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あの日の駄菓子屋


みかんさんよろしくお願いします。

夏の終わりの夕暮れだった。

商店街の端っこに
小さな駄菓子屋があった。

色あせた赤い屋根
風が吹くたびに鳴る風鈴
ガラスケースには、キラキラひかるビー玉や
一本10円のあめ玉が並んでいた。

「いらっしゃい」

店の奥から聞こえる
しわしわで優しい声

僕は、学校の帰り道
毎日のようにそこに通っていた。

だけどー
その駄菓子屋は、
ある夏を最後に消えてしまった。

まるで最初から無かったみたいに

大人になった僕は、久しぶりに地元に帰ってきた。

昔にぎやかだった商店街は、
静かにシャッター通りになっていて
夕焼けだけが
あの頃と変わらず赤かった。

「あの駄菓子屋どこだったかな」

想い出をたどるように歩いていると

ちりんー。

見ると古い街灯の向こうに
小さな灯りがともっている。

赤い屋根
木の引き戸
ガラスケースの中の
ラムネとビー玉

「あれ‥」

胸が少しだけ苦しくなる。

引き戸に手をかけると
カラン、と鈴が鳴った。

「遅かったねぇ」

店の奥で
あの日と同じ声が笑った。

「好きなの選びな」

おばあさんは、
昔と変わらない笑顔で言った。

僕は、少し震える手で
ビー玉の入った瓶を手に取った。

ちゃりん‥と涼しい音

その瞬間ー
店の奥から
誰かの笑い声が聞こえた。

「あたり出るまで帰らへん」

懐かしい声だった。
胸がざわつく

ゆっくり振り向くと
そこには、半袖半ズボンの小さな男の子がいた。

日に焼けた肌
少しくせ毛の前髪
ラムネの瓶を持って笑っている。

‥僕だった。

小学生の頃の僕
その子はこちらにまだ気づいていない。

10円玉を握りしめながら夢中でくじ引きを引いている。

「やったー!もう一本」

無邪気な声が、夕暮れの店に響いた。

大人になった僕は、なぜだか涙が出そうになった。

あんなふうに笑っていた事
いつから忘れていたんだろう。

仕事に追われて
時間に追われて
“ちゃんとしなきゃ"ばかり考えて

空を見上げる事も
ラムネ玉を鳴らして笑う事も
いつのまにか置いてきてしまっていた。

すると
子供の僕が
ふいにこちらを見た。

まっすぐな目だった。

「ねえ」

その小さな僕は、少し首をかしげて言った。

「ちゃんと笑えてる?」

chatGPT

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