割れせん 旅がらす本舗清月堂 群馬高崎 和菓子なスクチャイ117 2025.08.31
和菓子なスクチャイ117 群馬 > 高崎
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
割れせん 旅がらす本舗清月堂 群馬高崎


1.「旅がらす」とは
「旅がらす」というのは鉱泉煎餅でミルククリームを挟んだお菓子で販売開始から60年も経過する群馬名物だ。
2.ドンレミーアウトレットに割れせんが並ぶ
その「旅がらす」の欠けたり割れたりした煎餅の部分だけを15枚前後(約80g)集めてアウトレット商品としてたったの税込120円で売っているのが高崎駅横にあるドンレミーアウトレット高崎だ。
3.「旅がらす」と「明けがらす」
もともと吾輩は「旅がらす」というお菓子を知らなかった・・・というか、秋田大館と岩手遠野にある「明けがらす」というお菓子と勘違いして、なぜこんなところ(高崎のドンレミーアウトレット)に?と驚いたのだった。
調べると吾輩の思い違いで高崎の方は「旅」がらすなのだった。
大館と遠野は「明け」がらす。
ここで細かなことを言うと、大館の「明けがらす」と遠野の「明けがらす」は同名ながら形態が違うお菓子なのだ。
そして群馬のこちらは「旅がらす」で、大館とも遠野とも名前はもちろん形態も違う。
4.ちょっとゴーフルのような?
こちらは煎餅菓子の「旅がらす」で、一番最初に書いたように丸い鉱泉煎餅にミルククリームが挟まっている、ちょっと見た感じ神戸風月堂ゴーフルに似ているやつに使われる予定だった煎餅だ。
5.鉱泉煎餅=炭酸煎餅
鉱泉煎餅というのは関西で言うところの炭酸煎餅だ。
ふくらし粉(重曹)などを使わずに天然の炭酸水を使い小麦粉の生地に少しでも空気を入れて軽くするために有馬温泉の炭酸水を使って煎餅を作ったので「炭酸煎餅」が有馬温泉の名物となった。
群馬でももともとはどこかの炭酸を含む鉱泉水を使ったのだろう。
「割れせん」の原材料を見ても鉱泉水のみでふくらし粉の類は使っていないことがわかる。
もともと小麦粉と水だけで焼いて煎餅にすると固すぎるのでその固さを緩和するためにふくらし粉の代わりの炭酸(二酸化炭素)を含む水を使ったのが有馬温泉の炭酸煎餅であり高崎の鉱泉煎餅であるが、結果的に有馬温泉の炭酸水なり群馬の鉱泉水なりが煎餅に風味を与えて独特の旨さになった。
そうして炭酸煎餅あるいは鉱泉煎餅は人気が出て名物となり今に至るのだと思う。
6.素朴な風味の鉱泉煎餅

多種多様なお菓子や和洋スイーツに溢れる現代でも、炭酸煎餅あるいは鉱泉煎餅の素朴な旨さに惹かれる人は多く、何を隠そう吾輩もそのひとりなのだ。
見てくれが地味で冴えない煎餅だが、手に取ってかじって食べてみればわかる。
炭酸煎餅あるいは鉱泉煎餅はクセになるほど不思議に次々と手が伸びてポリポリと食べてしまうのだ。
神戸風月堂のように軽く柔らかくサクッとはいかないで、こちらはザクッ!と固めの衝撃を感じる噛み応えだ。
しかし、その衝撃的噛み応えがまたいいのだ。
美味しさには小麦粉の素朴な香ばしさが手伝うのだろう。
思えば群馬も粉物文化圏だ。
食べたことのない人には是非食べてみて欲しい煎餅なのだ。
7.税込120円
それでこの「旅がらす」の割れせんべい(割れせん)はアウトレット販売ということもありたったの税込120円だった。
この和菓子シリーズでついに(容量比として)最小価格が出たのだ。
8.「旅がらす」も食べるか
そこで、もともとの「旅がらす」というお菓子はどうなのだろうか?と思う。
「旅がらす」を知らずに食べたこともないままいきなり「割れせん」に走ってしまった吾輩、忸怩たるものがある。
順番的には「旅がらす」を食べ慣れてから、
「実はアタシはクリームなんか要らない。煎餅だけがいいわ!」
と悟りを開くようにプレーンな煎餅に目覚めるという順番が一番「粋」かもしれない。
いきなり120円の割れせんに手を出してしまった不粋な吾輩だが、この群馬鉱泉煎餅には有馬温泉の炭酸煎餅とはまた違った食べやすさと風味を感じ、かなり気に入ってしまったのだ。
それを証拠に一袋がなくなるのが異様に早かった。
そして本末転倒ではあるが、今度はもともとの「旅がらす」を買って賞味してみようと思っている。
9.本物の「旅がらす」はいい値段
ミルククリームを挟んだりいろいろな味のクリームもあるみたいだが、お値段は8枚入りで税込800円。
旅がらす1枚、つまり鉱泉煎餅2枚で挟んだやつを1個として、税込100円に価格が跳ね上がるのだ。
10.「割れせん」に回帰が目に見えている
繰り返すが吾輩が買って気に入ったプレーンな鉱泉煎餅の割れせんは約15枚で税込120円だった。
・・・たぶん吾輩は本物の「旅がらす」を食べたとしても、こちらの割れせんべいヴァージョンに回帰して落ち着くだろうことが目に見えているのだ。
11.「旅がらす」になれなかった煎餅たち

ちなみに割れていても煎餅の表面をよく見ると「旅がらす」との浮き彫りがある。(写真参照)
割れたり欠けたりして情けない恰好ながら「自分はもともと旅がらすだったんだ!」と健気に主張しているようでもある。
2枚1組で100円の「旅がらす」になり損ねたかわいそうな煎餅たち・・・
吾輩はこれからも高崎駅で立ち寄れるたびに、今回と同じ1袋約15枚入り税込120円を買って供養・・・いや、賞味させてもらおうと心に決めているのだ。
なので出来損ないの「旅がらす」君たちには安心して欲しい。フードロスは避けたいしね。
12.すぐにでも食べたい「割れせん」
そういうわけでこの記事を書く今、「割れせん」はとっくの昔に食べてしまって姿も形もないのだが、また食べたくて仕方がなくなりつつある。
「近々また会うことになるぜ、旅がらすになれなかった割れたり欠けたりした鉱泉煎餅たちよ!焦らず刮目して待っておれ!」
(そもそもこの割れせんファンは多いようなのでドンレミーアウトレットに行ったら必ず買えるとは決まっていない)
13.旅がらす本舗とドンレミーの関係
ところでドンレミーと旅がらす本舗はどういう関係かと言うと、旅がらす本舗はドンレミーの子会社ということなのだ。
14.ドンレミー店舗の中の燻し銀
そういうわけでドンレミーアウトレットにはドンレミーのミルクレープ切れ端などだけでなく、見た感じちょっと異色で燻銀の趣きがある「鉱泉煎餅の割れたやつ」も店舗内で一緒に並ぶのだ。
そしてその眺めはなかなか渋く良かったのだ。
(おわり)
