十万石まんじゅう 十万石ふくさや 埼玉県行田市 和菓子なスクチャイ131 2025.10.01
和菓子なスクチャイ131 埼玉 > 行田市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
十万石まんじゅう 十万石ふくさや 埼玉県行田市


1.埼玉での「うまい、うますぎる!」CM
TVCMで「うまい、うますぎる!」というフレーズで十万石まんじゅうが宣伝されていた(いる?)というが、東京の生活も長い吾輩はこの関東一円で流れているというCMをまったく知らない。
吾輩はTVをリアルタイムで観ない、見るのは録画なのでCMは飛ばすせいかもしれない。
反対に大阪の未成年時代はTVしか娯楽のない時代もあったことからか結構くだらない大阪のCMはたくさん知っていて今も数十個も誦んじている。
なにわのモーツァルト・キダタロー作曲のものがやたら多かったりする。
が、そもそもCMの感化などは自慢にならないし企業の営業戦略にまんまとハマっているだけのことなのだ。(余談)
ともあれその「うまい、うますぎる!」発言が棟方志功だと知って急激に親近感を覚えた。
現に棟方志功の作品は吾輩の右隣にかかっているし手持ちの文献も多い。
ちなみに氏の著書『わだばゴッホになる』は今吾輩の左隣にある。
青森県立美術館で常設の棟方志功展が特別展となり先頃まで展示点数を拡大していたので先月行ってきたところだ。
青森県立美術館訪問は棟方志功を目的として2度目だった。
吾輩はこのような熱烈な棟方志功ファンなのだが、氏が十万石まんじゅうに対して「うまい、うますぎる!」と言ったのか!
2.棟方志功の「うまい、うますぎる!」発言

状況はこうである。
昭和28年(1953年)頃、十万石創業者横田信三が棟方志功と出会う。
横田氏からまんじゅうを差し出された棟方志功はあんまりな美味しさに「あんたが作ったのかい」と一気に5個も食べ、6個目に手を伸ばしながら「うまい、うますぎる!」と絶賛したという逸話が残っているのだ。
牛乳瓶底メガネの同心円レンズの奥から屈託のない無邪気な目玉をクリクリと動かしてハゲの目立つぐちゃぐちゃの髪の毛を逆立て薄い唇を嬉しそうに歪めて並びの悪い歯を見せながら子供のような無邪気なまん丸笑顔でまんじゅうを5個もいっぺんに食べた後に独特のダミ声で「うまい、うますぎる!」と言った姿が容易に目に浮かぶ。
(氏のダミ声は青森県立美術館の録画録音再生資料で何度も聞いているので吾輩は氏の音声と動いている表情が脳裏に染み付いているのだ。)
このとき棟方志功が十万石まんじゅうの掛け紙用に「まんじゅう姫」の絵を描き、その有名なキャッチフレーズが生まれたとのことだ。
その時棟方志功は「饅頭」を「幔頭(まんじゅう)」と書いたとされ、それは間違って書いたわけではなく「幔幕のように幅広く長い間愛されるようになってほしい」という願いが込められていたそうな。
昭和55年(1980年)テレビ埼玉(テレ玉)で「うまい、うますぎる!」のCM放映を開始。このローカルCMが十万石まんじゅうを「埼玉銘菓」として広く知らしめる決定打となったとのことだ。
3.仙台で十万石まんじゅうに出会う話
その十万石まんじゅうはまだ食べたことがなくいつか食べてみたいとは思っていた。
大宮駅で新幹線の乗り換えの時、売店で十万石まんじゅうが売っているのを知っていたので買って食べるのも時間の問題であった。
しかしついに最近初めて十万石まんじゅうを食べたのだがその場所はなぜか仙台だった。
しかも無料でいただいた。
3.1.クリスロード商店街の三瀧山不動院
場所はクリスロード(旧中央通り)商店街アーケードの中にある三瀧山不動院の仲見世小路だった。
吾輩は錦町公園近くの餅屋さんで昼食に行く途中だったが、お昼の開店時間にまだ早かったので時間調整でアーケードに入り散歩していたのだ。
その時に見つけた路地に入ると突き当たりがお不動様を祀るお寺さんだったのだ。
3.2.お不動様とのご縁
吾輩はこれまで長野の善光寺さんの大勧進のお不動様と成田山新勝寺のご本尊のお不動様に何度となくお参り行っているがすべてが無礼ながらついでのような気まぐれ参拝で深い意味や目的を持ちながら信心深い気持ちで参拝していたわけではない。
そういえば札幌の定宿ではほぼ隣が成田山札幌別院の新栄寺さんで最初軽い気持ちで覗きに行った程度だったが、階下に仮想四国88か所巡りがあったりして楽しくて札幌に行くときはホテルの近くということもあり毎回参拝、というより遊びに行く習慣になっている。
吾輩はもともと信心深くないので寺の謂れなどはまったく気にしていなかったのだが、そこが成田山別院と知ったのは結構何度も参ったずっと後のことだった。
それで共通点はお不動様なのだった。
そして仙台でのこの日もお不動様と偶然出会ったわけだ。
しかも入るまでわからず、奥に行って初めてお不動様とわかったのだ。
3.3.仙臺四郎さん

細い路地だがそこが仲見世小径でお守りなどを売っている(授けている)店があった。
そこでいつか見たことのある仙臺四郎(せんだいしろう)のグッズが並んでいた。
以前から仙臺四郎グッズが欲しかったがどこで手に入るのかは知らなかった。
偶然その場所を見つけて嬉しかった。
仙臺四郎グッズはいろいろあったが、いつも身につけておきたいのでカードになっているお姿のものを授かり財布に納めた。
3.4.十万石まんじゅうが出た!

すると店のおばちゃんが「これ食べていいよ」と人懐っこく差し出してくれたのが「十万石まんじゅう」の大きめの箱だった。
まだ包装されたままで、え?吾輩が開けるの?と思ったが、お言葉に甘えて開けさせていただいた。
まさか全部食べ放題!?
おばちゃんはそんな勢いだったがさすがに吾輩は一個で良かったし、その時は昼食前だったので後でいただくということで1個だけ持ち帰りさせてもらった。
十万石まんじゅうは一個ずつ個包装になっているのがありがたかった。
3.5.さっそくの仙臺四郎さんのご利益
しかしなんで仙台に埼玉の名物「十万石まんじゅう」があるねん?とおばちゃんに訊いてみた。
おばちゃんは埼玉の名物と知らなかったようで、あらそうなの?と結構呑気である。
そもそもこのまんじゅうはお不動様のへのお供えで誰かが置いて行ったものだと言う。
おばちゃんは生ものはこうして引き下げて、みんなに配ったり自分達で食べたりしているようだった。
ともかく吾輩にとって仙臺四郎を身につけ始めてからさっそく「十万石まんじゅう」をいただけるという僥倖に恵まれたわけだ。
吾輩にとっては仙臺四郎さんからのさっそくのご利益だ。
仙臺四郎さんありがとう。
4.食べて大満足「十万石まんじゅう」



帰りの列車内でいただいたが「有名すぎる名物にうまいものなし」などと心の片隅で思っていたことを白状するが、それだけに十万石まんじゅうはとてつもなく美味しかった。
関東圏にいたら比較的簡単に手に入るまんじゅうだ。
原材料表示を見ても、昔ながらの素材から作っいるようで、妙チキリンな添加物は使っていない。
そもそも原材料表示を見なくても食べただけで吾輩には自然のうまさかどうかくらいわかる。
これは昔ながらの美味しいまんじゅうだ。
餡子の旨さは日本三大まんじゅうに匹敵する。
何も大手まんぢゅうや薄皮饅頭や塩瀬饅頭をわざわざ取り寄せなくても、特に普段食べるためのまんじゅうとしては上等すぎるほどだ。
「こういうまんじゅうがいいのだこういうまんじゅうが!」の瞬間だった。
ちなみにこの時は、十万石まんじゅうのCMも棟方志功の「うまい、うますぎる!」発言も知らなかったのだ。
棟方志功の話を聞く前に吾輩が「うまい、うますぎる!」と発言したと言っても誰も信じてくれないだろう。
しかし吾輩は心の中で「うまい、うますぎる!」と叫んだのだった。
信じてくれる人だけ信じてくれればそれでよい。
棟方志功の「うまい、うますぎる!」は十万石まんじゅうについてこの記事を書くために調べた情報だ。
知ることができたので調べて良かったのだ。
調べることでCMや棟方志功について知るところがあったわけだが、知らないままだとこの記事は棟方志功に触れることなく吾輩の心の中の「うまい、うますぎる!」でオシマイだったろう。
ま、それはそれで正直でいいかもしれないが。
5.「十万石まんじゅう」
「十万石まんじゅう」は、埼玉県行田市に本店を置く株式会社十万石ふくさやが製造・販売する薯蕷(じょうよ)饅頭だ。
素材にこだわった製法が独特の美味しさを生み出しており、皮(薯蕷皮)は厳選した国産つくね芋(山芋)を毎朝すりおろし、新潟県産コシヒカリの粉と合わせて作られる。
皮はしっとりとしておりほのかに山芋の香りがするのが特徴だ。
餡は北海道十勝産の厳選された小豆を自家炊きしたこし餡で、薄皮にたっぷりと包まれている。
特別精製した高純度のザラメ糖を使用しており上品でクセのない甘さに仕上げてある。
皮は餅のように柔らかくしっとりとした餡とのバランスが絶妙でなめらかな口当たりなのが特徴となっている。
「十万石まんじゅう」は埼玉県民のソウルフードとも言われており地元でも対外的にもすべての人から愛されているまんじゅうであることが窺い知れるのであった。
6.十万石ふくさや
そもそも店名が商品名の十万石というところからここ「十万石まんじゅう」がいかに店の主体商品かがわかる。
そんな歴史ある本気商品が美味くないわけがない。
社は昭和27年(1952年)に埼玉県行田市で創業した。
創業地である行田市が、かつて江戸時代の忍藩(おしはん)の「十万石」の城下町であったことにちなんで名付けられた。
白い皮には行田の歴史の息吹を感じてもらいたいという願いから「十万石」の文字が焼印されている。
昭和35年(1960年)に「株式会社十万石ふくさや」を設立し、屋号を「十万石」に改名後、多店舗展開を推進し埼玉県の広範囲に店舗網を広げた。
平成19年(2007年)行田本店の建物(1883年築の土蔵造り)が国の登録有形文化財に登録された。
平成29年(2017年)には行田市を舞台にした人気ドラマ『陸王』、平成31年/令和5年(2019年/2023年)には映画『翔んで埼玉』とのコラボレーションまんじゅうを販売するなど話題を呼び、現在までに多々地域振興に貢献している。
7.特別な焼き印
通常は「十万石」と押されている焼印を「季節の焼き印」として季節のモチーフや特別な行事やイベントのモチーフに変更して限定品として販売することがある。
主な種類と特徴は以下の通り。
「十万石お菓子の日」の季節の焼印。
十万石ふくさやでは月に一度「十万石お菓子の日」を設けており、この日には通常の「十万石」の焼印ではなく、季節の花や風物をモチーフにした焼印が押されたまんじゅうを販売することがある。
例えば11月のシクラメンなど、その他季節のイベントに合わせた花などが採用される。
これは地元のお客さまに季節感を楽しんでもらうための取り組みの一つだ。
また、特別な行事やイベントの焼印(コラボレーション)があり、季節とは少し異なるが、十万石まんじゅうは様々な記念行事や人気コンテンツとコラボレーションし、オリジナルの焼印を施すことがある。
これらの特別な焼印はその時期限定で販売されるため非常に人気があるが、その最新の季節やイベントの焼印のタイミングについては十万石ふくさやの公式ウェブサイトや店舗情報を確認するといいだろう。
(おわり)
