸時代後期には全国に広まったと思われているが現在はここに紹介した出雲市の来間屋や他には伊勢神宮参道の生姜糖が名物になっている。
奄美大島などの南西諸島では黒砂糖に生姜を混ぜた一口サイズの生姜糖も売られているらしい。
出雲の来間屋の生姜糖は島根県特産の出西(しゅっさい)生姜を用い、その汁と上白糖を炭火で煮詰め型に入れて固めて作る。
かつて藩主にも納めていたということなので駄菓子のようではあるが立派な銘菓と呼べるだろう。
ところで砂糖と生姜の組み合わせは吾輩にとっては親しいのだ。
それはまだ暑さが残る秋の入り口の岸和田祭りの頃を含む大阪泉州地方の夏である。
おばちゃんが玄関先で冷やし飴を吾輩子供の当時1杯30円や50円などで売るのだ。
最初こそガツンとくる生姜の辛味に面食らうが慣れればそれが爽やかに感じ子供でもクセになる。
砂糖と生姜は相性が良くお菓子にも使われ、西洋でもジンジャーブレッドやジンジャークッキーなど伝統菓子にもなっている。
飲み物ではジンジャーエールだ。
そういうことで今回買った来間屋の生姜糖にはもう少しガツンとくる生姜風味が欲しかったところなのだ。
(おわり)
