麻布中2026年度理科を木ノ下FIVEで解く|実験結果と未知のルールをどう読むか
麻布中2026年度の理科では、ヒナの後追い行動、融雪剤、地球史、ジャイロ効果が扱われました。
題材だけを見ると、4つの大問はまったく別の問題に見えます。
しかし、解くときに必要な姿勢は共通しています。
知っている言葉だけで答えを決めず、問題文・実験結果・図に示された条件から、その場で筋道を組み立てること。
今回は、問題PDFと全問解説動画を照合した解析をもとに、麻布中2026年度理科で確認したい「最初の一手」を整理します。
2026年度理科の全体像
大問1 生物:ヒナの行動とロボット実験
大問2 化学:融雪剤と凝固点降下・熱量計算
大問3 地学:地球史・気候変動・宮古島の地史
大問4 物理:ジャイロ効果とベクトルの合成
全体を通して目立つのは、複数の情報を比較し、「どこまでなら根拠として言えるか」を見極める問題です。
1.実験結果から言えることだけを選ぶ
大問1では、ヒナの後追い行動と、ロボットや鳴き声を使った実験が扱われました。
ここで重要なのは、生物知識の量だけではありません。選択肢を見るときに、「自分ならそう思う」ではなく、この実験結果から本当にそこまで言えるのかと立ち止まる必要があります。
グラフに示されていないことを、もっともらしい知識で補ってはいけません。比較した条件、変化した数値、変えていない条件を整理し、根拠のある選択肢だけを残します。
2.比較の基準をそろえる
大問2では、氷と水の熱量計算、食塩・塩化カルシウム・尿素を融雪剤として使った場合の違いが問われました。
同じ物質比較でも、「1gあたりの効果」と「限界まで溶かしたときの効果」は別です。表を見る前に、何を一定にして比べているのかを確認します。
熱量計算でも、式を思い出す前に、氷を溶かすための熱がどこから来るのかを整理します。どこからどこへ熱が移動したのかが分かれば、使う式も決まります。
3.時間を軸に、複数分野をつなぐ
大問3は、46億年という地球史の換算から始まり、気候変動、葉の化石、河川の侵食と堆積、宮古島の地史、ハブの進化へ展開しました。
情報量が多い問題では、まず時間の前後関係を軸にします。
気候が変化する。海面や河川の状態が変わる。陸地のつながり方が変わる。その変化が、生物の移動や進化に関する仮説へつながる。
地学、生物、環境の知識を別々に思い出すのではなく、一つの時間の流れへ置くことが大切です。
4.知らないジャイロ効果を、その場のルールで解く
大問4では、自転車の車輪を題材に、回転とベクトルの合成が扱われました。
「ジャイロ効果を習っていないから無理」と感じるかもしれません。しかし、入試で求められているのは高校物理の先取りではなく、問題文が与えた矢印の定義と合成ルールを使うことです。
平進運動の矢印を合成する。右手を使った回転方向の表し方を認識する。そのルールを車輪、ハンドル、体の傾きへ順番に適用する。
初見の仕組みでも、定義を読み飛ばさず、図に戻りながら一段ずつ処理すれば進められます。
麻布中2026年度理科に現れた木ノ下FIVE
私は、初見問題を解くまでの思考を「木ノ下FIVE」と整理しています。
見る
認識する
つなげる
整理する
解く
今回の問題でいえば、実験条件と数値を見る。比較の基準を認識する。時間・気候・地形・生物をつなげる。未知の矢印のルールを図に整理する。その後で、選択・計算・記述へ進みます。
「解く」が最後にあるのは、計算や選択の前に、やるべきことがあるからです。
過去問の解き直しで確認したいこと
実験結果から言えることと、推測を区別できたか
表の比較基準をそろえたか
複数の情報を時間の流れへ整理したか
未知の用語に止まらず、問題文の定義を使えたか
最初にどこを見るべきだったかを説明できるか
答えを覚えるだけでは、次の初見問題にはつながりません。自分が木ノ下FIVEのどこで止まったのかまで言葉にすると、解き直しの質が上がります。
木ノ下翔からのアドバイス
麻布中の理科では、「知っているか」よりも、「与えられた情報をどこまで正確に扱えるか」が問われます。
知らない題材が出たときほど、焦って自分の知識を持ち込まず、問題文に戻ってください。定義、比較条件、時間の前後関係を一つずつ確かめれば、問題は少しずつ既知の形へ変わります。
過去問演習では、正解・不正解だけでなく、自分が勝手に補った情報や、読み飛ばした定義も記録してください。それが、麻布中の初見問題へ対応する力になります。
詳しい全問分析は、ホームページの記事にまとめました。
