甘酒まんぢゅう 本家岩倉 山形米沢 和菓子なスクチャイ022 2025.07.07
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甘酒まんぢゅう 本家岩倉 山形米沢




前々回で取り上げた日本三大饅頭のうちの岡山の「大手まんぢゅう」と前回紹介した新潟長岡の「大手饅頭」はどちらも分類上「酒饅頭」で皮には酒(甘酒)が使われているようだった。
「岡山大手まんぢゅう」は単なるあんこ玉に見えるほど皮がまだらに非常に薄いのだったが食べる際に酒粕のような甘いいい香りをかすかに感じた。
一方、全体に白い皮が厚めの、もうひとつの大手饅頭である「長岡の大手饅頭」は吾輩の温め技法が拙かったせいもあってか酒の香りは一切しなかった。
以上が前回書いた内容だが、ここで吾輩は思い出したのだ。
新型コロナ禍よりさらに何年も前の10年ほど前に米沢で何度も通って食べていた絶品の「本家岩倉の甘酒まんじゅう」だ。
現在も営業しているようなので昔の写真を引っ張り出してここに紹介したい。
ともかく最初食べた時、本物の酒饅頭とはこういうものなのだ!と思い知った店なのだ。それまで自分は酒饅頭とはどういうものかさえも知らなかった。
そもそもが小野川温泉の宿の主人に、甘党なら絶対に行くべきだ!と決めつけられるように教えてもらったのがきっかけだった。
なおこちらも岡山と同じく「まんぢゅう」と表記する。もしかすると饅頭の正式表記は「まんぢゅう」ではないかと思ったりする。
実は現地の道路を挟んだ斜め向かい側にも経営者が異なる同じ名前の「岩倉まんぢゅう」があって、こちらが「本家」で向こう側が「南側」だか「元祖」だか「総家」だかと呼ばれていたみたいだが10数年前に初めて行った時には既に閉店していた。ただその時はまだ店舗と看板は残っていたので両方食べられないのを残念がった記憶がある。同じ岩倉なので、なんとなくお互い「本家」や「元祖」を主張し合って向かい合いながら長年続けていたような雰囲気があった。
そういうわけで米沢で今も営業する「本家岩倉甘酒まんぢゅう」の話だ。
当時何度か行ってるうちに一個税込70円から80円に値上げしこれを書いている現在は90円とのことだ。大きいまんじゅうなので90円でも安くてお得だと思うのだがそれまで買っていた地元の常連にとっては20円の値上げは衝撃的でかなりの話題となり旋風を巻き起こしたらしい。
酒まんじゅうは平たく言うと「餡まん」だ。
しかしお酒のうまそうな香りが店舗周辺や饅頭からも湧き立っていた。見た目は一般的な餡まんでも店舗に行くとわかるし饅頭を手にするとさらに唯一無二の酒饅頭だと思い知る。
暖簾の奥で作業しているおばちゃんに注文すると注文した数だけ、たとえ一個だけでも本格的な蒸籠で蒸してくれ、火傷するほど熱い酒饅頭を手渡してくれる。
で、そのおばちゃんがちょっと曲者なのだ。
酒饅頭を知らない初心者が買いに行こうものなら「あんた食べ方知ってんの?」などと言ってくる。
吾輩は直接言われたことはなかったが、何度目かに訪問したある時、チルドで発送も出来ると知って東京の知人に送ることにしたのだ。30個ほども。
すると「その人食べ方知ってんの?」と来た。
その人は東京に住むが、米沢出身で子供の時から岩倉の酒饅頭を食べて育った筋金入りの岩倉酒饅頭のファンだ。長らく帰省していないので岩倉の酒饅頭もご無沙汰しているという御殿山の東京マリオットでの馴染みのホテルパーソンだ。ある時吾輩がインスタグラムに上げた「本家岩倉甘酒まんぢゅう」の写真を見てくれて涙ながらに懐かしく思い出して感動して涙したという話を聞かされたのだった。
ちなみにその人は宿泊のたびにいつもスイートにアップグレードしてくれる要人だった。2面あるバルコニーから品川駅方向を俯瞰し山手線京浜東北線東海道本線をいっぺんに見渡せる100平米超えのプレジデンシャルスイートにも連泊させてもらった。
その人に突然「本家岩倉甘酒まんぢゅう」送り付けてやってまた泣かせてやろうという魂胆だった(≧∇≦)。
なので送付先の人物が食べ方を知るも知らないもない。米沢で酒饅頭で育った人だ。チルドを蒸したり揚げたり焼いたりして復活させる方法を人に講義できるほどの人物だ。
岩倉おばちゃんは事情も分からず人を見下すような話し方甚だしい。吾輩が大阪弁のイントネーションで喋るものだから送り先もよそ者と決めつけたのだろう。
しかし今日という今日は大阪人の吾輩にこういう言いがかりをつけてきたおばちゃんも運の尽きだった。
吾輩はおばちゃんに猛烈に言い返した。吾輩自身も何度も来ていて顔は知ってるはずだ。
客は吾輩1人だけだったし他の従業員も見当たらなかった。おばちゃんと一対一だった。
おばちゃんはしゅんとして急に丁寧な言葉使いに変わり丁寧に発送の手続きまでしてくれた。
根は悪い人ではないのだ。しかし田舎で天下を取ったような振る舞いをしていた自分の姿を反省したのかどうか。
その後の当おばちゃんの接客を知らずに10年ほど経過する。
(おわり)
