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知る人ぞ知る「餃子」日本一のまち宮崎市

何年か前に、宮崎市が餃子の年間支出額で日本一になったと耳にしたとき、正直なところ少し意外に感じました。

おそらく読者の皆さん方は、宮崎のグルメといえば、チキン南蛮宮崎牛などが真っ先に思い浮かぶと思います。地元で生まれ育った私自身、餃子が宮崎の名物だと意識したことは一度もありませんでした。

長年、餃子といえば宇都宮市や浜松市のイメージが強く、観光地で行列を作る様子がメディアでもよく取り上げられていました。そんな中、宮崎市が上位に名を連ねるようになったデータを見てみると、確かな実績が記録されています。

総務省 家計調査(ぎょうざ年間支出金額・順位)

  • 2021年:第1位(4,184円)

  • 2022年:第1位(4,053円・2連覇)

  • 2023年:第2位(3,498円 / 1位は浜松市)

  • 2024年:第2位(3,517円 / 1位は浜松市)

  • 2025年:第3位(3,418円 / 1位は浜松市、2位は宇都宮市)

世帯あたりの「年間購入頻度(購入回数)」においては、2025年調査で6年連続の全国1位を記録しています。

なぜ宮崎がこれほど上位に入っているのか不思議に思っていたのですが、調査の仕組みを知って腑に落ちました。家計調査の対象は外食ではなく、「持ち帰り専門店やスーパーなどで購入した餃子」なのだそうです。

宮崎の餃子は、観光グルメというよりも、日々の暮らしに深く根づいた「家庭の日常食」です。豚肉やキャベツなど新鮮な食材が手に入りやすい土地柄もあり、街の専門店や惣菜売り場で餃子を買い、自宅の食卓に並べて食べる習慣が昔から定着しています。あまりに日常の風景に溶け込みすぎていて、自分たちが特別な文化の中にいると気づいていなかっただけでした。

そんな背景を知るうちに、実家の近所にあった小さなお店のことを思い出しました。

「八味屋」という名前のお店で、まるで昭和にタイムスリップしたような庶民的な雰囲気のお店です。持ち帰りがメインですが、お昼時には、店内でも食べることが出来ます。まだ母が元気だったころ、スーパーでの買い物帰りに立ち寄り、焼きたての餃子を包んでもらって一緒に帰ったものでした。

今日、たまたま近くまで行く用事があり、懐かしさに誘われて久しぶりに焼き餃子を2パック買って帰りました。

手渡された包みのあたたかさと、ふわりと広がる香ばしい匂いに、母と一緒に歩いた夕暮れ時の帰り道が静かに重なりました。

宮崎の餃子消費の多さを支えているのは、派手な話題性ではなく、こうした日々のささやかな団らんや、家族と過ごしたあたたかい時間の積み重ねなのでしょう。

今夜は餃子を温めて、冷やしたビールとともにゆっくりと味わいたいと思います。

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