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住宅ローン金利上昇時代に20代が家を買う前の注意点

物価は上がっている。
住宅価格も高い。
金利も上がりそう。

それでも、家は早めに買った方がいいのだろうか。

最近、こういう不安を持つ人はかなり増えていると思います。

特に20代、30代で住宅購入を考えている人は、気持ちが揺れやすいです。


家賃を払い続けるのはもったいない。
子どもが生まれる前に家を決めたい。
若いうちに住宅ローンを組めば、早く完済できそう。
でも、金利が上がるなら今買うのは危ないのではないか。

この悩みは、とても自然です。

SUUMOジャーナルでも、物価高への不安が大きい一方で、20代の住宅購入意向が高いことや、35年を超える長期返済の住宅ローンにも触れられていました。

参考記事:
物価高でも20代の住宅購入意欲は向上!日銀の利上げで金利が上昇する住宅ローンはどうしたらよい?

ただ、ここで大事なのは、
「若いうちに買うべきか」
「金利が上がる前に買うべきか」
だけで判断しないことです。

住宅購入で本当に見るべきなのは、
金利が上がっても、物価が上がっても、働き方や家族構成が変わっても、家計が大きく崩れないかです。

家は買った瞬間がゴールではありません。
住み続ける時間の方が、圧倒的に長いです。

1. 「今買わないと損」に流されると危ない

住宅購入の現場では、こういう言葉を聞くことがあります。

「今後はもっと価格が上がるかもしれません」
「金利が上がる前に買った方がいいです」
「若いうちにローンを組んだ方が楽です」
「家賃を払い続けるより、資産になります」

これらの言葉が、すべて間違いというわけではありません。

実際に、住宅価格や金利の動きは家計に大きく影響します。
若いうちに借りれば、返済期間を長く取りやすい面もあります。

ただし、問題はその言葉を聞いて、
「急いで買わないと損だ」
と焦ってしまうことです。

焦ると、人は確認を飛ばします。

本当は予算が少し重いのに、月々返済額だけを見てしまう。
本当は立地に不安があるのに、建物の新しさで納得してしまう。
本当は夫婦で不安が残っているのに、営業担当の勢いに押されてしまう。

現場目線で見ると、後悔しやすい人は「家を買った人」ではありません。
確認しないまま、買う理由だけを増やしてしまった人です。

2. 住宅ローンは「月々返済額」だけで判断しない

住宅ローンで一番分かりやすい数字は、月々の返済額です。

「月10万円なら払えそう」
「今の家賃とあまり変わらない」
「ボーナス払いを入れれば何とかなりそう」

こう考えたくなる気持ちは分かります。

でも、住宅ローンの返済額だけで判断するのは危険です。

家を買った後には、住宅ローン以外にもお金がかかります。

固定資産税。
火災保険、地震保険。
修繕費。
設備交換費。
マンションなら管理費や修繕積立金。
車が必要な立地なら、車の維持費。
子どもがいれば、教育費。
引っ越し後の家具家電や外構費。

これらは、毎月きれいに同じ金額で出ていくわけではありません。
ある時期にまとめて来ます。

だから怖いのです。

住宅ローンは払えている。
でも貯金が増えない。
車検や固定資産税の時期に苦しくなる。
子どもの教育費が増えたら余裕がなくなる。
外壁や給湯器の修繕が怖くて後回しになる。

こうなると、家を買ったこと自体より、買う前の資金計画が甘かったという話になります。

3. 金利上昇時代は「借りられる額」と「守れる額」を分ける

金利が低い時代は、月々返済額が軽く見えます。

そのため、金融機関から借りられる金額を見て、
「このくらいの家まで買えるんだ」
と思いやすくなります。

しかし、借りられる額と、守れる額は違います。

借りられる額とは、金融機関の審査上、融資できる可能性がある金額です。
守れる額とは、教育費、車、修繕費、物価上昇、収入変化があっても、家計が壊れにくい金額です。

この2つを混同すると危険です。

特に変動金利を選ぶ場合は、今の返済額だけでなく、金利が上がった場合の返済額も確認する必要があります。

ただし、ここで注意したいのは、
「変動金利は危ない」
「固定金利なら安心」
と単純に決めつけないことです。

どちらが正解かは、家庭によって違います。

収入が安定しているか。
貯蓄があるか。
支出管理ができているか。
将来の教育費を見込んでいるか。
返済額が増えた時に、生活を調整できるか。
不安に耐えられる性格か。

ここまで見て、初めて住宅ローンの選び方が見えてきます。

金利タイプを選ぶ前に、まず自分の家計が金利上昇に耐えられるかを見てください。

4. 35年超の長期ローンは「月々が安い」だけで見ない

最近は、35年を超える住宅ローンを検討する人もいます。

返済期間を長くすると、月々の返済額は下がりやすくなります。
若い世代にとっては、選択肢が広がるように見えます。

ただし、長期ローンには注意点もあります。

まず、返済期間が長いほど、完済までの時間も長くなります。
途中で家族構成、働き方、収入、健康状態が変わる可能性もあります。

次に、売却時のリスクです。

買った後に住み替えたくなった時、住宅ローン残高が物件の売却価格を上回ることがあります。
これを一般的にオーバーローンと言います。

つまり、家を売ってもローンが残る状態です。

もちろん、すべての長期ローンが悪いわけではありません。
手元資金を残すために返済期間を長めに取り、余裕が出たら繰上返済を考える人もいます。

ただ、最初から
「月々を下げるためだけ」
「借入額を増やすためだけ」
で超長期ローンを選ぶのは注意が必要です。

長期ローンを選ぶなら、少なくとも次の視点は持っておきたいです。

この家を10年後、15年後に売る可能性はあるか。
その時、ローン残高はどのくらい残っているか。
周辺エリアの需要はありそうか。
家族構成が変わっても住み続けられるか。
定年後まで返済が残る場合、どう返していくか。

ここを考えずに、月々返済額だけで決めると、あとで動きにくくなります。

5. 立地と資産価値を見ない住宅購入は危ない

家を買う時、多くの人は建物に目が行きます。

新築できれい。
キッチンが広い。
収納が多い。
リビングが明るい。
駐車場がある。
外観が好み。

もちろん大事です。

でも、金利上昇時代ほど見てほしいのは、立地と将来売却です。

なぜなら、住宅ローンの負担が重くなった時、転職や家族構成の変化で住み替えたくなった時、家を売れるかどうかが大きな差になるからです。

売る予定がない人でも、売却の視点は必要です。

駅や主要道路への距離。
買い物、病院、学校への行きやすさ。
周辺に需要があるか。
極端に不便な立地ではないか。
災害リスクの説明に納得できるか。
将来、同じような家を欲しがる人がいそうか。

資産価値という言葉を聞くと、投資の話のように感じるかもしれません。

でも、住宅購入における資産価値とは、
「万が一の時に身動きが取れるか」
という生活防衛の視点でもあります。

6. 「買うべきか」ではなく「買っても崩れないか」で考える

住宅購入の相談でよくあるのは、
「今、買うべきですか?」
という質問です。

でも、実務的にはこの聞き方だけでは判断しにくいです。

大事なのは、
買うべきかではなく、買っても大きく崩れないか
です。

家を買っても、毎月貯金できるか。
固定資産税や保険を月割りで見ても苦しくないか。
金利が上がった時の返済額を見ても耐えられるか。
片働き、時短、転職、育休などがあっても回るか。
車、教育費、修繕費を入れても生活が続くか。
売却しなければいけない時に、極端に困らないか。

この視点を持つだけで、家探しはかなり冷静になります。

営業担当の言葉も、金融機関の審査結果も、物件の魅力も、すべて大事です。
ただし、それだけで決めないことです。

最後に守るべきなのは、自分たちの生活です。

まとめ

住宅ローン金利が上がる時代に、20代や30代が家を買うこと自体が悪いわけではありません。

若いうちに買うことで、返済期間を長く取れることもあります。
家族の暮らしが安定することもあります。
賃貸では得られない安心感がある人もいます。

ただし、物価高と金利上昇が重なる時代に、勢いだけで買うのは危険です。

今日から判断材料にしてほしいのは、次の3つです。

1つ目は、住宅ローン返済額ではなく、住み始めた後の総支出を見ること。
2つ目は、金利上昇や働き方の変化があっても家計が崩れないかを見ること。
3つ目は、将来売却や住み替えの可能性まで含めて立地を考えること。

この記事では、金利上昇時代に家を買う前の基本的な考え方を整理しました。

ただ、実際に自分の家庭で判断するには、もう一段具体的な材料が必要です。

変動金利と固定金利のどちらが合うのか。
予算をどこまでにするべきか。
借入期間を何年にするべきか。
物価高の中で削っていい条件、削ってはいけない条件は何か。
自分たちが買っていい状態なのか、まだ待つべきなのか。

ここは、家族構成、年収、貯蓄、働き方、購入エリアによって変わります。

焦って買う必要はありません。
でも、不安だからといって何も考えずに止まる必要もありません。

大切なのは、感情ではなく、判断材料を持つことです。

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