ソニーグループを企業研究|PS5、音楽ストリーミング、画像センサーから見る長期成長の可能性
はじめに
前回は、三菱重工業を投資初心者の目線で企業研究を行いました。
今回はTSMCとの業務提携を発表し、何かと話題なソニーグループについて企業研究を行います。
ソニーグループの中で特に気になっているゲーム事業、音楽事業、半導体センサー事業の3つに絞って、企業研究をしていきます。
僕自身、ゲームが趣味でPS5も所有しています。
そのため、ソニーには単なる投資対象としてだけではなく、ユーザーとして長期的に応援したい気持ちがあります。
一方で、投資として見るなら「好きだから買う」だけでは少し危ないとも思っています。
そこで今回は、ソニーグループの決算資料や最近のニュースをもとに、どの事業が成長しているのか、今後どこに期待できそうなのかを整理してみます。
今回注目するのは、以下の3つです。

1. ソニーは「ゲーム会社」だけではない
ソニーと聞くと、僕はまずPlayStationを思い浮かべます。
実際にPS5を持っていることもあり、ソニーに対してはかなり身近な企業という印象があります。
ただ、決算資料を見てみると、ソニーは単なるゲーム会社ではありません。
ゲーム、音楽、映画、家電、画像センサーなど、かなり幅広い事業を持っています。
その中でも今回注目したいのが、ゲーム&ネットワークサービス、音楽、イメージング&センシングの3つです。
この3つは、直近5年で売上高や営業利益が伸びており、ソニーの成長を考えるうえでかなり重要な事業だと感じました。実際、ソニーのCorporate Report 2025でも、過去10年の売上成長は主にG&NS、Music、I&SSがけん引してきたと説明されています。
ここからは、それぞれの事業について、5年推移と最近のニュースを見ながら整理していきます。
2. ゲーム事業:PS5ユーザーとして、GTA6に期待したい
まず注目したいのが、ゲーム&ネットワークサービス事業です。
この事業には、PlayStationのハード販売、ゲームソフト、ネットワークサービスなどが含まれます。
僕自身、PS5を所有していてゲームが趣味なので、この事業はかなり身近に感じています。
ソニーに投資した理由の一つにも、長期的にPlayStation事業を応援したい気持ちがあります。
ここで注目しているニュースが、『Grand Theft Auto VI』、いわゆるGTA6の発売予定です。
Rockstar Games公式サイトでは、GTA6は2026年11月19日に発売予定で、対応プラットフォームとしてPlayStation 5とXbox Series X|Sが記載されています。
もちろん、GTA6はソニーの自社タイトルではありません。
そのため、GTA6が売れたからといって、その売上がそのままソニーに入るわけではありません。
ただ、GTAシリーズは世界的に知名度の高い大ヒットタイトルです。
PS5で遊びたい人が増えれば、PS5本体の需要やPlayStation Storeでの購入、ネットワークサービスの利用増加につながる可能性があります。
ソニーのFY2025決算資料でも、G&NS分野ではネットワークサービス売上の増加や、ノンファーストパーティタイトルの販売増加がプラス要因として挙げられています。
つまり、ソニーのゲーム事業は「本体を売って終わり」ではなく、その後のソフト購入やネットワーク利用も重要になっていると考えられます。

5年推移を見ると、G&NS事業の売上高はFY2021の2兆7,398億円からFY2025の4兆6,857億円まで大きく拡大しています。営業利益はFY2022〜FY2023に一度落ち込みましたが、FY2025には4,633億円まで回復しています。
僕がここで感じたのは、ゲーム事業は売上規模がかなり大きい一方で、利益率は音楽事業ほど高くはないということです。
ハード販売や開発費の影響を受けやすいため、売上が伸びても必ずしも利益率が安定するとは限らないのだと思いました。
ただ、PS5の普及が進み、GTA6のような大型タイトルをきっかけにネットワークサービスの利用が増えれば、今後の利益率改善にも期待できるのではないかと考えています。
3. 音楽事業:ストリーミングと楽曲版権が強い
次に注目したいのが、音楽事業です。
正直、最初はソニーといえばゲームや家電のイメージが強く、音楽事業をそこまで重視していませんでした。
しかし決算を見てみると、音楽事業はかなり利益率が高く、安定した成長をしている事業だと感じました。
特に重要なのが、音楽ストリーミングと音楽出版です。
ソニーのFY2025決算資料では、音楽分野の増収要因として、Recorded MusicとMusic Publishingにおけるストリーミング収入の増加が挙げられています。
さらに最近のニュースとして、Sony Music PublishingがRecognition Music Groupの保有する45,000曲以上のカタログ作品を取得することが発表されています。このカタログには、Lady Gagaさんの「Bad Romance」、Beyoncéさんの「Single Ladies」、Mariah Careyさんの「All I Want For Christmas Is You」など、多くの有名楽曲が含まれています。
ここで大事なのは、楽曲版権は一度取得すると、ストリーミングや広告、映画、テレビ、SNSなどを通じて長期間収益を生み出す可能性があるという点です。
音楽は多くの人にとって日常の一部であり、今後も急になくなるものではないと思います。
そのため、ソニーが有名楽曲の権利を積み上げていくことは、売上高や営業利益を継続的に押し上げる材料になり得ると考えました。

5年推移を見ると、音楽事業はかなりきれいに成長しています。
売上高はFY2021の1兆1,169億円からFY2025の2兆1,201億円へ、営業利益は2,109億円から4,470億円へ増加しています。
さらに営業利益率も18〜21%台で推移しており、今回見た3事業の中ではかなり高い水準です。
僕はこの数字を見て、音楽事業はソニーの中でもかなり「安定感のある稼ぎ頭」だと感じました。
ゲームのように大型タイトルの発売時期に左右される面がある事業とは違い、音楽はストリーミングや楽曲権利によって継続的な収益が期待できます。
ソニーを長期で見るなら、ゲームだけではなく、この音楽事業の強さはしっかり見ておきたいと思いました。
4. 半導体センサー事業:TSMC提携で広がる可能性
3つ目に注目したいのが、イメージング&センシング・ソリューション、いわゆるI&SS事業です。
この事業の中心は、スマートフォンのカメラなどに使われるCMOSイメージセンサーです。
CMOSイメージセンサーは、簡単に言うと、カメラに入ってきた光を電気信号に変換する半導体部品です。
スマホで写真や動画を撮るとき、その画質を支える重要な部品の一つが画像センサーです。
僕も最初は、ソニーを「ゲームや音楽の会社」として見ていましたが、調べていくと画像センサー事業もかなり重要だと感じました。
特に注目したいニュースが、ソニーセミコンダクタソリューションズとTSMCの次世代イメージセンサーに関する戦略的提携です。
2026年5月8日、ソニーセミコンダクタソリューションズとTSMCは、次世代イメージセンサーの開発・製造に関する戦略的提携に向けて基本合意したと発表しました。提携では、ソニーが過半数を保有する合弁会社を設立し、熊本県合志市のソニー新工場内に開発・生産ラインを構築する方針です。
この提携で面白いのは、単なるスマホ向けカメラ部品だけではなく、今後は自動車やロボットなど、フィジカルAI分野への応用も見据えている点です。Reutersも、この提携が自動車やロボティクスなどのフィジカルAI用途の機会探索を含むと報じています。
フィジカルAIとは、AIが現実世界の機械やロボット、自動車などを制御する分野です。
そのためには、現実世界を正確に認識するためのセンサーが必要になります。
つまり、ソニーの画像センサーは、スマホカメラだけでなく、自動車、ロボット、AI機器などにも広がっていく可能性があります。

5年推移を見ると、I&SS事業の売上高はFY2021の1兆764億円からFY2025の2兆1,515億円へ拡大しています。営業利益もFY2023に一度落ち込んだものの、FY2025には3,573億円まで伸びています。
FY2025について、ソニーはI&SS分野の営業利益が過去最高になったと説明しています。また、低価格帯スマホ市場でメモリー市況の影響が見え始める中でも、主要顧客向けのモバイルセンサー出荷が強かったことが示されています。
僕はここに、ソニーの長期的な成長余地を感じました。
ゲームや音楽のようなコンテンツ事業で稼ぎつつ、画像センサーという半導体分野にも強みを持っている。さらに、そのセンサーがフィジカルAI時代に広がる可能性がある。
これは、ソニーを単なるエンタメ企業ではなく、コンテンツと半導体技術を両方持つ企業として見るべき理由だと思います。
5. 3つの事業を比較して感じたこと
今回、ゲーム・音楽・I&SSの3事業を見て感じたのは、それぞれ稼ぎ方がかなり違うということです。
ゲーム事業は、売上規模が非常に大きいです。
PS5や大型タイトル、ネットワークサービスの影響を受けやすく、GTA6のような話題作が出るタイミングでは注目度が高まりやすいと感じます。
音楽事業は、利益率の高さと安定感が目立ちます。
ストリーミングや楽曲版権によって、継続的に収益を得やすい構造がある点が魅力だと思いました。
I&SS事業は、技術力と将来性が強みです。
スマホ向け画像センサーに加えて、TSMCとの提携やフィジカルAI分野への展開を考えると、長期テーマとして面白い事業だと感じました。
僕の中では、この3つは以下のように整理できます。

6. 投資初心者としての僕の見方
今回調べてみて、僕はソニーを「PS5の会社」としてだけ見るのは少しもったいないと感じました。
もちろん、僕自身がゲーム好きでPS5を持っているので、ゲーム事業には一番親近感があります。
GTA6の発売も、PS5やPlayStation Networkにとって追い風になる可能性があると期待しています。
ただ、企業研究として見ると、音楽事業と半導体センサー事業もかなり重要です。
音楽事業は、ストリーミングや楽曲版権によって安定した収益を生み出しやすい。
I&SS事業は、スマホ向け画像センサーだけでなく、TSMC提携やフィジカルAI分野への展開余地がある。
つまりソニーは、
ゲームでユーザーをつかみ、音楽で継続的に稼ぎ、センサーで将来の技術テーマを取りにいく企業
として見ると、かなり面白いと感じました。
一方で、注意点もあります。
ゲーム事業は大型タイトルやハード販売の影響を受けやすく、I&SS事業もスマホ市場や設備投資の影響を受けます。
また、ソニーはすでに時価総額の大きい企業なので、短期間で何倍にもなるような銘柄として見るより、長期でじっくり成長を見守る銘柄だと思います。
まとめ
今回、ソニーグループのゲーム事業、音楽事業、半導体センサー事業を調べて、最低限おさえておきたいと思ったポイントは3つです。
1つ目は、ゲーム事業はPS5とネットワークサービスの成長が重要だということです。
GTA6のような大型タイトルは、PS5本体やPlayStation Store、ネットワークサービスの利用拡大につながる可能性があります。
2つ目は、音楽事業はストリーミングと楽曲版権によって安定感があるということです。
音楽は多くの人の日常に根付いており、楽曲権利を持つことで長期的な収益につながる可能性があります。
3つ目は、画像センサー事業はTSMC提携とフィジカルAIで将来性があるということです。
スマホカメラだけでなく、自動車やロボット、AI機器への応用が広がれば、ソニーの技術力がさらに活きる可能性があります。
僕自身、PS5ユーザーとしてソニーを応援したい気持ちがあります。
ただ、それだけでなく、今回調べてみると、音楽や半導体センサーにも強みがあることが分かり、長期的に見て面白い企業だと感じました。
まだ投資を勉強し始めたばかりなので、認識が甘い部分もあるかもしれません。
間違っている点や、「ここも見た方がいいよ」という意見があれば、ぜひ気軽にコメントで教えてください。質問や感想も大歓迎です。
※本記事は、企業研究と投資学習を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
※また、本記事は、ソニーグループ株式会社の公式資料や公開情報を参考に、個人の企業研究としてまとめたものです。ソニーグループ株式会社とは一切関係なく、同社の公式見解を示すものではありません。

