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国家の自立とは何か ― 食料安全保障から考える

日本五誓会は、理念として「国家の自立」を掲げました。
では、国家の自立とは何でしょうか。
それは抽象的な愛国心でも、感傷でもありません。

有事において、国民が飢えない体制を持つこと。

これが国家自立の最低条件です。


平時は市場、非常時は国家

私たちは、市場経済を否定しません。
平時においては、競争と効率が技術革新を生み、生産性を高めます。
農業も例外ではありません。大規模化、法人化、スマート化は推進すべきです。

しかし、非常時は別です。
戦争、海上封鎖、国際物流の断絶。
そのとき「金を出せば買える」という前提は崩れます。
市場は機能を失い、価格は暴騰し、買える人だけが生き残る社会になります。
国家は、その状況を放置してはならない。
だから私たちは、

平時は市場原理、非常時は国家責任

という二層構造を採ります。


農業は準公共財である

食料は単なる商品ではありません。
エネルギーや防衛と同じく、国家の生存基盤です。
したがって農業は、完全な市場任せにはできません。
効率は重視する。
しかし、最低限の生存カロリーを国内で回せる体制は維持する。
これは保護主義ではなく、安全保障です。


必要なのは感傷ではなく設計

私たちは、地方を情緒的に守るとは言いません。
同時に、効率だけで切り捨てるとも言いません。
必要なのは設計です。
・主食生産基盤の維持
・国家備蓄の強化
・輸入先の分散
・有事消費モードへの制度整備
平時と非常時を分け、制度として準備しておく。
それが国家の責任です。


では、具体的にどうするのか

日本五誓会は、以下の方針を提案します。

1. 食料自給力の底上げ
カロリーベースで50%以上を一つの目標とし、有事においても最低限の生存カロリーを国内で回せる体制を構築します。
重要なのは数字そのものではありません。
**「平時の消費構造に依存しない生存設計」**を確立することです。


2. 国家備蓄の拡充
現在の備蓄体制を強化し、主食穀物の備蓄水準を段階的に引き上げます。
備蓄米のローテーション制度を改善し、廃棄ロスを抑えながら持続可能な備蓄体制を整えます。


3. 効率化と安全保障の両立
平時においては、大規模化・法人化・スマート化を推進します。
同時に、主食生産(米・麦)については、一定水準の国内生産基盤を維持するための制度設計を行います。
効率だけでも、保護だけでもない。
両立こそが国家戦略です。


4. 有事法制の整備
有事における食料配分、価格統制、消費転換について、あらかじめ法的枠組みを整備します。
これは平時には発動しません。
非常時にのみ国家が責任を持つための「スイッチ」です。


5. 財源と国民負担
これらの政策には一定のコストが伴います。
平時においては、わずかな価格上昇や財政負担を受け入れることになるでしょう。
しかし、有事に社会が混乱し、国民が飢えるコストと比べれば、それは保険であり、未来への投資です。


国家とは、最悪に備える装置である

国家は、平時の効率を最大化するためだけの装置ではありません。
最悪の事態に備え、国民の生存を守る装置です。
日本五誓会が掲げる「国家の自立」とは、
依存からの脱却であり、
感傷ではなく持続可能性であり、
理念ではなく設計です。

次回は、この考え方を都市政策と財政の観点から具体化します。

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