買い物した人は「罰金」ですーー消費税の正体とは?| やさしい“お金の話”16
◆ 第16回|消費税って、なんのため?
前回は、「税金は“財源”ではなく、社会を整える仕組みなんだよ」というお話をしました。
では──
いまの日本にある「消費税」は、その目的にかなっているのでしょうか?
一見“平等”な税に見えるけど…
消費税は、モノやサービスを買うたびに一定の割合でかかる税金です。
たとえば、100円のパンを買ったら、レジでは110円。
2025年現在、標準税率は10%です。
この仕組みは、誰にでも同じ割合でかかるので、いかにも「公平」な感じがしますよね。
でも──
実はここに、大きな“落とし穴”があります。
年収200万円の人と、年収2000万円の人が、同じ1万円の買い物をしたとします。
どちらも消費税は1000円。
でも、その1000円の“重み”はまったく違います。
生活費のやりくりでやっと捻出した1000円
ちょっとしたおつりの感覚の1000円
そう考えると、同じ税率なのに、負担の感じ方は全然ちがうことがわかります。
これが、「逆進性(ぎゃくしんせい)」とよばれる、消費税の持つ性質です。
つまり、所得が少ない人ほど、より重い負担になるということです。
経済をまわしたら“罰金”になる!?
もうひとつ、大事な視点があります。
それは、消費税が経済全体に与える影響です。
たとえば、景気が悪くてみんなが節約しているとき。
そこに「モノを買ったら10%罰金です」みたいな税があるとしたら…どうでしょう?
ますます財布のひもは固くなり、経済はどんどん縮んでしまいますよね。
本来なら、景気が悪いときは、お金がまわるように後押しすることが必要なはず。
でも、消費税はその逆。
「消費するほど、お金が出ていく」
「使えば使うほど、痛い」
だから、わたしたちは無意識に「消費を避ける行動」をとるようになります。
結果として、お金の流れにブレーキをかけてしまうのです。
「社会保障のため」って、本当?
消費税を上げるとき、よくこう言われます。
「高齢化が進んで社会保障費がかかるから、消費税が必要です」
でも…これ、本当にそうでしょうか?
実は、消費税は「社会保障目的税」ではありません。
集めたお金は、「社会保障に使うよ」とは言いながら、法的には“一般財源”として使われています。
つまり──
使い道が決まっていないお財布に入れられて、
結果的に、何に使われたかははっきりしない、ということです。
しかも政府は、「自国通貨を発行できる立場」なんです。
お金が必要なら、国債を発行して支出することができます。
それなのに、
景気が悪くても減税されず、
「社会保障のため」と称して増税され、
実際にはどこに使われたか分からない
──そんな消費税に、いったいどんな意味があるのでしょうか?
消費税は「社会を整える仕組み」になっているか?
ここまで見てきたように──
消費税は、低所得者ほど負担が重く
景気が悪いときにブレーキをかけ
しかも、目的があいまいな一般財源として使われている
本来、税金とは「社会を整えるための制度」でした。
でも、いまの消費税はどうでしょうか?
格差を拡げ、景気を冷やし、使い道も見えない。
もしそうであれば、
この制度は“仕組みとしての正しさ”を失っているかもしれません。
次回予告:「消費税がなくなったら、どうなる?」
「でも、消費税がなくなったら、社会が回らないんじゃないの?」
そんな声もありますよね。
では、本当に消費税がなくなったら、どうなるのか?
次回は──その仮定のもとで、「じゃあ代わりにどうすればいい?」という話をしていきます。
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