うんぺい(雲平)甘栄堂 弘前市 和菓子なスクチャイ168 2025.11.28
和菓子なスクチャイ168 青森県 > 弘前市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
うんぺい(雲平)甘栄堂 弘前市


1.甘栄堂にアポイントメント
この「うんぺい」を手に入れるために事前に何度かお店に電話して、訪問する日時も決まり、電話の度に親切な店主と思われるおばちゃんはその日時(夕方だったが)では商品がなくなることはないし取り置きすることもないから安心して来てね、ということになっていた。
2.青森にて
いざ青森に赴いた日、寒い日の雨模様で風もあった。
吾輩はふとダメ元で思い浮かんだことを訊いてみようと訪問当日になってからお店に電話をかけた。
「もしかして青森駅の売店でうんぺいを売っていることはないですよね?」
「売ってますよ〜。新青森の駅のおみやげ屋さんだけど、うんぺいもしおせも売ってますよ〜」
きっとお店に行かねば手に入らないのだろうと思っていたのでダメ元の質問だったが、拍子抜けする回答だった。
吾輩は新青森に着いてから奥羽本線に乗り換えて弘前に行く予定を立てていたのだ。
その時間が節約できることになる。
しかもその日は寒い風雨の日だったので弘前駅から10分かそこらを歩くのを億劫に感じていたのだ。
3.その日の午後
当日は青森県立美術館で用事を済ませて午後遅くに新青森駅に戻った。
さて、どこにうんぺいが売っているのだ?
それらしいものが売ってそうなみやげもの屋さんというみやげもの屋さんを探して店員さんに訊いて見たりしたが、結局うんぺいは見つからなかった。
あまつさえ若い店員さんは「うんぺいって何?」などと言う人もいた。
(ガーン。甘栄堂のおばちゃん、何か勘違いしてるのでは? もしかすると青森駅の方かもしれないし、またはまさかの弘前駅のこと? 聞き間違えたかな?)
特にお土産屋さんは青森駅の方が駅ビルも大きいし、駅の隣に物産品のビルもあって取り扱っている商品は圧倒的に青森駅周辺の方が多い。
吾輩はまた甘栄堂に電話をかけてみた。
すると新青森駅は確かで、土産物屋さんに入ってすぐ右側よ、と言ってくれたのでもう一度探すことにして電話を切った。
その言われた場所には甘栄堂みたいな名前のお店があったがそこのおねえさんはうんぺいなんて知らないしうちにはないよ、と言った。
ますますわからなくなった。
本来の予定の弘前に行く電車の時間が迫ってきていたのでだんだん焦り出してきた。
とりあえず弘前まで行ってからまた甘栄堂に訊いてみるか、あるいはごちゃごちゃ言わずに素直に弘前の甘栄堂まで行くか?
でも最後の望みでもう一度甘栄堂に電話をしてみた。
「甘栄堂に似た名前のお店」の前で。
電話に出た甘栄堂のおばちゃんに再度確認したが、ともかく新青森駅の土産物屋さんに昨日納品したばかりだから「うんぺい」も「しおせ」もどちらもまだあるはずだと言った。しかし吾輩はその場所がわからないし店員さんもわからないから困っているのだ。
目の前にいた「甘栄堂に似た名前のお店」の店員さんと目が合い、吾輩はその電話を店員さんに無理言って代わって聞いてもらった。
すると店員さんは自分の店を飛び出してずっと左奥の別の店の中に入って行ってそのまた奥の方にある棚のところで「あった!」と言った。
吾輩は彼女の素早い行動を追いかけるので必死であった。
甘栄堂のおばちゃんは右手と言ったが、その場所はどう考えても左手やん!
しかも総合的な広い土産物屋さんでその奥まったところにある棚にひっそりとうんぺいとしおせの2種の甘栄堂の和菓子が間違いなく売っていた!
しかしその店に向かってみると確かに右手だったのだ。
でもその店に向かうためには店舗エリアに入って左手になる。
おばちゃんが言う右手がどこを基準にしていたのかがわからなかったのだ。
超親切な「甘栄堂に似た名前のお店」の店員おねえさんに深く礼を言うとおねえさんは屈託なく笑いながら「ちなみにこれもめちゃくちゃ美味しいのよ!」と言った。
おねえさんが指で指し示したのはうんぺいの横に並べて置いてあった箱で、てっきり自分の店の商品も買って!ということかと思ったが、実はおねえさんの店とは全然違う会社が作るお菓子だった。
つまりおねえさんは本心から自分が好きなお菓子を吾輩に教えてくれたのだった。
おねえさん自身の店とは縁もゆかりもない商品のおすすめだ。
こういうのは本物のおすすめなので買うしかない!
ということで、吾輩は甘栄堂のうんぺい各種と甘栄堂のもうひとつの商品「しおせ」に加えて、おねえさんおすすめの箱に入った「めっちゃくちゃおいしい」お菓子も買うことにした。
そのめちゃくちゃ美味しいお菓子はそのうち別記事で紹介したい。
その前に、甘栄堂のもう一つの商品「しおせ」も別記事にする予定だ。
この記事では「うんぺい」に集中したい。
吾輩はレジで「うんぺい」と「しおせ」と、おねえさんおすすめのある箱入りお菓子の代金を支払った。
「うんぺい」は4種類とも1個税込み200円だった。
甘栄堂のおばちゃんが言っていたが、本店で買っても駅で買っても価格は同じなのだ。
そうするとクレジットカードで支払えてJREポイントも貯まる駅での購入が吾輩にとっては都合が良かった。
4.青森の超親切なおねえさんシリーズ
ところで青森のおねえさんは感動を呼ぶほどとことん親切で、今回以外でも何度か親切な目にあっている。
前回青森に来た時は、青森駅の駅ビル内のお店だったが、りんごパイのようなお菓子を売る店でリンゴそっくりのプラスティックのりんごを山と積み上げていた。
吾輩はりんごパイよりもその本物そっくりのプラスティック製のりんごが欲しくなって、それを一個手に取って「これ買いたいのですがいくらでしょうか?」と訊いてみたのだ。
吾輩は恥も外聞も捨てていたかもしれない。
旅の恥はかきすてだ。
それほどそのプラスティック製の本物そっくりのりんごが欲しかったのだ。
たとえ多少高くても。
しかしそこのおねえさんは売り物ではないから売れない、と最初言ってたものの、目配せして何と吾輩に一個タダで持たせてくれたのだ。
一個差し上げますよ!っと屈託なく笑って言うのだった。
嬉しかったが、なんとも悪い気がしてりんごパイを買おうとしたが、
「あっ! 気を使わなくてもいいのですよ〜! ほんとに差し上げますよ! 持って帰ってくださいね! 青森の思い出にね!」
と言ってくれたのだ。
吾輩は涙チョチョ切れになったのは言うまでもない。
その時のりんごのおねえさんと今回の「甘栄堂に似た名前のお店」のおねえさんもとことん心から親切な人で青森県全体が大好きになってしまった。
いや、ずっと前から青森県は大好きだったがそれに輪をかけて大好きになったのだった。
特に青森のおねえさんは優しい!
という経験が2度3度・・・この時以外も他に何度か経験しているので結婚するなら青森のおねえさんが一番だなぁ〜などと学生時代から感じ入っている次第である。
ここで読者の皆さまにもおすすめしたい。
青森のおねえさんは優しくて心がきれいで最高だ!
5.「うんぺい」を食べる



そんなこんなで青森ではいい思い出ばかりなのだが、家でうんぺいを食べる段になるとふたたび新青森駅で奮闘しておねえさんのお世話になったことをあれこれ思い出すのだった。
この大きめのかまぼこみたいな形と模様がいいではないか!
持った感触や質感からも、食べる前から「美味しいに決まってる」(土井善晴氏の口癖)のだった。
しかしその美味しさは想像を超えて格別だった。
単にベロベロした柔らかい餅か求肥というわけではなく、微かにシャリシャリとした砂糖の存在を感じ、適度な甘さで餅か求肥と落雁の中間のような食感で、求肥落雁も大好きな吾輩には心の的の中心を射抜かれたとても心地良い気分であった。
吾輩の、今後も繰り返し購入して食べ続ける和菓子リストの筆頭のひとつに追加した。
併せて青森のおねえさんの優しさを思い出して食べているので感慨とおいしさは尚更だ。
きっと弘前の本店に歩いて出向けば出向いたで、店主のおばちゃんともいい思い出ができたであろう。
新青森駅で買うのは便利だが、いつかは弘前の本店にも行ってみるぞ!と心に誓ったのであった。
6.甘栄堂について
弘前市の老舗和菓子店「甘栄堂(かんえいどう)は弘前市内でも屈指の歴史を持つ100年以上続く老舗だ。
明治15年(1882年)創業。140年以上の歴史があり弘前の和菓子文化を支えてきた名店の一つだ。
場所は弘前市代官町(弘前駅から徒歩10分ほど、みちのく銀行弘前営業部の向かい)にある。
伝統的な和菓子だけでなく、地元産のりんご(紅玉・ふじ)を使ったお菓子でも有名だ。
特に、りんごを輪切りにして砂糖漬けで乾燥させた「銀りんご」や、りんごの入ったお餅「薄雪(うすゆき)」などは大正時代から続くロングセラーだ。
パリッとした食感の細長い「スティック型アップルパイ」も人気商品のひとつだ。
7.名物「うんぺい(雲平)」
「うんぺい」は、津軽地方や秋田県などで古くから親しまれている郷土菓子で、甘栄堂の「うんぺい」には以下のような特徴がある。
主にもち米の粉(みじん粉など)と砂糖、そして少量の水を練り合わせて作られる。
見た目がナルトのような「渦巻き模様」が特徴だ。
白と緑、白とピンクなどの鮮やかな色が断面に見られ、お祝い事の際には鯛や海老の形をした「型もの」が作られることもある。
甘栄堂の「うんぺい」は他店と比べてもバリエーションが豊富で、独自の工夫が凝らされている。
お餅と落雁の中間のような独特の食感でもちもちとした弾力(ういろうに近いとも言われる)の中に、砂糖の「シャリッ」とした歯ごたえが残るのが特徴だ。
甘栄堂のものは他店に比べてやや薄めに作られていることが多く食べやすいのが特徴だ。
プレーンな甘さのものだけでなく以下のような様々な味が楽しめる。
シソ入り:紫蘇の葉が練り込まれた爽やかな風味。
ゴマ入り:黒ごまの香ばしさがアクセント。
青海苔入り:磯の香りがほんのり漂う。
吾輩は上記の4種類を買って食べたことになる。
日持ちが良く、仏壇へのお供え物やお茶請けとして地元では定番のお菓子だ。
「口の中の水分が奪われる」と言われることもあるようだが、それがまた渋い緑茶と非常によく合う。
(おわり)
