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〜第49夜〜病院のエレベーター

はじめに


えぇ……皆さん……夜の病院って、どうしてあんなに、怖いんでしょうねぇ……
誰もいないはずの廊下で、人の気配がする……
呼ばれてないのに、エレベーターの扉が──開く……
あぁ……いやだなぁ……いやだなぁ……
今日はね……そんな“エレベーター”にまつわる、話をひとつ……




あれは、数年前のことなんですよ……
私の知人にね、看護師の女性がいましてね。
夜勤専門で働いてた方なんですが……
「夜の病院って、慣れます?」って聞いたらね、彼女こう言ったんですよ。

「怖いのは慣れるけど……エレベーターだけは、慣れないんです」

……どういうこと?って思うでしょ?
詳しく聞いたら、こんな話をしてくれたんですよ……えぇ……。

その病院、古くてね……まぁ、建て替えの話も出てたんだけど、
そのエレベーターだけは、昔から“出る”って噂があったんですって。

「誰も呼んでないのに、エレベーターが来る」
「乗ってるはずのない階に、勝手に止まる」

そんな話……いくらでもあったらしいんですけど……
ある夜、彼女……1階のロビーでナースコールの帰りに、エレベーターに乗ったんです。
6階に向かってね、ボタンを押した。

──でも、止まったのは……4階。

……あれ?誰か乗るのかな?って思って扉が開いたら……

……誰もいない。

いやだなぁ……って思って、すぐに「閉」ボタンを押す。
……でも、エレベーターが閉まらないんですよ……
ずっと開いたまま……まるで「誰かを待ってる」みたいに……

すると……スーッと……冷たい風が、足元から上がってきた。
その瞬間、彼女の耳元でね……はっきり、こう聞こえたって言うんです。

「……ここ……何階……?」

あぁ〜〜っ……ぞっとしたでしょうねぇ……
慌てて閉ボタン連打して、ガチャン!って扉が閉まったとき……
目の前の鏡にね……立ってるんですよ。
スーツ姿の、男の人が……真後ろに……。

でもね、振り向いたら……誰もいない。

えぇ……それ以来、彼女はそのエレベーターだけは使わず、
非常階段を使ってるって言ってましたよ……
……命削る夜勤に、心削られる体験までしてたら……身が持たないってね……えぇ……


あとがき


病院って……生と死が交差する場所だから……
いろんなものが“集まる”って言いますよね。
……でも、集まるのは“人”だけじゃないのかもしれません……
そこにあった「気持ち」……残った「思い」……
それが、ふとした瞬間に……形を取るのかもしれませんねぇ……えぇ……


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この続きとなる“裏夜話”では……
あの「男の影」が、なぜエレベーターに現れたのか……
そして、その正体に触れてしまったもう一人の人物について語ります。

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