ザ・ピンチ1
「催す」と言ってもHな話ではない。
もう一つの方、そうBENIのことである(ちなみにこれは「べに」とは読まない)。
時にこれは、突然予想外に襲ってくるものなのだ。
人の生活習慣は、まさしく人それぞれである。
規則正しい生活をしている人もいれば、不規則な生活の人もいるだろう。
ただ、どんな生活をしていたとしても、この「不意打ち」に汗した経験が無い人はいない。
、、、いないと思う。
、、、いるかな?
いや、やっぱりいないと思う。
思い起こせば、私の人生はこの「催しの不意打ち」との戦いのような人生であったといってもいいくらいである。
小学生低学年のころ、帰り道に突然「催し」、
最初は腰を引き気味にして慎重に、
その内、内部からの強烈な圧力が襲ってくるようになると、それに負けないように、
精一杯の力で『キュッ』と、あそこを締めるしかない。
そういう状況になると、いつまた強烈な圧力が襲ってくるか分からないので、
歩くのも段々と難しくなり、ピョンピョンと跳ねて移動したり、思いっきり腰を引いた姿勢で、圧力が襲ってくるほんのわずかな、微妙なタイミングに狙いをつけて、数秒だけ全力疾走したり・・・
我が家の玄関に到着した時には、半泣き状態・・・
「ハーハーハー!」ゴールは近い、しかし、最後の最後まで気を抜いてはいけない・・
ここまできてミスをしたら、今までの努力は水の泡。
ランドセルを放り投げ、靴を脱ぎ捨て、四つん這いになって、トイレまで歩伏前進だ!
ズボンを下ろす、『あ~、間に合った!』『フ~!』小さい頃は、あまりの感動と気持ちよさに涙が出ることもあった。
社会人になってからも、似たようなケースは多々あったが、
今でもアリアリとそのシチュエーションを憶えているシーンがある。
場所は「飯田橋駅」、地下鉄有楽町線で通勤していた私は、既に池袋あたりからかなり催していた。
かなり激しく襲ってくるBeni に 無事クリア出来るかどうか!?少々不安を感じるほどであった。
電車の中で、そのような状況になることは、決して珍しくは無かったが、その時のレベルは、いつもと比較にならないくらい激しいものがあったのだ。
過去に何度もこういうケースを通勤電車の中で経験している私は、トイレの場所は熟知していた。
飯田橋の駅は、JRと地下鉄東西線と、地下鉄有楽町線が乗り入れていた。
今は、南北線も乗り入れて更に複雑になったようであるが・・・
有楽町線の飯田橋駅は、これが同じ飯田橋なのかと思うくらいに、JRや東西線とは離れていた。
そして、トイレであるが、その時間は飯田橋の駅の横にそびえ立つ『ラムラ』というビルの2階が一番近いトイレであり、電車を降りてからそこまでの距離も、そこそこあるのである。
このラムラは、1階と2階がショッピングモールになっていた。
当時私は新婚ホヤホヤで、私の奥さまは、そのラムラ1階にある婦人服のショップでなんと店長をしていた。当時、彼女は若干21歳で店長である。
スゲ~!と、今思い出しても感動ものである。
まっ、そんな話はどうでもいいが、
緊迫した状況を抱えた私は、いつものトイレに急いだわけである。
前記した小学生時代ならいざしらず、いい大人になってから、それも通勤時間帯・・・
あまりおかしな(妙に腰を引いて・・)
格好も出来ず、表面上は平静を装っていたが、
内実は地獄であり、額には脂汗が流れた。
間に合うだろうか?
イヤ、間に合わせなくてはならないのだ!
自分自身と必死で戦いながら、そして時にヒクヒクしながら、頑張って進んだ!
あまりの体の内部の欲求を、チカライッパイ抑えて、そう、ずっとキュッと締めた状態が続くので、吐き気すら催してきた。
こんなところで、倒れて、上からも、そして下からも放出したら・・・・
あ~、そんな事態にはしたくない。
ガンバレ! もうそう遠くない!
ハーハー!
ヨッシャ!! よく我慢した。
トイレが見えてきたぞ!
最後の我慢で、更にキュッと締めながら
勢いよく入ろうと思ったら・・・
ガビ~ン!!! 入り口に『ただ今清掃中!』の札が立っていた。
そんなことに負けてたまるか!
私は、無視して入ろうとした。
おばちゃんが出てきた。
「あ~、今清掃中だからダメよ!」
「う~、う、う、う、でも、もう、多分これ以上、が、が、我慢が・・・」
「ダメ、ダメ!え~とね、近くのトイレは、この上の階かな?」
このクソババア!生かしておかぬ!と、思いながら、上の階へ行くしかなかった。
ただ、トイレが見えた段階で一旦開放された精神状態を、再度緊張状態に持っていくのはかなり大変であった。
更に、2階から3階へは、階段が無くてエレベーターなのである。
このエレベーターが来るのを待っているときは、もう恥も外聞も全く無かった。
正直に言えば、震えている状態だった。
『う~・・・ブルブルブル・・・・』
やっと来たか、このクソエレベーター!
早く動け、このトンマ!!
おまえギャグやってんじゃないぞ!なんで、そんなにユックリなんだ!!
エレベーターの中でも、振るえと戦いながら地団駄を踏んでいた。
ドアが開き、全身を震わせ、腰を引き、顔色は真っ青な状態でトイレをさがした。
『あ、あった!!!』
一目散である!!
個室のドアを開け、バッグを置いたり、
ズボンを下ろしたり、色んなことを瞬時に、
そして同時に行い、座ろうとした瞬間に・・・・
今まで、コルクの栓を無理矢理押し込んで、
跳ね返されても、跳ね返されても、なんとか押さえてきたその栓が、ポ~~ンと押し飛ばされたかのように、爆発した。
危機一髪なんてもんでは無い!!
危うく、その日仕事に行けなくなるところであった。
この危機を乗り越えたことは、後の人生で大きな教訓になったことは言うまでも無い。
一つの大きな山を越えた気分であった。
終わり(エヘ・・)
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