光と闇のはざまで
はじめに
人を信じられなくなったあの日から、私は“もう一人の自分”と暮らしている。
社会に壊され、人に裏切られ、自分さえ見失って。
闇の底で、私はただ、目を閉じていた。
――でも、闇は消えない。
癒されたはずの傷の奥で、今も「何か」が息を潜めている。
これは、鬱と癌を経験したひとりの人間の、心の記録です。
誰にも言えなかったことを、そっと、noteに置いていきます。
※このエッセイは全て実話です。私自身の記録✍️人の深い闇を、見たことがありますか?
それは、憎しみ、欲、快楽――
美しい顔をして、その奥に潜んでいるもの。
信じていた人が、そうだった。
人が好きだったのに。
人間そのものが、信じられなくなった。
社会が、企業が、そうさせた……
でも、自分が弱かった。それも事実だ。
やがて心はぽきりと折れ、
気づけば、鬱病と呼ばれる暗闇の底にいた。
深く、冷たく、音のない闇だった。
出口も、助けも、見つからない。
いや――見たくなかったのかもしれない。
何度か光が差し込んだ気もする。
けれど、その度に目を背けていた。
「もう、いいよ」と。
ただただ、長く深い闇の中で、じっと座っていた。
そんなある日。
気分転換に出かけた大好きな川。
大きな岩の上に寝そべって、流れる音を聴く。
目を閉じれば、全てが消えていくようだった。
川の流れが、唯一の癒しだった。
「ずっと、こうしていたい」
そう思った。
でも、気分転換が終わればまた戻る。
闇の暮らしへ。
いったい、どれだけの時間をあそこにいたのだろう。
何日? 何ヶ月? 何年?
闇は、私の一部になっていた。
そしてある時、思いもよらぬ“衝撃”が私を揺さぶった。
それは――癌の告知だった。
長い闇から、ようやく目を覚ましかけていた頃。
突然突きつけられた新たな闇。
鬱による免疫力の低下。
あの魔物は、まるでその隙を狙ったかのようだった。
「やっと光を見つけかけたのに、またか……」
それでも、闘った。
そして、生き延びた。
あれから10年が経つ。
癌の治療も、闘病生活も、終わった。
世間は言う。
「治って良かったね」と。
でも――本当は治ってなんかいない。
心の奥には、今もあいつがいる。
あの頃、闇の中で後ろから囁いていた“声”。
今も、ふとした拍子に顔を出す。
まるで二重人格のように。
私は、いまも“あいつ”と一緒にいる。
もう戦わない。
飼い慣らして、生きている。
光の自分と、闇の自分。
どちらも、本当の“わたし”。
✅【あとがき】
あなたの中にも、闇はありますか?
見ないふりをしているだけで、実は誰の心にも棲んでいるのかもしれません。
私はまだ、完全に光には戻れていません。
でも、闇を抱えながらでも生きられると知ったのです。
この文章が、あなたの“何か”と向き合う小さなきっかけになれば嬉しいです。
🌿最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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