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灘中2026年度理科を木ノ下FIVEで解く|解説動画から見えた5つの思考

灘中の理科は、「見たことのない問題」が出る学校だと思われがちです。

たしかに、2026年度も、電気回路、個体数推定と食物連鎖、天体の自転と公転、気体と水溶液、金属と塩酸、力学と摩擦まで、6つの大問で幅広い題材が扱われていました。

しかし、問題の見た目が新しくても、解くための思考まで特別なわけではありません。

今回、38分51秒の全問解説動画と問題PDFを照合しながら、自分がどのような順序で考えているのかを確認しました。そこに繰り返し現れていたのが、私が「木ノ下FIVE」と呼んでいる5つの思考です。

見る。
認識する。
つなげる。
整理する。
解く。

この5段階を、2026年度の問題を通して振り返ります。

■大問1 複雑な電気回路は「見る」ことから始まる

豆電球、発光ダイオード、コンデンサーを含む回路は、頭の中だけで処理すると混乱しやすくなります。

最初にすることは、式を立てることではありません。回路のつながり、部品の向き、ショートしている部分を見ます。そのうえで、電流が通る可能性のある経路を図に色分けして整理します。

「見る」と「整理する」を飛ばして、いきなり答えを出そうとすると、基本的な見落としが起こります。

■大問2 グラフは点ではなく関係を見る

個体数推定と食物連鎖の問題では、グラフの軸、目盛り、点の並び方を確認します。

値を一つずつ読むだけではなく、点の並びから直線関係を認識し、その意味を生物の知識とつなげます。

グラフの問題で止まったときは、「計算ができない」と決めつける前に、何と何の関係を表しているのかを認識できているか確認する必要があります。

■大問3 天体は少しずつ図にする

円形レール上を動くカメラと、カメラ自体の回転から、自転と公転による見え方を考える問題です。

天体の位置関係を頭の中だけで動かすのは危険です。上から見た簡単な図を描き、移動後の向きや視界のずれを少しずつ書き足します。

完成されたきれいな図を描く必要はありません。図は説明のためではなく、考えるために使います。

■大問5 選択肢との矛盾は、戻るための手がかり

金属と塩酸の反応では、計算結果に当てはまるグラフが選択肢にない場面がありました。

このとき、「選択肢がおかしい」と考えるのではなく、自分が置いた前提を見直します。

木ノ下FIVEは一方向に進むだけの手順ではありません。「解く」で矛盾が出たら、「整理する」や「認識する」へ戻ります。自分の考えを修正できることも、初見問題を解くための重要な力です。

なお、今回確認した動画は26分付近で解説の接続に飛躍がありました。問2後半から問5(2)までの解説過程は確認できなかったため、推測で補っていません。

■大問6 似ている知識をつなげる

力学と摩擦の問題では、斜面上を進む距離と上昇した高さを区別します。

表の数値から摩擦で失われる高さとの関係を見つけ、斜面の3:4:5の比とつなげます。

一見すると新しい設定でも、使うのは既習の比例関係、比、エネルギーの考え方です。「以前に学んだ何と似ているか」を探すことで、初見問題は処理できる形に変わります。

■正解だけでなく、止まった段階を確認する

過去問の解き直しで、正しい答えを書き写すだけでは、次の問題につながりません。

見る段階で止まったのか。
図や表の意味を認識できなかったのか。
既習知識とつなげられなかったのか。
条件を整理できなかったのか。
最後の計算や選択で間違えたのか。

このように失点の場所を分けると、何を復習すべきかが具体的になります。

初見問題は、ひらめきだけで解くものではありません。

見る。
認識する。
つなげる。
整理する。
解く。

灘中2026年度理科の全6大問について、タイムコードと各大問で働く木ノ下FIVEを、ホームページの記事に整理しました。

▼灘中2026年度理科の問題分析
https://学問のすすめ.jp/science-lab/rika-school-strategy/nada-science-2026/

木ノ下翔
中学受験理科専門講師

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