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“慈しみ”という言葉に、救われた日。

「凛さんの紡ぐ文章は慈しみに満ちてると思う。」

その一言をもらった瞬間、
胸の奥に、静かに波が立った。

優しい言葉に触れたとき、
なぜこんなにも静かに涙が出るのだろう。

あの日からしばらくの間、
この言葉が心の中で何度も響いている。


読めなくなった時期のこと

生きるのがつらい、と感じていた時期がある。
何もかもが遠くて、
“読む”ことさえできなくなった。

活字が目をすべり、
本の背表紙がまぶしく見えた。
まるで、世界のすべてが自分を置いていってしまうようだった。

それでも、ページを閉じたままの日々のなかで、
「もう一度、言葉に触れたい」と思えた瞬間があった。

その小さな火が、
いまの私をここまで連れてきたのだと思う。

泣きながら書いた夜。
誰にも読まれないまま消した文章。
それでも、少しずつ言葉を紡ぐたびに、
心の奥で何かがほどけていくのを感じた。

書くことは、過去の自分への手紙

「慈しみ」という言葉をもらって、気づいた。
私が書いている文章の多くは、
“あの頃の自分”に向けた手紙なのだと。

泣いていた夜も、
どうしようもなく孤独だった朝も、
それでも必死に立ち上がろうとした自分に、
「大丈夫」と伝えたくて、
私は書いているのかもしれない。

優しい言葉は、誰かを生かす

人の言葉には、驚くほどの力がある。
たった一行で、
その人の世界を少し変えてしまうほどの力が。

「慈しみ」という言葉は、
過去の私の手を、未来の誰かが握ってくれたような感覚だった。

書いていてよかった。
言葉を信じていてよかった。
そう思えたのは、久しぶりだった。

言葉の灯りを、次の誰かへ

人に言われたひと言が、
その日の心をやわらかくすることがある。

「大丈夫」「ありがとう」「好きだよ」
そして、「あなたの文章は慈しみに満ちてる」。

書くことを通して、
私はもう一度、生きる力をもらっている。

もし、私の言葉が誰かの心をそっと包むことができるなら、
それは過去の自分が、やっと報われる瞬間だ。

これからも、
慈しみを宿した言葉を紡いでいきたい。
誰かの朝を、ほんの少しでもやさしくできるように。

嬉しい言葉は、過去の痛みをやさしく塗り替えてくれる。
だから、人は“誰かに届くように”言葉を選ぶのだと思う。

喜木 拝

#本田健 さんの#ハッピーライティングマラソン第9回のお題によせて綴りました。
ヒロロさんから頂いた、あたたかいコメントに感謝申し上げます。
嬉しい言葉は、ただの褒め言葉ではなく、
「あなたの生き方は、それでいい」と背中を押してくれるもの。

だから私は、今日もペンを取る。
過去の自分を包みなおしながら、
未来の誰かの心に、そっと灯りをともすために。

ここまで、お読みいただきありがとうございます💖

第1回はこちら👇


有難いコメントをいただいた第7回はこちら👇



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