第11週「風、薫る」
こんにちは!元看護師の「りつ」です。
ここでは、現在放送中の
朝ドラ「風、薫る」の感想を
同じ女性、そして看護師の立場としての
視点を交えながら書き綴りたいと思います。
第51回 立場によって変わる「助け方」のすれ違い
りんは、廃娼運動の記事を掲載していた新聞社を訪れ、
セツのことを相談する。
逆に活動に参加しないかと誘われるが…
それは、表になって
人柱になるということを意味していました。
もし連れ戻されたら、
さらにひどい仕打ちが待っている。
「逃げてもダメ、廃娼運動もダメ」
元気になっても女郎に戻っても…
りんと直美は、どうすることが
セツの助けになるのか考えます。
ある日の新聞記事で、
「夕凪」のことが記載された記事が載りました。
りんと直美は、
内科部長に呼ばれ、
新聞記事のことについて聞かれる。
個人情報を漏らしていないかと。
りんはその足で
瑞穂屋の卯三郎を訪ね確認しますが
後ろから出てきたシマケンが
「書いたのは僕だ」と名乗り出ます。
シマケンは
書くことで夕凪を助けようとしたが
りんは
書かれたことで夕凪が傷つくと思っていた
「人を助けたい」という気持ちは同じなのに
二人の考えはすれ違ってしまいます。
一方、直美は
熱が下がらない夕凪のために
「氷を使わせてほしい」と懇願しますが
断られてしまいます。
廃娼運動について
・売春婦公認(公娼)制度を廃止する法規の獲得を目ざす運動。
・「マリア・ルス号事件」:1872年(明治5年)あるペルー船が入港し、船内からひとりの清国人が脱走したことがきっかけに、日本政府を巻き込む国際問題が起こった。
「日本でも娼妓の身売りがあり、人身売買に近いことが行われている。日本国内でそれを認めているのに、外国の奴隷売買だけを禁じるのは不当ではないか」
この批判を受けた明治政府は、1872年10月に「芸娼妓解放令」を発令し、娼妓や芸妓を人身売買的な拘束から解放する方針を示した。
廃娼運動の言葉を初めて知りました。
当時は、女性が働く場所は少なく
食べていくために
生きていくために
行く場所がないために
好きでもない仕事を選ばざるを得ない時代。
逃げることも許されず
セツの苦しみは計り知れません。
りんと直美は
同じ女性として助けたいと考える姿勢は
人として素晴らしいかもしれませんが
それは人としての情であり、
医療・看護の領域とは少し違うのかもしれません。
そんな中、2人は内科部長に呼ばれ
記事の事を聞かれますが、
個人情報という言葉がありましたが
当時は、病院の評判を気にして注意をしたと考えます。
記事を書いたのがシマケンだと知り
りんはひどく怒っていました。
「人を助けたい」という気持ちは同じはずなのに、
やり方を間違えると誰かを傷つけてしまう。
その厳しさをりんは痛感したのだと思います。
ですがシマケン自身は、
本当は困っているりんをなんとか助けたい
一心で動いたのではないでしょうか。
第52回 患者を回復させることが、時に切なくなる看護の壁
新聞記事を読んで、いろんな人から
夕凪にお見舞いの品が届くようになる。
再び、
権田(遊郭の亭主)が、セツを連れ戻そうとするが
同僚の手助けにより
危機は脱する。
また、一度は「氷」を使わせることを
断られた直美だが
新聞記事を読んで感銘した医師が
「氷」を使わせてくれるようになる。
直美「これで(氷で)熱が下がって、
セツさんが退院したら…
私のしていることって、
助けることにならないんじゃ」
りん「それでも、私たちにできることは
セツさんを回復させることじゃないのかな。」
徐々に回復してきたセツは
外に歩くこともできるようになる。
直美は、自分の母親も女郎で
「夕凪」という名であったことを話す。
セツに、母親に会いたいかと聞かれるが
直美は「どんな親でも産んでくれたことを
ありがたいと思えなんてきれい事」と
会いたいことを否定する。
しかし
セツは「でもね大家さん、大抵の女郎は子どもなんで
産まないし産めないもんだよ。」
と言われ動揺します。
新聞記事の反響は
想像以上のものだったのではないでしょうか。
シマケンさんの記事は
読んだ人の心を動かしたということが
証明されました。
当時はとても貴重だった「氷」を
使わせてもらえるほど
医師の心をも動かしたのです!
しかし、セツが回復したら、
遊郭に戻らなければならない。
自分の行動が本当の意味で
助けになっているのか
苦悩する直美に対し
りんは
「看護師として身体を回復させることが
今の正しい助け」だと優しく寄り添います。
また、直美の母親に対する
複雑な感情も印象的でした。
性や弱い立場の人間は蔑視され、踏みつけられる。
同じ構造が繰り返される社会の理不尽な「掟」に抗えない。
そう分かっていても、自分の親を恨んでいるよう感じさせる。
セツも女郎の身分で、直美の言いたいことがわかるが
それでも直美に
「でもね、大家さん……。」と伝えたセツさんは
直美の心の奥にある気持ちを
察したのではないでしょうか。
身体を売る遊女にとって、妊娠は死活問題であり、
彼女たちは子どもを持つことを許されなかった。
そんな中でも
直美の母親は、子どもを産んだ。
セツの言葉は、
直美の頑なな心を突き動かしたはずです。
第53回 文字の力と誠実さ|言葉が持つ罪と救い
この日夕凪こと夕顔のより詳しい新聞記事がでた。
記事の内容は多くの人の気持ちを動かすことになる。
しかし
記事を書いたシマケンは
浮かない様子。
小説はボツにされるのに
女郎の話はどんどん書けと言われる。
友人の槇村に
「物書きなら、自分で書いたものは
自分で引き受けるしかない!
書かれた本人も無傷ではすまない。」と
喝を入れられる。
シマケンはりんが働く病院を訪れ
自分のしたことを話し、
夕凪に会わせて欲しいとお願いをする。
シマケン「一度世に出した文字は
消せないから、更に書くことで
少しでも良い影響と思い再び記事を書きました。」
りん「シマケンさんの言うとおり、
文字の力はありました。」
りんは、シマケンのした行動を許した。
そして
シマケンは、夕凪に会い謝罪をする。
「会いもしないで、書きつらねたこと
誠実ではなかった。
あなたに対しても、物を書くことに対しても。」
「いいよ。どうでもいい。」
「謝っても私は何も変わらない。」
「…ひどい世界は続いていく。
でも、記事の中だけでも好いた男と出会えたのなら
私は救われる。」
セツは、シマケンを許した。
その後
セツは歩けるほど回復する。
直美に退院させてほしいと話す。
セツ「もう一生分大事にしてもらった。」
直美「大事にしたわけじゃありません。
これが看護です。仕事なんです。
誰でもみんなが当たり前に受けられる
看護じゃなきゃおかしいです。」
2回目の掲載記事は
シマケン自身が
想像する以上の反響に
戸惑いが隠せなかったのではないでしょうか。
だから、友人の槇村に叱られ
意を決してセツに会いに行ったのでしょう。
これは
今の世の中も同じではないでしょうか。
インターネットの普及で
人の目に触れることが多くなった。
一度、世に出て人の目に触れられたモノは
取り消すことはできない。
セツは
どんなことを書かれても
自分に置かれている状況はなにも変わらない。
けど、記事の中の自分は
一緒に死のうと思える人に出会えて
自分の心も救われたと
シマケンを許してくれました。
元気になったセツは
初めて人に大事にされたのでしょうね。
しかし、直美は
「これが看護です」ときっぱり
仕事だと言い切りました。
現在の看護にも言い切れる言葉でした。
誰もが公平に受けられる看護。
まさに
ナイチンゲール精神です。
第54回 世論を動かした文字の力と、解放への第一歩
直美とセツが病室に戻ると
包帯だらけの遊郭の主人(権田)が待っていました。
権田「頼むから、もう戻ってこないでくれ。」
2回目の新聞記事の反響が大きく
夕凪を助けようと遊郭に人が押し寄せていた。
権田は、闇討ちにあいケガをします。
記事の掲載をやめることで
夕凪をやめさせる条件を出してきたのです。
今回の女郎を助けたことで
直美は自分の看護の強みをみつけます。
「私の助けたいは、負けているかた、弱い方
不平等な方なんだ。~
正直いうとどんな人にでも
優しくなんて私にはできない。」と
りんの顔を見ながら話す。
「帝都医科大学付属病院 看護科設立計画書」を
手にする院長が写されます。
一方
りんたち家族は
シマケンを自宅に招待しますが、その後ろに槇村がいます。
ついに世論が動き
セツが遊郭をやめられるまで
動きました!!
シマケンの行動がついに実り
文字の力を感じました。
直美はずっと看護師に向いているのか
悩んでいる状況でした。
しかし、女郎のセツに会い
自分の看護観を見つけ
とても晴々した顔にみえます。
りんのように
誰でも優しくとはいかないと言っていますが
素敵な看護観だと私は思います。
今後の直美さんの
看護師としての姿が楽しみです。
第55回 すれ違いを乗り越えた先と、迫り来る養成所閉鎖
シマケンは、りんが
目の前で苦しんでいる人を
助けたいという気持ちで動いて
どんどん成長していることをほめる。
しかし、りんは
ただ目の前で苦しんでいる人を助けているだけ
シマケンのように、もっと大きな意味で
セツを助けようとしたことにお礼を言う。
「助けたい」という
形は違うけど、同じ気持ちであることを理解した二人は和解する。
ある日
バーンズは院長に用があり訪ねる。
そこで看護科設立計画書を目にし
院長に質問する。
院長からは
来年度からの梅岡看護婦養成所の実習生の
受け入れはしないことを伝えられる。
そして
梅岡養成所の校長から生徒たちに
閉所することが伝えられる。
シマケンは
りんが看護婦として成長している姿に
惹かれていってますね。
記事を書いて女郎を助けることができたが
本当はりんの代わりに
助けることができる人でいたかっただと思いました。
二人の発展には
まだまだ時間が
かかりそうですね。
帝都病院に看護科設立計画書を
目にしたバーンズ先生は
驚きを隠せなかったでしょう。
来年からの養成所からの受け入れもしない。
養成所は閉鎖に追い込まれます。
バーンズ先生は、
自分が看護婦を育てる場所を奪われますが
激情的にならずに、受け入れる姿は凛々しいです。
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