CUDAプログラミング 自己紹介とあれこれ

はじめまして.
「CUDA_大好き」と申します.実体は,ある地方国立大学で教鞭をとる機械+情報工学系の教員です.長く研究でCUDAを利用したソフトウェアを開発してきました.CUDAというのは,GPUメーカのNVIDIAが開発したプログラミングツールで,これを用いることでGPUを汎用的な並列処理プロセッサとして利用できます.
このnoteでは,CUDAを利用するためのプログラミング手法を,色々と紹介していこうと思っています.GPUを使うことで,複雑な計算を,通常のCPUを使った計算と比較して,時に100倍以上高速に処理できます.しかも必要なソフトウェアツールは全て無償で提供されているので,手元にNVIDIA社のGPUを搭載したPCさえあれば,追加予算ゼロでGPUの高速計算を楽しむことができます.
今GPUの主要な用途は,AIの学習(深層学習,Deep learning)となっています.しかしこのnoteでは,AI「以外」での利用,つまり通常の数値計算での利用に主眼を置いて説明したいと思います.GPUはGraphics Processing Unitの略ですが,この名前が示すように,もともとはグラフィックス処理の高速化を目的に開発されました.そこで今回は,数値計算の結果をグラフィックスで可視化することについても,説明したいと思います.
このnoteですが,初級編,中級編,上級編に分けてアップしていこうと思います.初級編では,まずCUDAを利用するための環境設定について説明し,さらに行列計算といった,CUDAの一番初歩的な使い方について説明します.その過程で,BlockやGridといったCUDAの基本概念についても,できるだけ丁寧に説明する予定です.
次の中級編では,ルンゲクッタ法を使った数値積分を利用した2次元粒子法や,差分法による拡散現象の解析等を紹介します.また計算結果の可視化で必要となる,OpenGLと呼ばれるグラフィックスライブラリの利用法も説明します.さらに共有メモリの利用法についても説明する予定です.
ここまで勉強すれば,CUDAを利用したかなりレベルの高いプログラムを自分で作れるはずです.このnoteでは中級編までは無償公開することを考えています.したがってこのnoteを,例えば大学の研究室ゼミで利用したり,もしかしたら講義で使うことも全くの自由です.
最後に上級編ですが,ここからは少しマニアックな用途でのCUDAの利用法を説明する予定です.いま考えているのは,3次元粒子法を使った流体解析,そのマーチングキューブ法を使った可視化,立体モデルのボクセル化と,ボクセルモデルを利用した立体モデルの距離場の計算,そして計算結果のボリュームレンダリング,さらには立体間の高速な衝突検出と,それを使った多数の立体の力学解析等です.
上級編については,有償でのnoteの公開を予定しています.ただ初級編,中級編,上級編を通して,ソースコードは研究等で自由に利用していただいてけっこうです.
想定している読者ですが,CかC++のプログラミングに関する知識を前提としています.私自身はCプログラマですので,ソースコードは全てCで書かれています.年がばれますが,大学ではFortranを学び,(今や知っている人はいないでしょうが)Pascalで構造化プログラミング(もはや死語?)も学習しました.Cは(あの)カーニハン・リッチー本で独学しました.
そんなわけで,PythonとかTorchといった今時の世界とは無縁の話になります.そういう説明を期待している方にはごめんなさい.
仕事の合間に書き進めますので,更新には時間がかかるかもしれません.一応目標としては,今年度(つまり2027年3月末までに)中級編までは完成させたいと思っています.気長にお付き合いください.
このnoteを通して,いくらかでも皆さんのプログラミングの喜びに貢献できればと思っています.
