公認会計士の魅力
「公認会計士って難しそう」「監査法人って激務なんでしょ?」——そんなイメージを持たれることが多い資格ですが、大手監査法人で7年間、上場企業監査(主に化学メーカー)に携わり、その後FASを経て事業会社で経理・財務に従事してきた立場から、公認会計士という資格の魅力を伝えたいと思います。
1. キャリアの多様性
公認会計士の最大の強みは、キャリアの選択肢の広さです。すべては書ききれませんが、ぱっと思いつくだけで以下の例が挙がります。
①監査法人でパートナーを目指す。
②FAS(Financial Advisory Services)でM&Aやデューデリジェンスに携わる。
③事業会社のCFO、経理部長として活躍する。
④事業会社の経理でゆるっと働く。
⑤コンサルティングファームで戦略・財務の専門性を発揮する。
⑥独立して税理士業務や顧問業を行う。
⑦社外監査役に就任する。
一つの資格でこれだけ多様なキャリアパスが開けるのは、他の資格にはあまりない強みです。実際に自分自身も、監査法人→FAS→事業会社と、資格を軸にしながら異なるフィールドで経験を積んできました。もちろん、自分で考えて準備して動かなければなかなか道は開けませんがその可能性は無限大だと思います。
2. 高水準かつ安定した収入
平均年収で800万円台、監査法人の初任給で500万後半〜と一般的な水準と比較すると高水準で安定的な収入が見込めます。また、キャリア次第では億の大台も夢ではない収入が得られます。
それらの背景として、会計士は会計・監査の専門家として監査業務という独占業務を行うため、競合との争いによる単価の引き下げが起きにくく、高報酬になりやすいです。
また、転職市場においてもその専門性や経験は評価されやすく、キャリアの選択肢が広い分、収入面でも上振れを狙いやすい側面があります。加えて、景気に左右されにくい「監査」という社会的インフラの一部を担う仕事でもあるため、安定性という観点でも魅力があります。
3. 多くの業種のビジネスモデルに触れる
監査法人時代の大きな財産は、短期間で多くの企業を、しかも「内部」から見られることです。1つの会社に長く勤めているだけでは得られない、業種ごとのビジネスモデルの違いや、経営管理の巧拙を比較する視点が養われます。
また、その企業の一般社員がアクセスできない非公開情報やトップ層の会議議事録を閲覧できることも他ではできない経験です。日本トップクラスの企業の経営陣が何を考え、どのように手を打つか、またそれに至るまでの検討過程を理解することは自分の財産になります。
4. 「会計」という世界共通言語が身につく
会計は、業種や国境を越えて通用する「ビジネスの共通言語」です。日本基準とIFRS(国際財務報告基準)、米国会計基準等に差異はあれど、基本的な考え方やベースは同じであり、その差異を把握・理解すれば、共通言語として各国の会計士、経理、ビジネスマンと対話が可能になります。
これは、グローバル企業や海外展開を目指す企業で働く上で、大きなアドバンテージになります。数字を通じて会社の実態を読み解く力は、経理・財務職に限らず、経営企画やIR、事業会社の意思決定の場でも武器になります。
5. 変化に対応できる力がつく
会計基準は毎年のように改正され、IFRSと日本基準の違いを踏まえた対応も求められます。さらに近年は、AI・DXツールの発展によって、監査業務や経理業務のあり方そのものが大きく変わりつつあります。
公認会計士は「変化に適応し続けること」が前提の仕事です。だからこそ、新しいツールや技術へのキャッチアップに前向きな人ほど、今後さらに市場価値を高めていけると感じています。実際、生成AIを使った監査調書作成の効率化や、財務分析の自動化に早くから取り組んできたことで、業務の幅も広がりました。
おわりに
公認会計士は、取得までの道のりは決して楽ではありませんが、その後に開けるキャリアの幅、身につく専門性、そして時代の変化に対応しながら成長し続けられる環境は、他の資格にはない大きな魅力だと感じています。
これから公認会計士を目指す方、キャリアに悩んでいる会計士の方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
