からすみ(よもぎ・さくら) 松浦軒本店 岐阜県恵那市 和菓子なスクチャイ281 2026.03.28
和菓子なスクチャイ281 岐阜県 > 恵那市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
からすみ(よもぎ・さくら) 松浦軒本店 岐阜県恵那市




1.コープぎふ恵那店で買う
宿泊していたホテルのほぼ隣にあったスーパーマーケット(コープ)の和菓子コーナーで見つけて買ったものだ。
最初は名古屋周辺では珍しくない「ういろう」かと思ったのだが近づいて見ると「からすみ」と書いてあった。
からすみ!?
あの九州とか台湾で売ってる高価なボラの卵?
・・・のわけがなく、そういう名前のお菓子なのだ。
見た感じではういろうと羊羹の中間ぐらいのお菓子で、この手のお菓子は好物なので不思議な名前はさておき買ったのだった。
全部で4種類の味(白、黒糖、よもぎ、さくら)があったがどれも一律に賞味期限が3日後だったので食べ切れないことを危惧して2種だけ、よもぎとさくらを買った。
1棹税込454円だった。
2.「からすみ」
この「からすみ」というお菓子は、岐阜県東濃地方(恵那・中津川など)を代表する非常に歴史の深い郷土菓子なのだ。
魚の卵の「カラスミ」とは全くの別物だが、その名前には、海のない山里ならではの切実な願いと文化的な誇りが込められている。
なぜ和菓子なのに「からすみ」と呼ぶのか、そこには主に2つの説がある。
2.1.高級珍味への憧れ説(子宝の願い)
かつて、魚の卵の「カラスミ」は子宝の象徴として、桃の節句に欠かせない高級贈答品だった。
しかし、海から遠い東濃の山里では本物を手に入れるのが非常に困難だった。
そこで、「せめて形だけでも」と米粉でお菓子を作り、本物のカラスミに似せた形にしてお供えしたのが始まりと言われている。
2.2.「唐墨(中国の墨)」説
切った断面が山型になる独特の形が、中国(唐)から伝わった書道具の「墨(唐墨:からすみ)」に似ていたことからその名がついたという高雅な説もある。
3.松浦軒本店
創業は寛政8年(1796年)で220年以上の歴史を誇る超老舗だ。
松浦軒といえば、江戸時代に岩村藩の御殿医が長崎から持ち帰った製法を今に伝える「カステーラ」が有名なのだが、それと並んで地域の伝統菓子である「からすみ」も大切に作り続けている。
保存料を使わず、米粉の風味を活かした素朴な味を守り続け、地元の方々にとっては「ハレの日(特にお雛祭り)」に欠かせない味として深く根付いている。
4. 「よもぎ」と「さくら」




店頭にあった4種類を3日間で全部食べる自信がなかったので、季節感がある2種「よもぎ」と「さくら」を買ったのだ
よもぎ
春の息吹を感じる、力強い野草の香りが特徴だ。からすみ特有のもっちりとした弾力とよもぎのほろ苦さが合わさり、どこか懐かしい「草餅」のような風味でもあった。
さくら
春限定らしい桜葉の塩漬けが上に載った華やかな見た目で、ほんのりとした塩気が米粉の甘みを引き立て、口の中に春の香りがふわっと広がった。
いずれも想像通り食感は「ういろう」に似ていたが、ういろうよりもしっかりした固さがあり手で持っても食べやすいのだった。
甘さもほどほどでそのあたりはういろうとよく似ていて、甘さがきつい羊羹よりどんどん食べられるのだった。
こんなに食べやすいのだったら4種類全部買ってくれば良かったと、ちょっと反省したりした。
5.「ういろう」との違い
見た目は名古屋などで売っている「ういろう」に似ているが、ともかく食べると違いがわかる。
からすみは「米粉」を主原料とし蒸し上げることでういろうよりも「コシ」が強く、むっちりとした噛み応えがある。
そして断面が富士山のような「山型」をしているのが特徴で、これがカラスミや唐墨を模した伝統の形なのだ。
(おわり)
