〜第54夜〜『サンタさんは、見てるだけじゃないよ』
👻はじめに
……あぁ、寒くなりましたねぇ……。
クリスマスが近づくと、街はキラキラして、なんだか心が弾むもんなんですが──
……いやだなぁ……浮かれてるのは、人間だけかもしれませんよ……えぇ……。
今日はね……そのクリスマスに起こった……
ちょっとゾッとする話を、ひとつ……えぇ……。
🌨本編
僕の友人にね、裕太(ゆうた)って男がいまして。
まぁ、今はもう子どももいる立派なお父さんなんですけど、
その彼が、小学生のころ……忘れられないクリスマスの夜を経験したって言うんです。
──小学校3年生の、12月24日。
雪がしんしんと降る夜。
プレゼントを楽しみに、早く寝た裕太少年。
ふと夜中に目が覚めたんですよ。
部屋は暖房が効いているのに、どこか……妙に寒い。
鼻先がツンと冷えるほどで、布団の中にいるのに……ゾワッとした。
「……え?」
と、何かを感じた彼は、薄目を開けた。
……暗闇の中、
部屋の隅の方に、なにかいる。
──いやだなぁ……
彼、最初はお父さんかと思ったんですって。プレゼントでも置きに来たのかなって。
でもね……背が異様に高かった。
帽子をかぶってて……赤いような、黒いような……ぼんやりした服。
けれど一番怖かったのは、
その“誰か”が……
──じっと動かずに、裕太の方を見ていたことなんです。
それも……プレゼントを置く様子もなく、ただ、見てるだけ。
そして、5分……10分……
……そのまま、ずっと、動かないんですよ。
裕太少年、怖くなって布団を頭までかぶって、ガタガタ震えて、
「サンタさん、来たなら置いていってよ……お願いだから帰って……」
と心の中で何度も何度も唱えた。
そのあと気づいたら朝でした。
──けれど、起きてみたら……
部屋の空気が、変だった。
プレゼント?
……ありました、ベッドの横に。
でも、問題はその包装紙なんです。
真っ赤な紙に──
……子どもの手で描いたような、不気味な笑顔のサンタの顔が印刷されていた。
それ、親が用意したものじゃなかった。
母「え、包装紙? そんなん使ってないよ? お父さんじゃない?」
父「いや、俺も知らないよ……」
家族でゾッとしたんです。
プレゼントの中身は、裕太が欲しがってたゲームソフト。
でも……そのケースの裏に、小さく──
「また来るね」って、子どもの字で書かれていた。
彼、それ以来……
……“サンタ”って言葉を聞くだけで、今でも背筋がゾワっとするらしいです……えぇ……。
📝あとがき
……いやだなぁ……
子どもってね、時に“純粋”だからこそ……何か“別の存在”とも繋がってしまうことがあるんですよね……。
「願えば叶う」って言うでしょう?
でも……“誰が叶えるか”までは言ってないんですよ……えぇ……。
……あなたのもとに現れる“サンタ”は……
本当に“人”ですか?
🪧裏夜話の案内
この話には、まだ続きがあります……
「また来るね」と書かれた“あの夜”から、20年後のクリスマス──
裕太の娘が見た“サンタ”の正体。
彼は、再び“訪れた”のか?
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