海城中2026理科で見えた「知識を使える形に変える」4つの瞬間
理科では、知識を覚えているのに問題になると使えない、ということがよくあります。
海城中学校2026年度第1回入試の理科は、その差がはっきり表れる問題でした。必要なのは知識の量だけではありません。複雑なものを図に置き換え、原因と結果をつなぎ、正しい言葉で整理する力です。
1.複雑な回路は、つながり方だけを残す
電熱線の問題では、見た目の複雑さに引っ張られないことが大切です。回路のつながり方を確認し、単純な図に描き直せば、直列と並列の関係が見えてきます。
発熱量では、電圧を2倍にすると電流も2倍になります。したがって電圧×電流は4倍です。「電圧だけが2倍」としてしまう誤りを防ぐには、式に入れる前に、変化する量をすべて言葉にする必要があります。
2.キップの装置は、逆向きに考える
キップの装置は形を覚えるだけでは不十分です。「もし固体が下に落ちてしまったら、反応を止められるだろうか」と逆向きに考えると、穴や固体の位置の意味がわかります。
圧力が上がる。液面が下がる。固体と液体の接触が切れる。反応が止まる。この因果関係を順番に説明できれば、初めて見る装置にも対応できます。
3.ベルクマンの法則は、立方体にする
動物の体の大きさと熱の逃げやすさを考える問題では、生物の姿をそのまま眺めるより、立方体に置き換える方が本質が見えます。
体が大きくなるほど、体積に対する表面積の割合は小さくなります。つまり熱を逃がしにくくなります。具体的な生物を、表面積と体積というモデルへ変換することが、知識を使うための橋渡しになります。
4.「進化」と「変態」を区別する
日常会話では、姿が変わることを「進化」と呼ぶことがあります。しかし、生物学では個体が成長して姿を変えるのは変態です。世代を重ねた集団の変化が進化です。
知っている言葉ほど、雰囲気で使ってしまいがちです。海城中の問題は、日常語を科学の言葉へ置き換えられるかを問い、その先で椿とゾウムシの共進化まで考えさせました。
木ノ下FIVEで振り返る
この4つに共通するのは、答えを出す前の思考です。
見る:何が示されているかを確かめる
認識する:回路、圧力、表面積、科学用語として捉える
つなげる:既習知識や似たモデルへ結びつける
整理する:図や因果関係に置き換える
解く:必要な処理を行う
過去問の答え合わせでは、正解か不正解かだけでなく、どの段階で止まったのかを確認してください。それが、次の初見問題に使える復習になります。
海城中2026年度第1回理科の大問別分析と具体的な学習ポイントは、ホームページ版にまとめています。
https://学問のすすめ.jp/science-lab/rika-school-strategy/kaijo-science-2026/
