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🐱🐶ゲッコーカフェ ☕️🍽️第0回🐶🐱



     最初のお客様




夜になると開くカフェがあります。


    名前はゲッコーカフェ。☕️


本業が終わったあとにだけ開く、小さなカフェです。



共同オーナーは二人。

コロッケノスケとクロちゃん先生。

もっとも。

二人ともカフェの経営は初めてでした。

開店初日。



空には半月。

丘の上には灯台。

港町の夜は、いつもより静かでした。



コロッケノスケは何度目か分からない時計を見ました。


針は動いています。


お客様は来ません。



🐱コロッケノスケ「クロちゃん先生。」



🐈‍⬛クロちゃん先生「なんでしょう。」


🐱コロッケノスケ「お客様、来ますかね。」


クロちゃん先生はコーヒーカップを並べながら答えました。


🐈‍⬛クロちゃん先生「どうでしょう。」


🐱コロッケノスケ「不安ですね。」


🐈‍⬛クロちゃん先生「そうですね。」


🐱コロッケノスケ「先生も不安なんですか。」


🐈‍⬛クロちゃん先生「もちろんです。」


🐱コロッケノスケ「何が不安ですか。」


クロちゃん先生は少し考えてから答えました。


🐈‍⬛クロちゃん先生「美味しいコーヒーを、ちゃんとお出しできるかどうか。」


コロッケノスケは黙りました。


🐈‍⬛クロちゃん先生「それだけで精一杯かもしれません。」



その言葉に、

コロッケノスケは少しだけ安心しました。



店の窓には「OPEN」のプレートが掛かっています。


でも通りを歩く人はいません。


港町の夜風だけが、時々ドアをそっと揺らしました。



一時間が過ぎました。


誰も来ません。


二時間が過ぎました。


やっぱり誰も来ません。


🐱コロッケノスケ「来ませんね。」


🐈‍⬛クロちゃん先生「来ませんね。」


しばらく沈黙が流れました。


カウンターの上では、キャンドルが小さく揺れています。


やがてクロちゃん先生が言いました。


🐈‍⬛クロちゃん先生「困りましたね。」


🐱コロッケノスケ「困りましたね。」


🐈‍⬛クロちゃん先生「本日のお客様は。」


クロちゃん先生は店内を見渡します。


四つのテーブル。
八つの椅子。
全部、空っぽです。


🐈‍⬛クロちゃん先生「ゼロ名です。」


🐱コロッケノスケ「困りましたね。」


🐈‍⬛クロちゃん先生「そうですね。」


また沈黙が流れました。


しばらくして。


クロちゃん先生は微笑みました。


🐈‍⬛クロちゃん先生「では。」


🐱コロッケノスケ「はい?」


🐈‍⬛クロちゃん先生「コロッケノスケさん。」


🐱コロッケノスケ「なんです?」


🐈‍⬛クロちゃん先生「いらっしゃいませ。」


コロッケノスケは思わず笑いました。


🐱コロッケノスケ「僕もオーナーですよ。」


🐈‍⬛クロちゃん先生「本日最初のお客様です。」



クロちゃん先生はそう言うと、

コーヒーを一杯淹れました。




豆を挽く音が、静かな店内に響きます。



お湯を細く注ぐと、

甘い香りがふわりと広がりました。



🐈‍⬛クロちゃん先生「どうぞ。」



コロッケノスケは席に座ります。



共同オーナーなのに。



今夜最初のお客様です。



しばらく二人は何も話しませんでした。



コーヒーの湯気だけが、

静かに揺れています。



窓の外では、灯台が一定のリズムで光っていました。



やがてクロちゃん先生が口を開きました。



🐈‍⬛クロちゃん先生「今夜、この席が必要だったのでしょう?」



コロッケノスケは返事をしません。



カップを両手で包みます。



温かい。



少しして。



🐱コロッケノスケ「そうかもしれません。」



コーヒーカップを見つめながら続けます。



🐱コロッケノスケ「答えが欲しかったわけじゃないんです。」



🐱コロッケノスケ「答えがないと分かっているのに、頭の中でぐるぐるしてしまうことって。」



🐈‍⬛クロちゃん先生「ありますね。」



クロちゃん先生は静かに頷きます。



🐱コロッケノスケ「ただ。」



🐈‍⬛クロちゃん先生「ただ?」



🐱コロッケノスケ「誰かに聞いてもらいながら、少し整理したかったのかもしれません。」



🐈‍⬛クロちゃん先生「聞いてもらうだけで、整理できることがある。」



🐱コロッケノスケ「そうなんです。」



🐈‍⬛クロちゃん先生「不思議ですね。」



🐱コロッケノスケ「不思議ですね。」



クロちゃん先生は小さく頷きました。



🐈‍⬛クロちゃん先生「それなら。」



🐱コロッケノスケ「はい。」



🐈‍⬛クロちゃん先生「ちょうど良い席ですね。」



店の外では灯台が光っています。



港の水面が、その光をゆっくりと揺らしていました。



店の中にはコーヒーの香り。

キャンドルの灯り。

そして、

少しだけ軽くなった空気。



ゲッコーカフェが、

どんな場所なのか。



二人は少しだけ分かった気がしました。



**ゲッコーカフェより**

ここは答えを教える場所ではありません。

悩みを整理し、

次の一歩を考える場所です。


読者が持ち帰るのは答えではありません。

小さな灯です。

月明かりだけでは遠くまでは見えません。

でも、

次の一歩くらいなら照らせるかもしれません。


ここゲッコーカフェは皆さんのお悩み、コメント、スキをいただけると励みになります、答えは出ないかもしれません、しかし話せば、ほんの少し気持ちが軽くなるかもしれません。



ゲッコーカフェは、

明日の夜も営業予定です。☕️🍰🐱🐶



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