もうひとつの「あくまき」迫田食品 鹿児島霧島市 和菓子なスクチャイ027 2025.07.11
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もうひとつの「あくまき」鹿児島霧島市
1.霧島市迫田食品の「あくまき」


少し前に、初回の山形庄内の「笹巻き」に続いて鹿児島(南九州市梅木商店)の「あくまき」を記事にした。
今回は鹿児島(九州南部地域)の「あくまき」としては2回目の記事で、生産者が異なる霧島市の迫田食品のものだ。
東京日比谷の鹿児島県アンテナショップ「かごしま遊楽館さつまいもの館」(以下鹿児島館と書く)で購入。税込598円。重さはパッケージ込みで約340g。きな粉はつかない。
前回の南九州市梅木商店のあくまきは税込776円で少し高いが重さが約400gでありきな粉付きだった。従って単価的にはほぼ同じとみてよいと思う。
鹿児島館では3か所の製造元から仕入れがあり、先日記事にした南九州市の製造元梅木商店のあくまきは毎週金曜日の入荷だ。(ただし夏の期間は製造が止まるので入荷なし。2025/07/11現在入荷停止中を確認済み)
今回紹介する霧島市の迫田食品は吾輩の経験上2つ目の製造元で、厳重な真空パックのおかげか賞味期限が製造から1か月ほどもあり、年間通じて在庫状況に応じて仕入れを行っているとのことで年中手に入る。
また、3つ目の製造元は今のところ買ったことがないししげしげと見たこともないので製造者名はここでは紹介できないが、日持ちは2-3週間程度でお試しサイズのような小ぶりなパックだ。
3つ目の製造元の小ぶりのパックのあくまきは、大きなサイズの梅木商店や迫田食品のものより割高になるので吾輩は買ったことはない。しかし製造元が違うところが興味がありそのうち購入して食べ比べてみたいと思っている。ちなみに仕入れは迫田食品と同じように、店頭でなくなれば都度発注するという形態だ。梅木商店のように毎週金曜日に仕入れている、というような定期仕入れではない。
そういうことでともかく日比谷の鹿児島館にいつでも出向けばいずれかの製造元のあくまきを手に入れることができる・・・ように思うのだが、実際のところ吾輩が何度か当店舗に赴いたとき、店頭にあくまきが一切なし、また別の時は小さいタイプしかなしだったことがある。訪問の大きな目的だったあくまきがタイミングにより「今はないよ〜ん」ということもあるのだ。
店員さんも言っているが、訪問日時が決まっていれば早めに電話で取り置きをお願いするのが無駄足にならずに良いようだ。
2.大隅半島出身の店員さんによるディープな鹿児島あくまき話
鹿児島館の店員さんの中にはホンモノの鹿児島県人がいて、その人を捕まえられると鹿児島のディープな話が聞ける。
今回は大隅半島に実家があるという店員さんと話したが、彼女の実家では以前はあくまきは自宅で作っていた(道具などの形跡が今もある)とのことだ。
ただ現在は現地でも核家族が増え近所付き合いも昔ほど濃厚ではなくなったせいか、あくまきはお店で買って済ます人が多いとのことだ。
かつては、あくまきを作る時には近所総出で集まって作ったり、また家庭で作ったとしても一度にたくさん出来るので近所に分けたり、ということを行っていたそうな。
あくまきは鹿児島や熊本宮崎の伝統食で今でも地域毎にあくまきを作っていて地元で消費されているお菓子屋さんがあり、どの地域限定だとか老舗や有名店があるというものではなく、県内全域の地域にまんべんなく根付いたお菓子なのだそうだ。
ちなみに話を聞かせてくれた大隅半島出身の店員さんは、あくまきは春先の節句の時期の食べ物で子供主体のはずだが、自分が子供のときはあくまきが苦手で一口くらいしか食べられなかったらしい。しかし大人になったら美味しいと思うようになったとのことだ。
子供の時から大好きだったと言う人も多いだけにあくまきの嗜好は人それぞれと言うことになりそうだ。
いずれにしても鹿児島の現場でこのようなあくまき経験をしている人と直接話ができて大変嬉しかった。あたかも鹿児島を旅行している最中のような気分にもなった。東京でディープな鹿児島に触れられたのだ。
東京にある、それぞれの県のアンテナショップに行ってみるのはかなり楽しく、当分吾輩自身の趣味になりそうな気配なのだ。(≧∇≦)
3.迫田食品と梅木商店の「あくまき」比較

その鹿児島館の大隅半島出身の店員さんは、吾輩が2回目に買った迫田食品は梅木商店のものに比べて固いですけどね〜と言った。
店員さんはおそらくパッケージを持ったときの感触で話しているのだと思った。
実際吾輩が食べた結果で言うと、迫田食品の方の中身は梅木商店のものよりもむしろ柔らかく、まるで高級なわらび餅のようで吾輩はますます気に入ったのだった。
吾輩も、迫田食品の方は賞味期限が長い完全真空パックの商品なので、味や品質において先に試した梅木商店のものに多少劣るのではないかと思っていたのだ。しかしこれは先入観であったということだ。
店員さんも吾輩もそうだが、食べる前の印象で中身の品質まで決めつけない方がいいと思った次第だ。
きな粉なしの分単価格が安く、さらに日持ちするという今回の迫田食品のあくまきが今後の選択として大いにありなのだ。店舗に行ってこれがあれば無条件に購入したい。梅木商店のあくまきと併せて今後も何度も食べたい。
4.きなこを付けるか付けないか?
ちなみに迫田食品のように、きな粉は付いてなくてもほとんど問題はないのではないか。
きな粉ぐらいどこの家庭にもストックがありそうだし(拙宅にはある)。
国産大豆のきな粉の、そんな高くはないものをいつも切らさないように買い置きしている。
しかし鹿児島館では、きな粉が付かない迫田食品のあくまきの販売時に、ご丁寧にその隣にきな粉が売られているのだった。一袋200円超えの価格で量はちょうどあくまき一本に間に合うくらいの量だった。店員さんによると黒砂糖が入ってるとのことで、裏面の表示には鹿児島産大豆+鹿児島の黒糖と書かれていた。
あくまきが鹿児島産ならきな粉黒糖も鹿児島だ。
そこまで徹底しているのも潔くて気持ちいい。
特に出張時などにホテルで食べるような場合、あくまきとセットで買えれば別の店にきなこを買いに走る必要もなく、買い忘れもなく便利だ。
なお、1回目に買って食べた梅木商店のあくまきは先に書いたように元からきな粉が「バンドル」されていて、きなこと包装込みの総重量が約400g、価格はきな粉込みで税込776円だった。ちなみにその梅木商店のあくまきに付いていたきな粉も鹿児島産大豆と鹿児島産黒砂糖だった。
再掲すると、今回の迫田食品のあくまきは包装込みの総重量が約340g、価格は税込598円。
つまり単価的にはどちらも同じと見て良いだろう。
5.徹底した鹿児島産
ともかく鹿児島に浸りたくて「鹿児島館」という店舗に顔を出している身としては、食材がすべて徹底して鹿児島産のものというのは非常に気持ち良く嬉しいことなのだった。
きな粉は日頃から国産でさらに産地にもこだわって買っている吾輩だが、鹿児島館であくまきを買う分には梅木商店か迫田食品のいずれの製造元のものでもあくまき本体の米からきなこまですべてが「純」な鹿児島産であり、まずは安心できる。
出先ですぐに食べたい場合にも迫田食品のように隣に並んでいる黒砂糖入りきな粉を買えば事が済むし、やはりすべてが信頼の鹿児島産ということだ。
鹿児島館はこの便利さだけでも高評価に値し、食べたくなったらいつでも顔を出して買える安心感を与えてくれている貴重でありがたい店舗なのだ。
6.迫田食品のあくまきを食べる




迫田食品の「あくまき」は、先に書いたように前回の梅木商店よりもさらに柔らかく、あたかも高級わらび餅の感覚でとても美味しく大満足だった。
ぜひ今後も買い続けたいと思った。迫田商品の方は1か月ほども日持ちがするので買いだめしておく手もありだ。
鹿児島館の店員のおねえさんが子供の頃苦手だったという灰汁の独特の香りもまったく感じなかった。前回の梅木商店のあくまきも同様に、気になるにおいは一切なかった。あくまきは各家庭の味なのでおねえさんの実家ではたまたま多少のクセがあったのかもしれない。
封を切った時、香りを嗅いでみたが、少し米が茹で上がったような美味しそうな香りがしただけで、灰汁のような香りも包んでいる竹の皮の香りも感じなかった。
以前の山形の笹巻きの記事で書いたように、山形の笹巻きは笹の香りがあるのだった。
そこが鹿児島のあくまきとの大きな違いであった。
そしてもうひとつ、山形の笹巻きと違う点は色が山形よりも黒っぽくて濃いというところだ。山形の笹巻きは鮮明な黄色で黄金色と言う人もいる。
灰汁の元は同じ楢材とのことだったが、灰汁の濃さや似る時間が違うなどの相違点があるのかもしれない。
7.あくまきと笹巻きは敬愛すべき「完全自然食品」
山形のものと鹿児島の色が多少違うことはどうであれ、味はどちらもクセがなく無味無臭で、食感ときな粉の香ばしい甘さと一緒に食べる「完全自然食品」としては双方感動的に優秀なのだ。
しかも美味しいので、むしろ何もかもがうまく出来すぎていて恐ろしいと思うくらいの食べ物なのだ。
鹿児島のあくまき、山形の笹巻き、共に、この世に存在してくれていてありがたい!と心の底から思える食品だ。
食べた瞬間に、生きていて良かった! と思わせる今どき珍しい超優秀な食品なのだ。
これからも食べ続けていきたいので、生産者の人たちは吾輩のようなファンのためにも継続して製造販売し続けて欲しい。
8.「あくまき」は心配無用だが「笹巻き」は・・・
繰り返すが鹿児島、宮崎、熊本を含む九州南部地域のあくまきは今も地域に根差したお菓子でそれぞれの地域にあくまきを製造し販売する店があるとのことだ。(鹿児島館勤務の大隅半島出身の店員談)
この記事のタイトルは「もうひとつの・・・」だが実際にはありとあらゆる地域のありとあらゆるあくまきがあることになるから正確には「もうひとつの・・・」どころか「いっぱいある中のたった一個」だ。
つまり星の数ほどありそうだが、作り方や味の基本は同じでも微妙に個性もあるだろうから吾輩にとってはそれらを食べてみて執筆に値するかもしれない。
機会があれば本当に全部を食べてみたいのだが数的に限界があるだろう。
全部試せないの残念なところだが、いや、逆に考えると九州南部という広大な地域にそれだけ多数のあくまきを作り食べている人がいるということだ。
その情況が維持され続ける限り、今後も九州でのあくまき文化は問題なく続いていくということなのだ。
そういう安心を我々に与えてくれていることになる。
その一方、今本当に心配なのは、絶滅危惧種的存在の山形庄内地域の笹巻きの方なのだ。
(おわり)
