デジタルは紙より先に消える
2025年6月30日、
「FC2 WEB」がサービスを終了した。
無料のホームページスペース。
2001年から24年間、
個人サイトの置き場所だった。
同じ時期に、
FC2 SNS、FC2ゲームなど
11のサービスも終了した。
理由は
「サーバーとシステムの老朽化」。
24年分のホームページが、
アクセスできなくなった。
消えているのはFC2だけではない
2020年、
AdobeがFlashのサポートを終了した。
2000年代のインターネットを
彩っていたFlashコンテンツの
95%が閲覧不能になったとされている。
ゲームも消えている。
2025年だけで
サービスを終了したスマホゲームは
100本を超える。
13年以上続いたゲームも、
サーバーが止まれば遊べない。
「ゲームシナリオアーカイブ」
という取り組みがある。
サービス終了後のゲームの
シナリオだけでも保存しようという
活動です。
ただし、
保存できるのはテキストだけ。
音楽も、演出も、
プレイした時間も、残らない。
紙は残っている
少し目を転じると、
妙なことに気づきます。
100年前の本は、
図書館に行けば読める。
200年前の浮世絵は、
美術館に行けば見られる。
1000年前の写本すら、
残っているものは残っている。
もっと遡ると、
メソポタミアの粘土板は5000年前。
エジプトの石碑は、もっと古い。
石に刻めば1万年持つ。
紙は劣化する。
虫に食われる。
火事で燃える。
それでも、残っている。
石なら、なおさら残っている。
一方、
20年前のホームページは消えた。
25年前のFlashゲームは動かない。
5年前にサービスが終わったアプリは、
存在した証拠すら見つけにくい。
技術が進むほど、
保存の寿命が短くなっている。
石は1万年。紙は1000年。
デジタルは、20年持たない。
「保存」の意味
デジタルデータが消える理由は
単純です。
サービスを維持するには
お金がかかる。
サーバーの電気代、
システムの更新費用、人件費。
誰かがお金を払い続けなければ、
データは消える。
紙の本は、
一度刷ってしまえば
棚に置いておくだけでいい。
つまり、
デジタルの「保存」は
継続的なコストを伴う行為。
紙の「保存」は
放っておいても成立する行為です。
「保存できる」と
「保存され続ける」は、
違う。
便利なものほど
デジタルは便利です。
コピーできる。検索できる。
世界中からアクセスできる。
でもその便利さは、
誰かがサーバーを動かしている
限りにおいて成立している。
2001年に作られた個人サイトは、
FC2が24年間サーバーを
動かし続けてくれたから存在していた。
FC2が止まった瞬間に、
24年分が消えた。
便利なものほど、
止まったときの消え方が速い。
あの頃のインターネットが
どんな場所だったか、
もう確かめる方法がだいぶ減ってきましたわ。
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