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【誰かのために、自分を壊していた】― 心と体はちゃんと繋がっている ―


「心と体はつながっている」

そんな言葉を聞いても、 昔の私はどこか他人事のように思っていた。


私はずっと、 家庭と仕事を両立することに必死だった。

どんなに困ったことが起きても、 いつも自分で解決するしかなかった。

特に家のことは、 夫婦であっても相談できる関係ではなかった。

旦那はなんでも人任せ。

だから相談すると、 決まって返ってくる言葉があった。

「俺は働いてるから…」

この言葉って、 とても都合がいい言葉だなと思った。

その言葉を何度も聞くうちに、 私はいつしか、 「ひとりで頑張った方が楽なんだ」 そう思うようになっていた。


寝る時間を削って、 家事も子育ても仕事もこなす。

体調が悪くても、 薬でごまかしながら動き続ける。

本当はそれが カラダからのSOSだと気づいていたのに、

**「寝れば回復する」 「まだ大丈夫」**

そうやって、 自分に言い聞かせていた。


でも、 あの頃の私はもう、 心も体もとっくに限界を超えていたんだと思う。

それなのに、 明るく振る舞って、 元気そうに見せていた。


——本当は、 止まってしまうことが怖かったのかもしれない。


誰かに聞いてほしい。

誰かに代わってほしい。

本当は、 そんな気持ちもずっとあった。

でも、 誰かに助けを求めることができなかった。

「こんな弱気な話をするなんて迷惑だよなぁ…」

「私さえ我慢すればいいんだから…」

そんなふうに思いながら、 自分の気持ちに少しずつ蓋をしていった。


苦しくても、 つらくても、 「大丈夫なふり」をしてしまう。

弱音を吐くより、 無理して動いてしまう。

その方が、 ラクだったのかもしれない。

いや——

本当は、 そうするしかなかったんだと思う。


気づけば、 心の声を聞くより先に、 やるべきことを優先するようになっていた。


イライラすることが増えたり。

急に気持ちが落ち込んで、 何もしたくなくなったり、 理由もなく涙が出たり…。

動悸もするようになって、 それは日を追うごとに強くなっていった。

でも私は、

「これって更年期の症状なのかなぁ」

「夜から朝まで働いて、 ちょっと寝不足なだけかなぁ」

そんなふうに、 自分に言い聞かせていた。


——いや、 そう思い込もうとしていたのかもしれない。


本当は、 心も体もずっと前から 限界だって教えてくれていたのに。

私はその声を聞かないようにして、 また“いつもの自分”を続けようとしていた。

頑張ることをやめたら、 自分が崩れてしまいそうだった。


もし今ここで止まってしまったら——

「今までの頑張りは何だったんだろう」

「これからの生活はどうなってしまうんだろう」

そんな葛藤が、 ずっと自分の中にあった。

そして、 そんな思いを誰かに話してしまったら、 自分の存在そのものまで否定されてしまう気がして、 さらに怖くなった。

だから私は、 平気なふりをした。

気づかないふりをした。


でも本当は——


もう心も体も、 とっくに限界を超えて 悲鳴をあげていたことくらい、 自分が一番わかっていた。


今年に入ってから、 私は何度も体調を崩した。

高齢の旦那が入院し、 関わらなければならないこと、 やらなければならないことに追われる毎日。

旦那との関係は、 もうずっと前から破綻していた。

そんな関係の中での介護は、 想像以上に心への負担が大きかった。

我慢。

義務感。

気を使うこと。

気を回し続けること。

「自分がやらなければならない」

その思いだけで、 ずっと動き続けていた。

でもその頃にはもう、 心も体も限界だったんだと思う。


立て続けに、 インフルA、コロナ、インフルB…。


ストレスから来る動悸も起こるようになり、 ある日突然、 強い動悸とともに血圧が上がり、 左側の手足の痺れ、 そして激しい頭痛に襲われた。

大事には至らなかった。

でも、 いろんなことが頭をよぎった。

「このまま倒れたらどうなるんだろう」

「私はあとどれくらい持つんだろう」

そんなことまで考えるようになっていた。


そして数日前、 また体調を崩した。


ちょうどその時、 お試しでショートステイへ行ってもらっていたので、 私はほんの少しだけ休むことができた。

でも帰宅した旦那から返ってきた言葉は、

「ショートステイは俺が行く場所じゃない!」

「体調悪くても普通でいいんじゃない?」

だった。


その言葉を聞いた瞬間、 何かがプツンと切れた気がした。


この長い年月。

そして、 ここ数ヶ月。

自分の心と体を後回しにして、 気を使って、 気を回して、 壊れそうになりながら支えてきたものが、 全部報われなかった気がした。


誰かのために、 自分を後回しにすることは、 決して悪いことではないと思う。

大切な人を守りたい。

支えたい。

そう思う気持ちがあるからこそ、 人は無理をしてでも頑張ってしまう。


でも——


限界を超えて、 自分自身が壊れてしまったら、 元も子もないんだと思う。

「大丈夫」

「もう少し頑張れる」

そう思った時には、 もしかしたらもう、 心も体も悲鳴をあげているサインなのかもしれない。


心と体は、 ちゃんと繋がっている。


だからこそ、 どちらかを無視し続ければ、 もう片方も静かに壊れていく。


あなたは今——


誰かのために、

自分の心と体まで差し出してしまっていませんか?


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