みたらし団子 喜八洲総本舗 大阪十三 和菓子なスクチャイ293 2026.05.19
和菓子なスクチャイ293 大阪府 > 大阪市十三
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
みたらし団子 喜八洲総本舗 大阪十三




1.大丸梅田店にて
大阪を訪れていたその日は5月半ばにもかかわらず30℃にもなる暑い日で、吾輩は表の日光に当たりたくなく、ビルの中だけで久しぶりの大阪を楽しむことにして大阪梅田の地下街を歩いていたのだ。
気の向くままに大丸百貨店の入り口を入った吾輩はすぐ横にある「喜八洲(きやす)総本舗」のガラス張りの店舗に気付き、その行列が幸いにして5-6人だったので無条件に最後尾に着いた。
その時点では「喜八洲総本舗」が有名で見たことがあると言った程度で、どこの和菓子屋さんかはっきりとは思い出さなかった。しかし「喜八洲総本舗」はいつかは食べるぞと決めていた大阪の和菓子屋さんで、行列に着いたことは間違いなかった。
吾輩は並んでからスマートフォンのGoogleで森田検索して、順番が来るまでにどの商品を買うか決めねばならないのだった。
2.2月の十三「ねぎ焼きやまもと」
すぐに、「喜八洲総本舗」が阪急十三駅前の「あの」店だと思い出した。
「あの時」は「喜八洲総本舗」の店の前を2回も通り過ぎてそこから少し歩いたところにある「ねぎ焼きやまもと」に行った時だ。「ねぎ焼きやまもと」も本店で食べたくて伊丹空港に行く前に十三で途中下車して行ったのだ。ほんの3か月前の2月初旬のことだった。
15時過ぎという食事には中途半端な時間だったこともあり、いつもは行列の「ねぎ焼きやまもと」は客は吾輩だけという奇跡的ガラガラで、愛想のいいおばちゃんと世間話をする余裕さえあって、吾輩は季節の「牡蠣入りねぎ焼き」を食べた。(以下リンク参照)
その「ねぎ焼きやまもと」への行きか帰りに「喜八洲総本舗」で名物の和菓子を買おうと思っていたのだが、その店舗の行列は行きも帰りも凄まじく、行列の嫌いな吾輩はその日は買うのを諦めたのだった。
3.大丸梅田店「喜八洲総本舗」
そんなことがあったので、今日は冷房の効いた涼しい百貨店の地下でたった5人ぐらいの人を待てば念願の「喜八洲総本舗」の商品が買えるのだ!と興奮気味であった。
行列を進む途中で「喜八洲総本舗」の名物をネットで調べ、注文場所に近づくにつれショウケースの中や上にある各種のお菓子の実物を目の前で眺めるのだった。
吾輩は決めた。
まずはここの行列の皆が買っている「みたらし団子」だ。他にもいろいろ買いたいから5本入りにしよう。
それに・・・
「みたらし団子」の次に人気のあるのが「きんつば」のようなのでそれも買うぞ!4個入りにすると箱に入れてくれて箱代は取らないので良心的だ。
他は・・・吾輩の好きにさせてくれ!
ということで、「酒まんじゅう」だ!
「酒まんじゅう」は蒸し立てあっちっちで美味しいに決まってるはずなのだが、案外「酒まんじゅう」を買って行く客は並んでいた時には誰もいなかった。みんな「みたらし団子」一択で、しかも5本入りだけが圧倒的に全員が買っていた。
前にいた5人だけの観察なのでたまたまかもしれないが、他の美味しそうな和菓子を目の前に「みたらし団子」だけ! という人気ぶりは尋常ではなく、ともかく「みたらし団子」は相当美味しいんだろうな、と思わせるところだ。
しかるに吾輩は3種類目として「酒まんじゅう」だ! 決めたのだ!
そして・・(まだ買うんかい!)
後は「力士もなか」というでかい最中(もなか)だ。
もなかは幼少時から大好きで看過できないのだ。
しかも「力士」だ。大きいのだ! 大きい割に安いのだ。
そもそも「喜八洲総本舗」の商品はどれを選んでもみんな安いのだ!
美味しくて大きくて品質ピカイチで安い!
これぞ大阪で長年愛されている証なのだ。
「きんつば」や「酒まんじゅう」にも使うあんこ勝負の店なので「力士もなか」も美味しいに決まっている。
参考までに「力士もなか」のお値段は1個税込260円で3個を箱に入れてもらって箱代不要で税込780円だ。
他のお値段も挙げておくと、「みたらし団子」は1本税込140円。5本をきっちり箱に入れてくれて税込700円。
「きんつば」も一般よりも豪快に大きいのだが、これが1個税込220円で4個箱入りで税込880円。
「酒まんじゅう」は1個税込140円で8個箱入りで税込1,120円。
何はともあれ今回の話題は「みたらし団子」で他の和菓子は別稿で書く予定だ。
4.目の前で焼いている
「みたらし団子」を注文をすると、ガラスを通して目の前に見える焼き台の直火で一気に炙り、わずかに煙を立ち上げながら特製のタレにドボンと浸していた。その実演は見ているだけで食欲をそそられるのだ。
・・・
さて、大阪十三(じゅうそう)が誇る、唯一無二のみたらし団子とその歴史は次の通りだ。
5.喜八洲総本舗の歴史
「日本中を喜ばせたい」
創業は1948年(昭和23年)12月25日で終戦から間もない混沌とした時代だった。
阪急電鉄の主要な結節点である「十三」の地で営業を開始した。
「喜八洲(きやす)」という一見難しそうな屋号には、大きな志が込められている。
「菓子業により、八洲(やしま=日本中、全国)の皆様に、大いに喜んでいただこう」という意味を込めて名付けられた。
経営の信条は「最高の材料を使い、手頃なお値段で手作りの味を」で、気取らない大阪の商人精神を貫き、現在では「大阪産(もん)名品」にも指定される、大阪人が誇るソウルフードとなっている。
6.「四角い(俵型)」団子の秘密


喜八洲のみたらし団子を見て、まず驚くのがその「形」だ。
一般的な丸い団子ではなく、円筒状(俵型)をしている。これには明確な計算がある。
丸い団子だと直火に当たる面積が点(球体の表面の一部)になるが、円筒状にすることで、回転させながら面で満遍なく香ばしい焦げ目をしっかりとつけることができるのだ。
また、この形にすることで団子と団子の間に隙間が少なくなり、箱に入れた時にも特製のタレがこれでもかと均一に絡みつくのだ。
7.だしの旨味が効いた「ちょうど良い甘辛さ」


醤油だれには、和菓子屋の枠を超えた「大阪の出汁文化」が息づいてる。
タレは単に醤油と砂糖だけでなく、北海道釧路産の上質な昆布から丁寧に引いた「だし」がベースになっているのだ。
そこに香川県産のまろやかでコクのある「たまり醤油」とキレのある甘さの「白ざら糖」を合わせることで、深みがあるのにしつこくない絶妙な「甘じょっぱさ」が完成している。
8.常連の買い方
吾輩は初めてだったので「普通」と頼んだのだが、列のみんなは「こげ多め」などの注文の仕方をしていた。
店頭の張り紙に書いてあったが「こげ多めの場合はすぐに食べないと普通焼きよりも早めに固くなる」とのことだ。
十三の本店ではもとより大丸梅田店でも焼き加減の指定ができるので希望ならば注文時に「コゲ多めで」と頼むといいだろう。
通常よりも長めにしっかりと炙ってくれて炭火焼きのようなガツンとした香ばしさが加わり甘辛いタレとのコントラストがさらに強くなるため、地元では「コゲ多め」を指定するファンが非常に多いわけなのだ。
美味しく食べるのには当然だろうが、消費期限は当日中だ。
2本や3本を買っていた人もいたが、きっとすぐに百貨店を出て地下街のどこか片隅でかぶりついているのではないだろうかと勘ぐった。実際そのような食べ方が一番美味しいと思われる。
9.タレを残さず掬って喰う

吾輩の場合は箱にきっちり収まる5本入りだったので、ホテルの自室で箱の底に残った美味しいタレを、最後の団子できれいにすくい取りながら食べた。それでもタレは余っていたので食べ終わった5本の串を束ねて掬って食べた。
まあ、ともかくおこげの芳ばしい香りとふっくら柔らかな団子生地と程良い甘辛ささのみたらしのタレは絶妙で、これが一本140円ともなればお店に感謝するしかないほどの破格値だ。流行って当然だ。
飾らない本物で正味の品質の団子は、その価値を見極める術を心得た大阪人に愛されて約80年だ。
吾輩は久しぶりの大阪で、本物中の本物、正味中の正味のおやつに出会い、涙チョチョ切れの大感激だった。
(おわり)
