失恋して落ち込んだら異世界に来たので世界を救うことにした第六話

あの後私とリバーさんは私の大声のせいでレトさんや執事さんたちにあっけなく見つかってしまった。案の定レトさんは「こんな夜更けにレディを連れ出すなんてありえません!」などど言いながらリバーさんを叱っていた。
こんな姿を見ると一国の王子様のようには見えない。

そして、翌朝。修練場にて。
「おはようございまーす勇者様!レトさん!」
私とレトさんは修練場に向かうと既にジャックさんが待っていた。
「あら、珍しいですね。ジャック。あなたいつも遅刻するのに。」
と冷ややかな口調でレトさんが言う。
「俺だって早めに来る時はありますよ!」
と言うが顔が笑ってない。と言うか目が合わない。
「あの、、、、」と顔を覗き込むと顔を横に向けてしまった。
これはもしかして、、、
「リバーさんに私のことバレたことなら気にしてませんから大丈夫ですよ。」
「やっぱり!聞いてたんですね殿下から!」
「はい、、、」
「俺なりに隠そうとはしたんですけど、、、はい。」
とジャックさんが言ってる最中にもレトさんがニコニコしているそれは楽しいとかそういう部類のやつじゃなくて、、、怒ってるタイプのやつだ。
てことは、ここに来るまでいつもの五割増ぐらいで笑ってたのって、、そう言うことだよね
「ジャック、、、」
「はいレトさん!」
「なんで殿下に知られてるんですか、、、?」
こわいこわい。後ろに青い炎でも背負ってそうだ。
「いや、その、いや、」
「騎士団長なのだからもっとポーカーフェイスとかありますでしょ!」
「すみませんって〜!俺そういうのあんま得意じゃないんです〜!」
得意ではなさそうだけど、、ここまでくるとまた、レトさんのゲンコツが
ジャックさんの頭に飛んでくるかもしれない、、話題変えるか。
「まあまあ。もう終わったことなので本当に私、気にしていないので
それよりも、レトさんとジャックさんって仲がいいですよね〜前からの知り合いだったのですか?」
と聞くとレトさんが
「ジャックは学生時代の後輩です。学年は違うのですが、先生からよくテスト前になるとよろしく頼むこの通りだと懇願されまして、勉強を教えていたんです。」
それに同調して
「そうなんですよ〜レトさんはめちゃくちゃ成績優秀で!よく勉強を教えてもらってました〜俺、体を使う方が得意みたいで頭を使う勉強はからきしで
すごく教え方がうまくて!」
先生にお願いされるなんてよっぽどなんだな〜
「だから仲がいいんですね〜」
「いえ、ゆかり様。仲良しと言う感じではないというか、、、」
「ひどい!レトさん!仲がいいと思ってたのは俺だけだったんですか〜!」
なんとか丸く収められたかな、、我ながら上出来だ。
「もうこのことはいいではありませんか、ジャック。ゆかり様に何か聞くことがあるんじゃないですか?」
「そうですね!忘れていました!勇者様!昨日の宿題の答えをお聞かせ願いますか?」
「そうですね。私の心動かされることはやはり人と関わることでしょうか。
今までの関係性で嫌になったこともありますが。支えてくれたり、仲間になったりしてくれるそんな方もいたので。それ以外は今のところないかもしれません。三つって言われたのに一つしか出せませんでした。すみません。」
「いや、いいですよ!元々一つのつもりでしたから、勇者様が他に好きなことがあればと思ったのですが、、、いい回答だと思います!
で、この宿題の目的なのですが勇者様の魔法は感情をコントロールすると出されるものかと思います。勇者様の思った感情が高ければ高いほど威力が上がるように見えます。なので、まあ何かに没頭できること、または話し相手みたいなことがあればいいなと。自分の中で感情をコントロールしようだなんてできるもんじゃありませんからね!ちなみに俺の好きなことは走ることです!」
それを横目に見ていたレトさんが
「ジャック。たまにはいい事言うじゃないですか。ゆかり様!話し相手には私がいつでもなりますからね♪」
「対応が違いすぎやしませんか!?俺にも優しくして欲しいですよ!」
「何でジャックに優しくしなくてはならないのですか」
「厳しい!まあ、それはそうとして、これからやることは体力作りと感情のコントロールですかね。」
「あの私運動は得意ではないのですけど、、、」
「そこは騎士団長である俺に任せてください!立派な勇者に育てて見せます!」
立派な勇者なんて言われると荷が重い、、、。まあ引き受けた私が悪いといえばそうなのかもしれないけど、、頑張りますか、、。
「よろしくお願いします」
何度目かのお願いしますだけどね。
「早速ですが、少し準備運動したのちに少し走りましょうか。走る距離はこの鍛錬場の外周一周で!」
あ、やんばい。ここの外周一周って結構広かったような、、、例えるなら学校の外周とかそのくらいのレベルで、、、
私は顔が青ざめた。
「大丈夫です!ここは俺の魔法の出番なんで、次からは自分の速度で走ってもらいますが今回は初めなので俺の魔法「加速」でアシストしますね!」
個人個人でみんな固有の魔法を持ってるのかな。じゃあレトさんもリバーも
固有の魔法が使えるのかな
「では、少し足を触りますね!一瞬なので!」
今回私は運動すると言うことなので上は半袖のシャツ下は裾の広いズボンだ
まるで現代日本でもおかしくないような服装だ。なので触られても布の上からなので大丈夫!と言うこと。
「はい。」
というと少しふくらはぎにほんの一瞬ジャックさんが触れるとあの見たことのある青字白い光が私の両足に広がった。
見た目の変化はないのだけど、
「今は見た目に変化はありませんが、走ればわかりますから」
と言い言い鍛錬場内にレトさんを一人残し私たちは外に出た。
「では、楽しんで行きましょうか!」
楽しめないけどね。必死になっている自分が目に見えるけどね!
と私も頷き走り出したら、ビュン!と車ぐらいの速さになった。
「なにこれ!」と大きな声を出すと目の前の土が少し抉られたがそんなの気にしている余裕はない。と横から
「大丈夫ですからそのまま走り続けてください!」とジャックさんもものすごいスピードで走っている。だから初めて会った時あんなスピード出たの〜!
なんて思ってたらすぐにスタート地点に到達しそうだ、どうやって止めるのこれ!と思っているとジャックさんがふくらはぎを触る。すると体から力が抜けたように後ろから倒れ込んでしまいそうになったのをジャックさんが支えてくれた。
「お疲れ様でした!楽しかったですか!?」
とジャックさんが聞くがそれどころじゃなく疲労感がすごい何時間も運動してる時の疲労感だ。息も荒い。
「あ、、いや、、、あ、、、もう」
としか言葉が出ない。
そこに待ち構えていたレトさんに「こちらお飲みください」と水を差し出され飲んでいる最中に汗もタオルで吹いてくれた。
「これを毎日やって頂きます!これと筋トレなんかもやっていくので、少し休んだら魔法の練習をしましょう!」
と言うことで私の勇者となる第一歩が始まった。がこの時は知らなかった。
すぐに魔王に合わなければならないことになるとは。




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