継続だんご 三野屋 新潟直江津 和菓子なスクチャイ051 2025.04.11
和菓子なスクチャイ051 新潟 > 直江津
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
継続だんご 三野屋 新潟直江津






1.「名物にうまいものなし」志賀直哉
・・・であるなら、包み紙にまともに「直江津名物」と書いてあるこれは実はうまくない?
直江津駅を利用するたびに駅の売店で目にしていたお土産品なのだ。
2.20歳ギャルにインタビュー
ということで、吾輩まずは地元の人の意見を聞いてみた。
インタビュー第1号は直江津駅前のレストランでいつも顔を合わせている20歳になったばかりの初々しい女性店員さん。
こういう年代の子たちにウケるとお菓子メーカーもこの先安泰だろうということだ。
いつか流行したタピオカミルクティーも、まあよく似た年代の子たちがSNSで自発宣伝したわけですな。
(※ちなみに熱しやすく冷めやすいのもこの年代ということで、タピオカミルクティーは現在もはや世間で目にすることはなくなっている。そもそもが台湾の伝統的デザートなので吾輩は数十年前から現地の50嵐などで飲んでいて好きだったので日本でも伝統食になればいいなと思っていた。しかし日本では数年で消え失せた。そもそも吾輩は日本では飲まずじまいだった。そんな女子高生が群がるところに入る勇気がなかったというのが実際のところだが。)
彼女は生まれも育ちも上越市高田とのことだ。インタビューの相手に相応しい。
「継続だんご」はもちろん知っていると言う。
それで吾輩が「あれ(継続だんご)好き? 美味しいと思う?」と聞こうとする前に、継続だんごの名を出した瞬間に彼女は苦笑いをして、
「アタシあれ嫌いです〜。美味しいと思わないですぅ~。え? まさか買うのですか? 高いのに・・・」
などと否定の嵐だった。
彼女は親からもらったりして生涯に何度か食べているが、どうしても好きになれないらしい。なんであんなの売ってるの? ぜんぜん美味しくないよ〜とのことだ。
20歳ギャルの「生の」ご意見で、もはやSNSの話題にもならなそうだということはわかった。
女子高生やその延長線上のギャルたちには見向きもされない「直江津名物」なのね・・・_| ̄|○
もっと「年増」にもインタビューしたらよかったのだろうが気勢を削がれた吾輩はこれ以上ヒトに訊くのが怖くなった。
ま、あとは自分で食べて感想を述べればいいことだ。
3.吾輩の感想
・・・ということで、買って帰って食べてみた。
扁平なだんごらしき物体が串に刺さって真空パックの中に収まっていた。
封を開けなければわりと日持ちするようだ。
ん? 粉っぽい。そんなに甘くない。
なんじゃこりゃ? だんごのようでだんごじゃない。
まんじゅうのようでまんじゅうでない。
中に黒いあんこが入ってるわけではない。
見た目も味も、地味なお菓子だ、と思った。
しかし生地は少ししっとりしていて原材料表示によると手亡豆(大手亡)いわゆる白あんの素だ。
餅のようなだんごを想像しながら食べると違和感があるが、もともと豆の粉を固めたものと思えば州浜のような粉っぽさがむしろ快適だ。
吾輩は京都のすはまだんごが大好きなので州浜系は歓迎だ。
もっとも継続だんごは州浜のきな粉つまり大豆の粉ではなくて手亡豆の粉のようだが感触はよく似たものだ。
4.20歳ギャルに報告
して別の日、再度レストランに行った時、その20歳ギャル店員に吾輩が継続だんごを食べたことを伝えた。
スタバのフラペチーノを美味しい美味しいと飲んでる連中には、このような奥ゆかしく地味な和のお菓子はたとえ食べて胃を通っても心にまでは届かんやん?
と吾輩が言うと、
あたし、スタバのフラペチーノなんか飲んだことないですよ〜、いやほんとは飲んでみたいんですけどねぇ〜えへへ、けどやっぱり高いから無理ですぅ〜。
同じお金出すならアタシは「となりのカレー屋さん」に行ってラーメンとカレーとか丼ものを食べますよ〜継続だんごにお金を使うんだったらね・・・(≧∇≦)
などと彼女は可愛くもたくましい体育会系的発言をした。
継続だんごは5本入りで税込1,296円、2個入りは432円。
一本あたり200円を超えているのだ。
20歳ギャルには納得いかない食べ物に違いない。
5.「となりのカレー屋さん」
で、その「となりのカレー屋さん」ってなんじゃ?
ということで地元で人気のあるらしいそのご飯屋さんについて教えてもらい、今度行ってみようと思った。(≧∇≦)
しかし20歳そこそこの育ち盛りギャルにはこういうご飯屋さんでお腹いっぱいになることが一番嬉しいようだった。
彼女が好きな「となりのカレー屋さん」は、ぼや〜とした味と食感の継続だんごや美味しそうだけど高すぎるフラペチーノを凌駕していると言うことやね。
6.「継続だんご」の歴史
明治時代、直江津に米穀取引所が開設されたが業績振るわず10年後に国から閉鎖の指令を受けた。そこで直江津市民はこぞって米穀取引所の継続を国に嘆願し、もう1年の継続許可がおりた。
その時の直江津市民の喜びようはすさまじく、不夜城のように夜空を染める大提灯行列が行われた。この時の取引所継続を記念してだんごが作られたのだそうだ。
7.林芙美子著「放浪記」
後の昭和57年(1987年)には林芙美子著「放浪記」に「継続だんご」が登場し、知名度を上げたようだ。
舞台の「放浪記」は高齢の森光子がでんぐり返りをする場面で話題を呼んだらしいが吾輩は小説も読んでなければ舞台も観ていない。
確かに林芙美子著「放浪記」に「継続だんご」が出てくるのは間違いはないが、都会に住む貧乏な主人公が直江津の田舎の民を見て「田舎の人だってこうして生きてるのだから私も頑張ろう」というようなくだりがある。
なんらかの理由で主人公が貧乏なのは気の毒だが、どうも都会の人が田舎の人を見下しているようなくだりが吾輩には引っかかっている。
しかもその文章がこのお菓子の包みに印刷されている。
今の時代ではコンプライアンスが引っかかりそうなものだがどうだろうか?
・・・という疑問を呈したところで今回の「継続だんご」の紹介を終える。
※追記:ただし先に書いたように作品自体を読んでないし舞台も見ていない人間の菓子の折り込み説明を見ただけの感想ということで作品本来の意味合いは吾輩の感想と事実は異なっているかもしれない。
(おわり)
