売り物ですから
町のはずれに、小さな駄菓子屋さんがありました。
棚に色とりどりのキャンディやクッキーが
並んでいます。
ある日女の子は、ニコニコしながらお店に
入ってきました。
「このうさぎのぬいぐるみかわいい!」
棚のすみっこにポツンとひとつだけ置かれた
小さなうさぎのぬいぐるみ。
実は、それはお店にずっと置かれていたものの
誰にも買われずひとりぼっちでした。
女の子は、ぎゅっと抱きしめます。
「おばあちゃんこの子わたしの友だちになっていい?」
お店のおばあさんは少し困った顔をして
「それはね‥売り物ですから‥」
でも‥ぬいぐるみは、思いました。
「どうかこの子のそばに行けますように」
女の子のお母さんは、お財布を開いて
嬉しそうに言いました。
「もちろん 今日から夢ちゃんのお友だちね」
ぬいぐるみは、胸がいっぱいになりました。
「売り物ですから」と言われたその日
ぬいぐるみのうさぎは、本当の居場所を
見つけたのでした。
夢ちゃんうさぎさんをぎゅーっと抱きしめて
「今日の夜から一緒に寝ようね」

おしまい
創作絵本かずみん
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