📘小説『言葉の魔法 と 魔法のような言葉』
第一章 ──消えかけた声
「……もう、話したくない。」
その声は、まるで空気に溶けるような、小さくて儚い音だった。
高校2年の冬。教室の窓の外では、静かに雪が降っていた。
千紘(ちひろ)は、誰とも目を合わせず、ノートにだけ視線を落としていた。
笑い声の中にいながら、彼女の存在だけがぼんやりと薄れていく。
“自分なんて、いない方がいいのかもしれない”
そう思うことが、日常になっていた。
昼休みも放課後も、屋上の階段でパンをかじりながら過ごす。
言葉を交わすことは減り、声を出すことそのものが怖くなっていた。
ある日──
いつものように、机の中に手を入れた千紘は、一枚の紙を見つける。
「あなたの書く言葉、私は好きです」
誰の仕業かわからない。筆跡はやわらかく、どこか照れたように傾いていた。
不意打ちのようなその言葉に、胸の奥がざわりと揺れた。
誰かが、自分を見てくれていた。
自分の“言葉”を、好きだと言ってくれた──
それだけのことが、こんなにも心を震わせるのか、と千紘は思った。
第二章 ──静かなる書き手
千紘には、誰にも見せていない「ことばノート」があった。
日々の想い、ふと浮かんだフレーズ、誰かの言葉の断片。
声を出せないぶん、文字に心を託して生きていた。
そのノートの最後のページに、あのメモをそっと挟んだ。
あの日から、教室の空気がほんの少しだけ変わった気がしていた。
目立たなくてもいい。ただ、自分の言葉が誰かに届いた──
そう思えることが、千紘にとっての“光”だった。
でも、それ以上はわからなかった。
誰が書いたのかも、どうしてなのかも。
けれどそれが、かえってよかったのかもしれない。
魔法って、正体が見えないからこそ、心に届くものなのかもしれない。
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この物語は、ここから大きく動き出します。
千紘の言葉が“ひとり”に届いたとき、そしてその相手が誰だったのかを知ったとき──
彼女の世界が、少しずつ、でも確かに変わり始めます。
✔️ 言葉は「届ける」だけじゃない。
✔️ 「もらう」ことで、人はまた立ち上がれる。
✔️ そして、声なき言葉が、未来を動かしていく──
この続きを読み進めたとき、あなた自身の言葉の見方も、変わるかもしれません。
ほんの少し、誰かの“救い”になれる言葉を信じたくなる物語です。
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第三章 ──見つかった言葉
・自由作文「心の種」に綴った千紘の言葉が、偶然“ある人物”の目に留まる
・言葉を届けた“本人”との出会い
・言葉の力が「受け手」と「書き手」双方を救っていく描写
第四章 ──魔法のような言葉
・卒業式の日、黒板の言葉と千紘の決意
・“自分の言葉が誰かを救う”という体験の先にある未来
・彼女が綴った最後の一文と、ノートの白いページに託された希望
第三章 ──見つかった言葉
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