切山椒 菓子の梅安 山形県鶴岡市 和菓子なスクチャイ162 2025.11.25
和菓子なスクチャイ162 山形県 > 鶴岡市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
切山椒(きりさんしょう) 菓子の梅安(ばいあん)山形県鶴岡市


1.鶴岡に師走を告げる菓子
切山椒は庄内地域で12月に近づくと地域のお菓子屋さんが作り始め、店頭に並び始める季節のお菓子で、最も食べられるのは12月9日に行われる伝統行事「大黒様のお歳夜(としや)」だ。
封を切って開けた瞬間に山椒の香りがフワッと漂った。
甘いお菓子だが、お菓子に山椒を入れるという発想が独特だと感じた。
2.大黒様のお歳夜
毎年12月9日の夜は七福神の大黒様が妻を迎える日(またはその年最後の縁日)で「大黒様のお歳夜」と呼ばれ、一年の豊作と商売繁盛、家内安全を感謝して祝う行事を行う。
神棚に大黒様を祀り「ハタハタの田楽」「豆ご飯(炒り豆のご飯)」「大根の煮物」(大黒様は白いものがお好きとされるため)、そして「切山椒」をお供えして食べるのが鶴岡(庄内)の古くからの習わしなのだ。
3.なぜ12月に切山椒なのか
「大黒様のお歳夜」に合わせて「菓子の梅安」や鶴岡木村屋などを含み鶴岡市内の和菓子店では11月下旬頃から12月9日頃にかけて一斉に切山椒を作り始める。
これからの厳しい冬を健康に乗り切るため、また新年を迎えるにあたり、邪気を払う厄除けの力があるとされる「山椒」を使ったお菓子を食べて無病息災を願うという意味が込められている。
また、 山椒の木は、葉、花、実、幹、樹皮に至るまで、捨てるところがなく全て利用できることから、「有益な人物になるように」「才覚にあふれるように」という願いや、実がたくさんなることから「子孫繁栄」の願いが込められているようだ。
4.切山椒の特徴



新粉(うるち米の粉)に砂糖と山椒の粉を練り込み蒸し上げた餅を、拍子木(短冊状)に細長く切った洲浜(すはま)のようなびろ~んとやわらかいお菓子だ。
一切れ食べて吾輩は大いに気に入った。
すはまよりはやわらかく、とても食べやすい。
売り場には白(白砂糖)と茶色(黒砂糖)の2色があったが茶色の黒砂糖の方を買った。
原材料名に山椒はともかく「味噌」と書いてあったのがちょっと気になったが、1袋が税込553円(鶴岡市のCOOP切添センターにて購入)もするお菓子がもし食べられなかったらもったいないと思い、白と茶色の両方は買わなかったのだ。
しかし茶色の方は一口で気に入ったので、白も買っておいても良かったかなと少し反省した。
それにしても、「粉をまぶされた生そば」を短く切ったものに見えるのだった。
特に透明パックに収まっている姿はそばそっくりだ。
原材料に味噌が入っているし外見の味がわからない印象もあり、もしかして味噌と山椒を混ぜた甘くないマニアックな味だったら食べきれない恐れがあると、食べる前は結構警戒していたことを白状する。
しかし、餅の甘さの中に山椒の爽やかな香りとピリッとした微かな辛味がアクセントになって、むしろ美味しいのだった。
むしろこの「甘辛さ」と「スパイシーさ」の絶妙なバランスでクセになる人も多いかもしれない。
食感はもっちりとしているが歯切れの良い独特の弾力がある。
もし時間が経って固くなった場合は軽く炙って食べると香ばしさが増して美味しいらしいが、吾輩が食べた時ははふにゃふにゃの状態だったので特に炙る必要はなかった。
5.パッケージの説明

写真のパッケージの説明も参考に。
6.菓子の梅安(かしのばいあん)
「菓子の梅安」は城下町鶴岡の歴史と共にある地域を代表する老舗和菓子店で、創業は嘉永元年(1848年)の江戸時代末期に創業し170年以上の歴史がある。
わかるところの情報によると現在の主人は6代目で、代々受け継がれた伝統的な製法を守り続けている。
7.菓子の梅安の他の商品
菓子の梅安は地元山形県鶴岡の素材や季節の行事を大切にしたお菓子作りをしており、特に手間ひまをかけてあく抜きした「とちの実」を使った「とち餅」が全国的にも有名なお店だそうだ。
(おわり)
