五色どらやき 茜丸 大阪市天王寺区(三重県四日市市)和菓子なスクチャイ282 2026.04.04
和菓子なスクチャイ282 大阪市 > 天王寺区
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
五色どらやき 茜丸 大阪市天王寺区(三重県四日市市)







1.5種類の豆のどらやき?
1個だけもらったものなので値段も購入元もわからないままに開封しておいしく食べたのだが、食べ終わった後で写真を見返すとこのどらやきは「5色」ということで、どうもあんこに5種類の豆が使われていたみたいだった。
食べた後の今頃気がついても後の祭りで、要は吾輩は食べている間はあんこが5色とは気がつかなかったのだ。
かろうじて断面を写真に撮っていて良かったのだが、それでもなんとかいんげん豆と白っぽい白手亡を認めるだけだ。
そこで、袋の裏面の原材料を見たのだが、使っている豆の種類はいんげん豆、小豆、えんどう豆の3種類でおやおや?となったのだった。
原材料は3種類の豆なのに、表面には5種類の豆の絵が描いてある。
少し調べたら謎は解けたのだが、そのことを含めて以下に解説したい。
加えて、この商品は販売が大阪天王寺区の茜丸で、製造が三重の四日市市だ。
なぜこのように販売元と製造元が離れているのかについても以下に説明する。
2.茜丸のTVコマーシャル
大阪天王寺の四天王寺のすぐ近くに本社がある茜丸(あかねまる)」は、派手な紫色の髪をした「茜太郎」こと北條会長の強烈なインパクトと、「あ、茜丸や〜」という関西圏のTVコマーシャルでおなじみの老舗だとのことだ。
だとのこと、というのは、吾輩は直接知らないからだ。
成人するかしないかくらいの年齢で大阪を出てからずっと居住先としては大阪には戻っていないから、TVコマーシャルなんて見る隙もない。
それで、「五色どらやき」はまさに大阪の茜丸の看板商品なのだが、先に書いたように原材料表示と中身が相違する謎があり、さらに三重県での製造という不可解な点がある。
3.茜丸本舗(株式会社 茜丸)の歴史
創業は1940年(昭和15年)、大阪四天王寺の門前で「北條製餡所」として営業を開始した。
もともとは「あんこ製造(製餡)」の専門業者で、現在も業務用あんこの卸として日本全国の和菓子店を支えていて、そのバリエーションは50種類以上に及ぶ。
その製餡業としての強みを活かし「あんこを主役にしたお菓子を」と開発されたのがこの「五色どらやき」なのだ。
4.「五色」と原材料表示の相違の謎
種明かしをすると「5種類の豆と表示の不一致」は「植物学上の分類」と「お菓子としての呼び名」の違いによるものだ。
パッケージに描かれている5種の豆は、以下のグループに分類される。
金時豆(きんときまめ) ⇒ 分類:いんげん豆
虎豆(とらまめ) ⇒ 分類:いんげん豆
うぐいす豆(青えんどう) ⇒ 分類:えんどう豆
白手亡(しろてぼう) ⇒ 分類:いんげん豆
小豆(あずき) ⇒ 分類:小豆
つまり、「金時・虎豆・白手亡」の3つは、食品表示法上のルールではすべて「いんげん豆」とひとまとめに記載されるのだ。
このため原材料欄には「いんげん豆、えんどう豆、小豆」の3種しか書かれていなかったのだ。
断面の写真を見た吾輩が「3種類の豆しか入っていなかった」ように感じたのは、茜丸の五色どらやきのベースの粒あんに「鹿の子(甘露煮)」の状態の豆が数粒ずつ混ぜ込まれていたためだ。
このため、豆が偏って入ってしまうことがあり、一箇所に固まっていたり、逆に特定の豆が見当たらなかったりすることが稀にあるらしい。
また、金時豆と虎豆はどちらも赤茶系、白手亡は白いため、餡の色と同化して判別しにくくなっていたのかもしれない。
そもそも吾輩が食べる時、まさかあんこに5種類の豆が入っているとは夢にも思わなかったことが一番悪いことかもしれない。
少なくとも先に知っていたら、あんこの中の5種類の豆を探すように食べたはずだ。
今更言い訳だが、表側の5種類の豆の表記は、このどらやきには5種類の豆のどらやきの種類がありますよ〜という意味だと誤解していたのだ。
それならば今度その5種類のどら焼きを全部買って食べ比べてみようではないか、などと考えていたほどだ。
ところが食べ終わってから「茜丸」を調べるに、吾輩が食べたひとつのどらやき一個に5種類の豆が入っているという意味で「5色どらやき」だったとわかって後の祭り、ギャフンとなったわけだ。
もともと一個しかなかったどらやきなのでせいぜい食べる前に撮影した写真しかなかったのだ。
そう言うことで5種類の豆が入った「5色どらやき」についてはまた再挑戦して詳しく報告したいと思う。
5.製造元が「伊勢餅協同組合」
大阪の茜丸なのに、なぜ製造元が三重県の四日市なのだろうか?
茜丸は「あんこの専門家」だが、どらやきの皮を焼いたりパッケージングしたりする工程を、信頼できる協力工場に委託することがある。
伊勢餅協同組合は三重県四日市市にある餅や和菓子の製造に長けた歴史ある組合だ。
茜丸の「五色のあんこ」を大阪から三重へ送り、そこでどらやきとして仕上げて全国へ出荷するという体制をとっているため、製造元が三重県になっているのだ。
6.大阪のおばちゃんの手土産
このお菓子は、もともと「四天王寺の五色(ごしき)の幕」をイメージして作られたと言われている。
「むやみに甘すぎず、豆それぞれの食感を楽しめる」のが茜丸流だ。
まさに「大阪のおばちゃん」たちが、ちょっとした手土産によく利用する大阪の日常に根ざしたお菓子なのだ。
(おわり)
