#65. : リハビリのモヤモヤを解きほぐす ― 心のレンズ「原因帰属」から考える【脳出血片麻痺】【脳卒中】
1. 前に進んでいるのに、心が晴れないとき
リハビリを続けていると、昨日より歩ける距離が伸びたり、指先が少し動くようになったり、確かに前進している瞬間があります。
それでも心の奥に「でもまだ全然だめだ」「自分は遅れている」と感じるモヤモヤが残ることがあります。
私はかつて、うつ病を経験したことがあり、そのとき心理学を学ぶことで自分の気持ちを少しずつ整理してきました。
その経験をもとに、今回はリハビリ中に感じるモヤモヤの正体を、心理学でいう 原因帰属 の視点からやさしく整理してみたいと思います。
原因帰属とは、出来事の原因をどこに求めるかという心のクセのことです。
理解することで、気持ちの整理や前向きな行動につなげやすくなるヒントになります。
2. 内側に向ける視線と外側に向ける視線
原因帰属は下表の通り大きく二つあります。

同じ出来事でも、どこに原因を置くかで心の受け止め方が変わることがわかります。
「自分のせいだ」と落ち込むのか、「状況のせい」と少し肩の力を抜くのかで、次の行動への気持ちも変わってくるのです。
3. モヤモヤが生まれるのは「帰属の揺れ」から
リハビリ中のモヤモヤの多くは、内的帰属と外的帰属の間で心が揺れることから生まれることが多いと思います。
📍「これは努力不足(内的帰属)なのか、
それとも体の回復スピード(外的帰属)
のせいなのか」
📍「自分が悪い(内的帰属)のか、
環境(外的帰属)のせいなのか」
こうした揺れが大きいほど、自分を責めたり、
逆に投げやりになったりして心が不安定になります。
モヤモヤは、原因をどこに置けばよいか迷っている心のサインでもあると思います。
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4. 心を軽くする“柔らかい帰属”
モヤモヤを和らげるには、原因を一つに決めつけず、柔らかく捉えることが大切です。
📍「今日は体調が優れなかったから、
手がうまく動かなかった」
➡️ でも練習を続ければ少しずつ改善するはず」
内的・外的の両方の視点を使い分けることで、心のバランスを保ちながら前に進むことができます。
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5. ノートに書いて整理するという方法
モヤモヤを頭の中だけで抱えていると、
帰属の揺れがますます強くなりやすいものです。
そんなときは ノートに書き出す ことが効果的です。
📍「今日はできなかった理由 ➡️体調と環境」
📍「できたこと ➡️少し長く歩けた」
と分けて書くだけで、原因の整理が進み、心の中の混乱も落ち着いてきます。
書き出すこと自体が「心のリハビリ」になるのです。
6. リハビリは心のリハビリでもある
リハビリは身体を回復させるだけでなく、心のレンズを調整する練習でもあると思ってます。
それは、「できなかった自分」を責めるだけでなく、「状況もあったけれど、少しずつ変えられる」と受け止めること。
その小さな視点の切り替えが、モヤモヤを希望に変えていくのです。
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終わりに
リハビリ中のモヤモヤは弱さの証ではありません。
原因帰属のレンズをどう使うかで、気持ちの軽さや行動が変わります。
長いリハビリ生活を考えると、
内的と外的の視点を柔軟に行き来させ、優しいレンズで世界を見ること
それが、体の回復を支える 心のリハビリ なのだと思います。
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