〜尿タンパク「陽性(+)」が意味すること ~【知ってトクする健康診断の検査】
医療系の大学で病気や薬について教えています。健康診断や病院での検査、健康や薬に関する情報などを、やさしくわかりやすく届けたいと思い、「知ってトクする 健康 note」を始めました。皆さんの健康のために少しでも役に立ってくれれば嬉しいです。まず第1回目は「尿タンパク」です。
1. 尿にタンパクが出てる?
おしっこの泡が気になったことはありませんか?尿にタンパクが多いと泡立ちやすく、泡が長く残ることもあります。もちろん、勢いや濃さでも泡は立ちますが、尿にタンパクが出ているのかもしれません。
健康診断の結果で、「尿タンパク ±」「尿タンパク 1+」などと書かれていて何だか不安になったことはありませんか?検査で陽性と出たときは腎臓からの病気のサインかもしれません。
2. 尿タンパクとは?
尿タンパクは、尿の中に排泄されるタンパク質のことです。
健康診断の試験紙法では「陰性(−)」の場合はもちろん心配ありません。健康な人でもごく少量のタンパクは尿の中に出ており、「±」であっても問題ない場合が多いです。
しかし、健康診断で2年(2回)連続「±」になった、高血圧症や糖尿病がある、他の腎機能検査に異常がある、などの場合は受診して再検査を受けることをお勧めします。
腎臓のフィルター(糸球体)が病気で傷つくと、本来血液中にとどまるタンパク質が漏れ出し、「1+」「2+」と数値が上がって表示されます。
3. どんな時に増える?
「+」が出る背景は大きく分けて二つです。
一時的な変化(心配いらないことも)
激しい運動の後、発熱、強いストレス、脱水のときに一過性に増え、「±」「1+」と出ることがあります。体調が戻ると陰性に戻ることが多いです。病気のサイン(要注意)
腎臓の病気(慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、高血圧性腎障害など)では「+」が続きます。
また膠原病や心不全など全身の病気でも尿タンパクが増えることがあります。
“続けて陽性”が出る場合は、腎臓が静かに傷んでいる可能性もあります。💡 放置するとどうなる?
腎臓は一度大きく悪化すると回復が難しく、おかしいと思ったときには人工透析が必要な段階まで進んでいることも。
「±」「1+」などが続く場合には、受診することをお勧めします。
4. 検査の方法
健診での基本は試験紙法ですが、陽性が続く場合はさらに詳しい検査を行います。
試験紙法:尿に浸す試験紙の色の変化で尿中のタンパク量を調べる。結果は「−」「±」「1+」「2+」「3+」「4+」などと表示される。
定量検査:24時間尿や随時尿で尿中のタンパク量を定量して数値化(g/日やmg/dL)する検査。
アルブミン尿検査:糖尿病や高血圧の方に重要な検査。早期の腎障害をみつけるのに有用。
5. 尿タンパクが出たらどうする?
「±」「1+」が出ても、再検査すると「−」に戻ることもあります。
しかし連続して陽性が出るときは、医療機関で血液検査や腎エコーなどを行い、原因を調べます。
早く原因がわかれば、生活改善や治療で腎臓を守ることができます。
6. まとめ
尿タンパクは、腎臓や全身の健康状態を映す重要なサインです。
健診で「±」「1+」などが続く場合には、受診することをお勧めします。
よくあるQuestion
Q1. 尿に泡が立ったら異常ですか?
A. いいえ。尿の勢いや濃さでも泡立ちは起こります。ただし健診で「±」や「+」が続いて出るときは要注意だと考えてください。
Q2. 「±」は異常ですか?
A. 一時的な変化の可能性もあり、すぐに深刻とは限りません。ただし繰り返し出る場合は、再検査や精密検査を行うことをお勧めします。
Q3. 食事で改善できますか?
A. 減塩やバランスの良い食事、水分摂取は腎臓の負担軽減につながりますが、自己流の健康法ではなく医療従事者の指導に従うことが重要です。
Q4. 健診で「+」が出たときは?
A. まずはお近くのクリニックなどで構わないので再検査することをお勧めします。再検査で「+」が続いて出るかどうかで意味合いが大きく変わります。
最後にもうい一度
・尿タンパクは腎臓の健康状態を反映する大切な検査です。
・一時的に出ることもあるので、過剰に心配せず経過をみることも大切です。
・健診で指摘されたら、医療機関で相談を!
この記事は検査の結果を理解するための一般的な解説であり、診断を行うものではありません。検査結果についてご不安がある場合は、必ず医師・医療機関にご相談ください。なお、本記事の内容は今後の知見や表現の工夫に応じて、随時アップデートする場合があります。
次回は「尿糖」について解説します。
※表記を「健康診断」に統一しました。(2025年10月18日改訂)
