第6話 暴走の境界線
風が、戻らない。
さっきまで感じていたはずの流れが
また消えていた。
代わりにあるのは――
“圧”
見えない何かが
空間を押し潰している。
カイは
その中心に立っていた。
何もしていない。
だが
周囲の景色が歪んでいる。
地面が
わずかに沈む。
空気が
引き裂かれる。
「……カイ」
レイヴァが呼ぶ。
だが
返事はない。
彼の視線は
空の裂け目に向けられたまま。
その奥。
無数の“何か”が
こちらを見ている。
カイの呼吸が
ゆっくりと乱れていく。
ドクン。
ドクン。
鼓動が
大きくなる。
「……やばいわね」
レイヴァが小さく呟く。
これは
戦闘の気配ではない。
“崩壊”の兆候だ。
「カイ!」
一歩
近づく。
その瞬間。
バキッ――
地面が割れた。
レイヴァが
反射的に飛び退く。
「……!」
今のは攻撃じゃない。
ただ
“存在しているだけ”で
壊れている。
カイの口が
わずかに動く。
「……全部……」
声が
かすれている。
「……全部
壊せば……」
その言葉に
レイヴァの目が変わる。
「……違う」
低く言う。
「それは違うわ」
カイの肩が
わずかに揺れる。
だが
止まらない。
「どうせ……
全部敵なんだろ……」
空気が
さらに重くなる。
ミレアが
息を呑む。
彼の声が
怖かった。
優しかったはずの声が
今は
何も感じない。
「……だったら……」
カイの周囲に
黒い雷が走る。
空間が裂ける。
「全部
壊せばいい」
その瞬間。
世界が
悲鳴を上げた。
――ここから先は有料パートです――
この後
✔ カイの“暴走状態”発動
✔ レイヴァが止めに入る本気戦闘
✔ ミレアの覚醒一歩手前
✔ 世界が崩壊しかける瞬間
が描かれます。
ここは
第2部の中でも
最初の“最大緊張回”です。
続きを
読みたい方だけ進んでください。
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