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歌う湖


みかんさんよろしくお願いします🤲

森の道を抜けると
そこは夜空を写した湖がありました。
湖は鏡のように静かなのに
どこからともなく歌声が聞こえてきます。

りるは、辺りを見渡しました。
誰もいません。
鳥も
動物も
歌っている人も

けれど確かに聞こえるのです。

🎵「探しているの?」

🎵「なくした物を?」

湖の真ん中で光が揺れました。

すると音符が星屑のように舞いあがり

水面に小さな波紋が広がりました。

その歌は耳ではなく
心に聞こえていたのです。

りるは最近何をしても楽しくありません。
好きだった事も
夢中だった事も
なんだか遠くなった気がしていました。

そんな事を思いながら
りるは湖のほとりに座りました。
りるの隣にさりげなく何事もないような
顔をして猫が
りるの隣に座りました。

猫がひとりごとのように
「歌う湖の歌が聞こえたんだって?」
「自分を探してる人にしか聞こえないらしいよ」

「そうなの?」りるが聞き返すと
「おいら何か言ってたっけ?ただのひとりごとさ」と大きなあくびをしました。

「そうなのね」りるは猫ってお話しできるのね
と口には出しませんでした。

猫は知らん顔してしっぽをゆらゆら揺らしています。

水面には、

走っているりる

笑っているりる

夢中で絵を描いているりるの姿が見えます。

「私どうしたらいい?」

湖は答えをくれません。

ただ優しく歌います。

🎵忘れたのではなく眠っているだけ

🎵急がなくていいよ

🎵君の歌を思い出して


帰り道

湖の歌は聞こえなくなっています。

でも‥今度は、
りるの心の中から
小さな歌が聞こえます。

りるは振り返りました。
歌う湖は、
月の光の中で静かに揺れています。

「ありがとう」

そうつぶやくと、
湖から最後の音符がひとつ
夜空へふわり飛んで行きました。
猫は、しっぽをふりふりしながら森に帰って行きました。

おしまい

#創作大賞2026
#オールカテゴリ部門
#創作絵本

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