白とびつき しまや 新潟佐渡島 和菓子なスクチャイ099 2025.08.21
和菓子なスクチャイ099 新潟 > 佐渡島
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
白とびつき しまや 新潟佐渡島


1.「白とびつき」の名の由来
餅生地で渦巻き状にこし餡を巻いたような和菓子「白とびつき」は、佐渡の老舗和菓子店「しまや」が製造販売する代表銘菓だ。
吾輩はこれを新潟市内で買った。
税込540円。
その名前「とびつき」は佐渡の伝統的な風習に由来し、佐渡の方言で「もらいもの」や「おすそ分け」を意味する。
(一般人の旅行記などで「とびつき」の意味を「飛びつき」たくなるほど美味しい和菓子だから、などと鹿爪らしく書いてWeb公開している説明を散見するが、それらは無理矢理こじつけた言葉遊びのようなもので本来の意味ではないので誤解しない方がいいでしょう)
佐渡では結婚式や新築祝いなどの祝い事の際におめでたいお菓子を「おすそ分け」する風習があり、そこからこの名前が付けられた。
2.素材と製法

餅粉と砂糖を主原料としたシンプルな求肥菓子で、米どころ佐渡の米粉を使い職人が手作業で丁寧に練り上げて作ったお菓子だ。
「白とびつき」と、名前に「白」が入っている通り、真っ白な色が特徴だ。
この白さは祝い事の清らかさや喜びを表現しているとのことである。
3.食感と味


もちもちとしていて、口当たりは非常に滑らかだ。
上品で控えめな甘さなので、飽きずに何個でも食べられる。
なめらかなこし餡も美味しいが、吾輩は特に生地が気に入った。
うっすら甘くて弾力のある柔らかい白い餅生地で、淡白ながらもそれだけでもおやつとして成立している気がした。
生地だけを売っていたら買って食べたいほどなのだ。
4.歴史
佐渡の銘菓「白とびつき」は、佐渡の老舗和菓子店「しまや」の創業以来100年以上にわたって愛され続けている伝統的なお菓子だ。
「しまや」は、大正時代に佐渡の相川で創業した。
当時は、佐渡金山で栄えた町で、多くの人が行き交っていた。
そうした人々のお茶請けやお土産として創業者の島田清太郎氏が考案したのが「白とびつき」だったそうな。
島田氏は、米どころである佐渡の良質なもち米の風味を最大限に活かしたお菓子を作りたいと考え、シンプルながらも上品な求肥菓子にたどり着いた。
また、佐渡に古くから伝わる祝い事の際に餅や菓子を「おすそ分け(とびつき)」する温かい風習にちなんで、「白とびつき」と名付けた。
5.佐渡の風習と結びついた存在
「白とびつき」が単なるお菓子としてだけでなく佐渡の人々の生活に深く根ざしたのは、その名前と結びついた文化があったからだ。
佐渡では、結婚式や出産、新築祝いなどのおめでたい席で、近所の人や親戚にお祝いのおすそ分けとして「白とびつき」を配る風習があった。
純粋な白さが清らかさを、柔らかな求肥が幸せを象徴しているとされ、喜びを分かち合うための大切な役割を担っていた。
このように「白とびつき」は単においしく食べるお菓子だけではなく、佐渡に伝わる温かいおすそ分けの文化を今に伝える地域に根差した和菓子と言えそうなのだ。
(おわり)
