38)秋田一人旅に行ってみた(時空を超えた、摩訶不思議な愛の繋がり)
「お父さんとお母さんはご存命なの…?」
引き攣った顔で、クイッと引き寄せられた感覚に陥った。
私の父のことなんて、当然話していない。
自然に言えたら、そのときの自分に任せてみればいい。
それくらいの気持ちだった。
「実は二ヶ月前に…」
と口を切ると、
びっくりしたように、声を漏らした。
続けて、小さくこう言った。
「私もなんで、こんなことをいきなり言ったのか分からないのよ…」
「もしかしたら、お父さんに話してって言われたのかもしれない…」
もちろん、私の父とは何の面識もない。
あまりにも、不思議な現象だったけど、すんなり腑に落ちてしまっている自分もいた。
「亡くなってから、いろんな不思議なこと起こらなかった…?」
ひっそり興味深く聞かれると、父が亡くなってからの数々の不思議体験を、ドバドバ話し始めた。
「やっぱり…」というと、お母さんや娘さんの身に起こった似たような不思議体験の話にもなった。
それから、「お名前は何て言うの?」と聞いてくれて、父の名前を呼んでくれたり、どんな人だとか話していると、今度は父のことにも興味を持ってくれて、お話しは新たな波を迎えた。
父のいない悲しみすら一旦置いていった旅だと思っていたけど、でっかい愛にいまこの瞬間も、温かく包まれているようだった。
この連載は、全てがいっぱいいっぱいになった冬のある日、肩掛けのバックひとつで飛び出した旅の記録です。
あなたの日常にもきっと潜んでいる、小さな奇跡に満ちた、不思議な愛と繋がりの物語へ、ようこそ。
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